風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

東京都議選

2017-07-04 00:09:28 | 時事放談
 自民党劣勢と、誰もが思っていただろうが、ここまで惨敗するとは、正直なところ思ってもみなかった。一ヶ月くらい前まで自民党と都民ファーストは拮抗していたはずなので、最終局面で、“魔の2回生”の一人で“ピンクモンスター”と綽名される豊田真由子議員の「この、ハゲ~っ!」「ち~が~う~だ~ろ~!」暴言や、稲田朋美防衛相の「防衛省、自衛隊、防衛大臣としてもお願いしたい」失言が影響したことは間違いない。「もり・かけ」問題で執拗に責められたことがボディー・ブローのように効いて、安倍政権の足を引っ張ったという点では、野党(及びメディア)の作戦勝ちと言えるが、それにしては既存野党にさしたる成果が見られず、肝心の油揚げはトンビの小池知事にさらわれたという点では、さぞ徒労感に見舞われていることと思う(国政と都政は違うとは言え)。納税者としては、民進党をはじめとする既存野党の対応は、国会審議を政局化し過ぎで、税金を返してもらいたいとの思いが強い。
 百歩譲って、安倍首相ご本人も「政権が発足して既に5年近くが経過(し、中略)安倍政権に緩みがあるのではないかという厳しい批判があった」と釈明されている通り、「緩み」と言うより「驕り」は確かにあって、実際に安倍首相の答弁は逆切れがちょっと見苦しく、「安倍一強」憎しで「お灸をすえる」という都民のマインドセットは分からないではないし、産経新聞政治部次長が勘繰ったように「憲法改正封じ」がまたぞろ始まったというのも、最近のメディアの過剰とも言える反応から察するに、分からないでもない。
 しかし、現象面では、小池さんが「古い都議会を新しくしよう」と訴えるのは、12年前の小泉さんの「自民党をぶっ壊す」に似ているし、知事が率いる政党が議会第一党となったという意味で大阪府知事時代の橋下さんが立ち上げた大阪維新の会の当時に似ているが、当時は「郵政民営化」なり「大阪都構想」といったそれなりの目標があったことと比べれば、今回は「非」なるところが気になる。小池さんを揶揄するつもりは毛頭ないが、最近の民意は移ろいやすく、とりわけSNSの時代になって、自分の好む情報しか見ない、求めない、といった極めて利己的な状況が加速して、アメリカや欧州同様、日本でも社会の分断が先鋭化しているように見える昨今にあっては、大勝した小池さんとて、老婆心ながら今後に留意が必要と私なんぞに言われずとも、ご自身がよく理解されていることと思う。
 とにかく小心者の私としては、政局よりも政策を進めて貰いたいと思わずにはいられなくて、築地の決着が腑に落ちないのはともかくとして、せめて三年後に迫った祭典に向けては、「交通標識の準備もままならない」と警察関係者が嘆く状況を解消して、とっとと準備万端、整えることを願うばかりであるが・・・さて。
コメント (2)
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