かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

結論

2014年01月31日 20時03分08秒 | みゆみゆとの生活
毎日のように日替わりで市教委や特別支援学校準備室から電話があり。
出た私なりの結論。

1.コミュニケーション不足は誤解の元だ。
2.準備室の先生はいい人だった。

親→地元小学校→市教委→県教委(特別支援学校準備室)と伝言ゲームのような情報共有の過程で、うまくニュアンスが伝わらなかったみたい。
どうやら、「3月いっぱいで退院して4月の始業式から特別支援学校に登校する」と、親以外の皆さんが思いこんでいたらしく、
そうちゃんの退院時期が決まらないことが、クラス編成をかえる大きな「一名」だったことで、大問題になってしまっていました。

元々、「治療目的の入院で、3~6カ月と流動的な計画である」ことを、地元小学校には伝えたつもりだったんだけど、結果的にはそこが関係者に伝わっておらず。
親が、退院時期をいつにするか決めかねて迷っている、と捉えられたようで。
教育委員会の発想として、「クラスが一つ減ってしまうからなんとか3月末に退院できませんか?」ってことになったみたい。
私自身にも、ちゃんと今まで伝えてこなかったという意味で、反省点がたくさんあります。

昨日・今日の電話で、もう一度きちんと、市と県の方にお話しました。
「確かに親として、3月末よりは4月中旬ごろ新生活が安定してから退院した方が安心、とは漠然と思っていましたけど。私の仕事のこともありますし。
でも、基本的に退院は『治療目標』の達成をどこにするか、という医療的な判断が基準です。
医師とスタッフのたび重なるカンファレンスと親との話し合い、環境調整など全てを整えて、慎重に地域に帰してもらうことになっています。
だから、まだ服薬調整も半ばの状態で、何月何日に退院できる、なんていうことは、現時点ではだれにも断言できないんです。
『迷ってる』のではなく、『わからない』んです。」

教育委員会サイドも、はじめは伏せていた「クラス編成」の事情なども教えてくれ、最後にはお互い腹を割って話せた感じになりました。

今日の電話では、支援学校準備室の先生が、こう話してくれました。

「お母さんのお気持ちはよくわかりました。
こちらもクラス編成などの教育委員会側の事情をぼやかして話していたので、誤解を招くことになってしまい申し訳なかったです。
手続き上のことは『大人の都合』ですから、そうちゃんには関係のないことです。
そうちゃんにとって一番いい方法を病院の先生と話しあって、十分に治療教育をやってあげて下さい。

そうちゃんは、『年度途中で転校してくる子』として手続きを進めます。
4月は、そうちゃんを抜いた残りの12人でクラスを組みますので、6人づつの2クラスでのスタートとなります。これで一年間いきます。
ただ、2クラスだからと言って、教育が行き届かないということでは決してありません。
2クラスか3クラスかは、確かに大きな問題ですが、それは学校側、大人の事情であって、そうちゃんには関係のないことです。
2クラスでも、お母さんにはご安心いただきたい。
学校サイドできちんと準備して、十分にしっかりとそうちゃんを見させていただきます。
もしも、治療がスムーズに行って、思ったより早く新学期前に退院できるようでしたら、分かった時点でまたご連絡ください。」

「2クラスでもしっかり教育するから安心してほしい。」
この言葉は、本当に嬉しかったです。

もうひとつ、私から質問をしたことがあります。
「転校の時期」はまだ決まらないが、来月行われる「26年度入学者(転入者)説明会」への出席は可能か、という質問です。

先生は、こう答えてくれました。

「もちろん。ぜひ、来てください。来年度うちの学校に来られるお子さんですから。」

不覚にも、涙が出ました。
電話口なのに、自分でも驚くくらい声がつまってしまって、言葉がつなげなくなりました。

「どうぞ、うちにいらっしゃい」

やっと、言ってもらいました。
この言葉をどれだけ待っていたことか。

小学校に入る時の苦労も思い出して。
また、今回の、転校の苦労。

もっと言えば、どこに行くときも。この言葉を掛けて欲しかった。
大声をあげたり走り回ったりするそうちゃんを連れていく時は、どこに行くにも緊張するのです。
病気で病院に受診する時でさえ。
わが子は歓迎されてないんじゃないか、人に迷惑を掛けるんじゃないかと、「すみません」と謝りながら、新しいドアを開ける日々。

両手を広げて「どうぞいらっしゃい、そうちゃんもお母さんも、安心していいんだよ。」と言ってくれる人。その人の開ける扉の前に立って。
嬉しくて、涙して、
やっと、自分の肩に乗っていた荷物の重さに気付いたのでした。

はぁ。
しばらく、泣いてなかったな、私。
ホッとした時の涙は、パソコン打ってても勝手に目の前をにじませます。

さて。
そんなこんなで明日はそうちゃんが帰ってくるよ。
今回は、1泊2日の短い外泊です。
嬉しいな、嬉しいな。
大好きなそうちゃん。