風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

コロナ禍⑤マスクがない

2020-03-02 23:44:36 | 時事放談
 陽水の「傘がない」に引っ掛けたのだが、新型コロナウイルス流行のご時世に、私にはマスクがなく(正確には虎の子の数枚を、万が一のために残して携帯している)、毎朝・毎晩、満員電車に揺られながら、感染してたまるかという精神論で頑張っている(笑)。マスクが入手できないのだからどうしようもないのだが、つい最近、WHOが公開した、マスク使用についての一般向けアドバイスによれば、マスクを装着すべきケースとして、
●健康であれば、感染の疑いのある人の世話をする場合のみ必要
●咳やくしゃみをするなら必要
●マスクが有効なのは、アルコールベースの手指消毒剤または石けんと水で頻繁に手洗いすることと組み合わせた場合のみ
●マスクをするなら、その正しい使い方と廃棄方法を知る必要がある
とあって、精神論にもなんとか裏付けが伴うこととなった(笑)。まあ、気休めであって、マスクは有るに越したことはないと思うが、無くてもそれほど悲観することもないかも知れない(https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public/when-and-how-to-use-masks)。新型コロナウイルスから身を守る効果的な方法として、WHOのQ&Aによれば、「頻繁に手指を洗い」「咳やくしゃみをしている人から最低でも1メートル距離を置き」「目や鼻や口に触れない」こととある。言い古されたことではあるけれども・・・。そして何より良い睡眠と良い栄養で免疫力を高めておくことが重要だろう。
 ここ数日で、ずいぶんと動きがあった。安倍首相から、大規模イベントの中止に続いて、小中高の臨時休校を全国一律に求められ、ちょっとしたパニック状態だ。既にトイレットペーパーやティッシュペーパーの買占めが問題になっていたが、自宅待機の子供のためであろう食パンや菓子パンの類いも品切れになっているらしい。デマと分かっていても念のため、あるいは先回りしたい気持ちも分からないではないのだが・・・。
 そもそも、政府は何を言っても何をやっても批判的に受け止められているかのようだ。水際での食い止めは失敗したと言われるが、中国の隠蔽のせいで既に相当数の(100万ともいわれる)中国人が訪日していたので、土台、水際での食い止めなど手遅れだったのではないか。ダイヤモンドプリンセス号の隔離も失敗だったと言われるが、他に引き受け手がない中、3700人もの大量の受け入れは困難だったため、大航海時代よろしく船内隔離せざるを得なかったのであって、出来ないものは出来ないと見捨てていたらもっと非難されていただろう(外気と入れ替えられればよかったのだろうが、内部循環だったらしい)。東京オリパラ実現に配慮して、感染者数を低く見せるために検査をサボっているのではないかと邪推されているが、医療崩壊を懸念する声があるのは事実だし、仮に日本だけ無事だったとしても他国で蔓延していれば開催は難しいのではないだろうか。休校要請は唐突だと言われるが、昨今の状況から、何も備えていなかったとすれば、そちらの方こそ危機意識が足りないことにはならないだろうか。専門家の意見や科学的根拠が重要というのはもっともだが、私たちは新型コロナウイルスについてどこまで分かっているのだろう。そして、この期に及んでなお与野党の非難の応酬や犬猿の仲は見っともなくはないか・・・
 それもこれも、先が見えないのが不安になるからだろう。韓国やイランでは特定の地域に患者が集中して見つかっているのに対し、日本では全国各地に感染経路が見えてこない患者が点在する形になっており、この状態が進めば、感染が点から面になる恐れがあると警告する専門家がいる。北海道で感染者が増えているのは、北国故の密閉された環境が問題だと想像されるが、首都圏や大阪などで感染者が少ないのは、検査態勢が整備されていないせいで、症状が出ない不顕性感染者や軽症の患者が潜在している(従い感染拡大に歯止めがかからなくなる)可能性があり、先ずは「この1~2週間の瀬戸際」への対応が重要なのだろう。
 この新型コロナウイルスのためにすっかり霞んでしまったゴーン逃亡事件の時にも感じたのは、危機管理における日本語と英語による効果的なコミュニケーションのあり方だ。とりわけ今は、誰もが手探りの状況で、デマや不安を掻き立てる言説も多いだけに、もう少し何とかならないものかと切に思う。
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