風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

東京マラソン

2020-03-01 23:40:42 | スポーツ・芸能好き
 今日の東京マラソンは、3万8千人の一般参加が中止され、僅か200人のエリート・ランナーだけが走る異例のレースとなった。恨めしくテレビ観戦していた人も多かったことだろう。普段なら沿道に100万人が詰めかけるところ、感染を避けるために観戦を控えるように(!)声掛けをして、なお7万2千人が「集まってしまった」らしい。それほど注目される中、日本記録保持者の大迫傑選手が自らの日本記録を更新し、日本人トップでフィニッシュした。
 彼がMGCで2位と5秒差の3位に沈み、五輪代表内定を逃したことこそが予想外だった。それだけに、かれこれ半年、ゴールしたときの鬼の形相と言い、インタビューで思わず涙したところと言い、彼の苦悩が忍ばれる。彼ほどのランナーでも期待通りにきっちり結果を出すのは並大抵ではなかっただろう。本当によう頑張ったと思う。
 MGCが終わったとき、瀬古さんは、日本記録保持者で三枠目の可能性が高く、東京五輪までの日程を考えれば東京マラソンにも来週の琵琶湖マラソンにも参加しないで「待つ」のが得策だと言われていた。ところが、状況は必ずしも安穏としていられるものではなかった。今日も、海外勢を含めて上位30人中28人がナイキの新旧厚底シューズを使用していたそうだ。さすがに瀬古さんは「シューズが進化するのは当たり前・・・(略)・・・シューズで(タイムが)良くなったといわれるとかわいそう。選手が努力した結果だ」と言われたものの、大迫に続く日本人選手を見ても、2時間6分台が2人、7分台が7人と、実に10人が2時間7分台以下であり、日本男子歴代20傑の中に新たに8人がランクインするほどの高速レースとなったのは、シューズの格段の進化なしにはあり得なかっただろう。大迫が敢えて代表の座を掴みに行った所以でもあろうかと思う。
 ところでトリビアとして・・・大迫選手のために5年前にアスリート・フード・マイスターの資格を取得した奥様からのレース直前の差し入れは「普通のカステラ」らしい。栄養補給に優れ、体内にゆっくりと糖が吸収されるため、スタミナの持続効果を持つのだという。昨年の東京マラソンで、奮発して「高級カステラ」にしたところ、初めて途中棄権となったのは、奥様によると「高級カステラには風味や食感を出すためにバターがふんだんに使われることが多く、胃にもたれやすかった」とのこと。もしそれが本当なら一流選手が如何に微妙なところで勝負しているかが分かるが、庶民には有難いエピソードだ(笑)。
 プロ野球オープン戦は無観客で行われているし、大相撲春場所も無観客と決まった。ファンあっての興行であり、ファンの歓喜と一体となってこその盛り上がりである。オリンピック本番で彼の勇姿を見るためにも、外出することが緊張を強いるような状況を脱して、かつての日常に早く戻りたいものだと思う。
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