一番上の孫が、5カ月になる息子を抱きかかえてやって来た。その30分ほど前に、友だち夫婦から、「曾孫さんも大きくなったでしょう」と言われていたので、我が家に行く前に見せに寄った。寝起きだったからなのか、初めて見る髭面の人だったからか、「可愛いね」と笑顔で顔を近づけると急に声を上げて泣いた。
これまで、知らない人に声をかけられても1度も泣いたことの無い子が急に泣いたので、孫と一緒に笑ってしまった。まだ人見知りすることもなく、検診で医者に触られても泣いたことが無かったので、「どうしたんだろう?」と孫が不思議に思って私に聞く。「髭ジイさんの顔がよっぽど怖かったんじゃないか」とまた笑ってしまった。
先回来た時よりも重くなっていて、抱いていても腕に重さが伝わってくる。私の声の響きが心地よいのか、よく笑ってくれるので親近感を強く感じる。腕で抱いていると疲れてしまうので、太ももに乗せて抱きかかえていたら、よく声を上げて動く。「おお、元気だね」と声をかけると、心地良いのかさらに動く。
その時、何やらブーと小さな音がして、太ももに感じるものがあった。「ウンチしたと思うよ」と孫に声をかけると、「もうちょっとそのままにしておいて」と言う。太ももの辺りがちょっと温かくなってきた。孫は私から息子を取り上げ、お尻の辺りに鼻を寄せ、「やっぱり出てる」とおむつを取り替える。
自分の子どもだとは言え、臭いものは臭いはずなのに、「いっぱい出たね。お利口さんだね」と言いながら、お尻を拭いている。やっぱり母親なんだなと、当たり前のことなのに感心してしまう。赤子が周りの大人に愛嬌を振りまくのは、可愛がってもらうための生きる知恵だ。愛くるしい仕草をされるともっと世話したくなる。絆はこうして強められていく。