風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

政争(2)挙党体制

2010-08-30 23:34:23 | 時事放談
 それにしても、なんとも情けない光景ではあります。
 今宵、首相官邸のぶら下がりで、菅さんは「適材適所で挙党態勢を作る」と述べ、民主党代表選で対立候補となるはずだった小沢さん一派のポスト処遇を匂わせました。心ならずもトロイカ体制が復活しかねない情勢に、涙目で、心ここにあらずの風情です。それはどうやら鳩山さんも同様のようで、格好良く仲介に乗り出しているかのように見えますが、実際には小沢さんに首根っこを掴まれて、こちらも心ここにあらずの風情です。
 もし私が小沢さんだとしたら、鳩山さんにこう言ってゴネたことでしょう。参院選のためにいったん身を引いてやったけど、一体いつまでワシを遠ざけとるんや? 鳩山、お前は首相になって本望、燃え尽きて次の総選挙に出るつもりがないのかも知らんが、ワシはまだやり残したことが一杯あるんや。いつまでも、反・小沢とか脱・小沢とか、うだうだ言うとるんやったら、民主党なんぞワシはいつでも飛び出したるでえ。
 そこでもし私が鳩山さんだとしたら、こう言い返してなだめたことでしょう。まあまあ小沢はん、短気は損気って言いまっしゃろ。自民党がずっこけたこととは言え、念願叶って手に入れた政権やないか。そう易々と手放す手はおまへんで。菅さんも話せば分かる男や。あんじょうとりなしますさかい、ここはひとつわてに任せてくれまへんやろか。
 別に小沢さんを弁護するつもりはありませんし、むしろ古いタイプの政治家で、民主党には相応しくないと思うのですが、小沢さんの経験と力量なくして、今日の民主党の躍進はあり得なかったことでしょう。ここまで政治が民意を離れて停滞してしまったのは、ひとえに政権を取らんがために余りに非力な民主党が小沢さんという異質な存在を抱え込まざるを得なかったジレンマにあると言えます(ついでに言うと、亀井・国民新党も、民主党が抱えざるを得なかったもう一つの異分子でしょう)。
 それにしても、マスメディアも、興味津々に政局を伝えてくれますね。本当に日本人は井戸端会議、あるいは給湯室での噂話、酒場での人事の話が大好きです。政治の貧困は、こうした国民性に由来すると言われても文句は言えませんね。
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