前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

阿修羅ブーム

2009年05月22日 | Weblog
   東京国立博物館で開催されている阿修羅展は混み合っていた。平日の夕方に行ったが、50分待ち。
  たまたま買った朝日夕刊。美術史家の高階秀爾氏は、「人込みの中で見た阿修羅像は、それでもやはり鮮烈な力に欠けてはいなかった。ただその時の感動は、かつて奈良のお寺で見た時とは微妙に違っていた」と書いている。
  わたしは初めて見たから、なにかを超越したかのような美しさにまず感動した。
  同じ夕刊で、免疫学者の多田富雄氏は、「これまで何度となくお目にかかったが、今回ほど身のすくむような感動に襲われたのは初めて。・・・見終わって、つくづくこの国に生まれた幸福感に浸った。まさに奇跡の仏像であった」と述べている。
  多田氏によると、もともとは戦いと殺戮を好む悪神だったが、仏道に帰依し仏教の守護神となったという。「平和と寛容の精神を、世界に発信する力をもっている」とも。
  会場で発売されていた阿修羅像のフィギュアは売り切れた、という。感動を身近に置きたい、とはみんなが考える。


   アフガニスタン、イラクとたたかいを始めた悪のブッシュが去り、核兵器廃絶をよびかけるオバマが誕生した。共産党委員長の書簡にはじめてアメリカから返書がとどいたという。
  最近は「仏像ブーム」ともいわれているが、この時期の阿修羅ブームともいえる現象は、「テロとのたたかい」「核抑止力」という人類の修羅場を克服する「平和と寛容の精神」におおきなはずみをつける現象となるのかもしれない。
  

北陸新幹線の「時間短縮」?・・・・国土交通省交渉

2009年05月22日 | Weblog
    5月20日におこないました政府への要望交渉の内容です。今回は、国土交通省。
    国土交通省とは、これまで福井空港拡張計画問題や足羽川ダム、新幹線など、いわば県庁側、共産党以外のオール与党議会との対決点での交渉が目立ちました。では、今回は・・・・

●足羽川ダムは、河川整備計画に位置づけられたので、国側は強気一方です。  
「通常水没していない広大な斜面が洪水のたびに急激な水没・水位低下することによる地すべり・崩壊などがおこりうる」との指摘にも、「おこれば適切に対応する」。「福井豪雨のような洪水時には多数の流木・土砂などの発生が見込まれ、これらの廃棄物の発生量によっては導水施設の閉塞の危険もある」との指摘にも、「適切に対応する」。すべて「官僚答弁」。
    問題がおこったら「対応する」のは当たり前のことで、そういう問題をおこさないダム計画なのかどうかを問うているのですが・・・・。

●わたしたちは、北陸新幹線計画について、金沢以西は凍結を、福井まで新幹線は当面不要、と提案しています。新幹線の建設費、現行北陸線の第三セクターの費用の莫大な負担、そんなに東京間の時間短縮にならない、などが理由です。
    今回、あらためて「東京―大宮間は東北、北陸、上越と新幹線が輻輳している。繁忙期は大宮止まりもある」と国側は回答。
   東京駅に到着しない北陸新幹線もでてくるのです。県や経済界の東京までの「時間短縮」試算がくずれることも明らかになりました。県・県議会・経済界の「新幹線インフルエンザ熱」にこそ解熱剤が必要です。

●福井新聞で大きく取り上げられた県内業者への発注が低い問題。
「いま、中部縦貫道路など大規模工事があるので低くなっているのではないか」と国側。
   やっぱり、高速道路、ダム、新幹線など大型開発では県内業者はあまり潤わないということですね。わたしたちが提案しているように、「同じ公共事業でも、ゼネコン儲けの大型ではなく、地域密着型の公共事業を」の政策の有効性は明らかでしょう。

     ・・・・・このように、「足羽川ダムでの歯切れの悪さ」「新幹線は東京までの所要時間見直しが必要なケースも」「大型公共事業では地域は潤わない」・・・・・なかなか面白い国土交通省の回答でした。ありがとうございました。
  以下、国土交通省要望の全文です。

           ★

  



国土交通大臣 金子一義 様
             2009年5月20日 日本共産党福井県委員会
                     委員長 南 秀一

重点要望事項
福井県民の切実な要望事項の実現に特段のご尽力をいただきたく、つよく要望いたします。

1、足羽川ダム計画について。
①現在おこなわれている足羽川激特事業により福井豪雨規模の洪水も流下可能となる。さらなる洪水対応も堤防強化などにより対応可能であり、1000億超の税金投入のダム計画は費用対効果が低いものであり見直すべき。
②環境影響評価について
ア、「治水型穴あきダムは中小洪水をもためこみ、河道の自浄作用が小さくなると見込まれる」「通常水没していない広大な斜面が洪水のたびに急激な水没・水位低下することによる地すべり・崩壊などがおこりうる」「福井豪雨のような洪水時には多数の流木・土砂などの発生が見込まれ、これらの廃棄物の発生量によっては導水施設の閉塞の危険もある」などこのダム独特の問題点を詳細に検討すること。
ィ、これまでのダムと形式が違う「穴あきダム」であり、従来のダムと環境影響評価の変わった点はなにか。
ウ、大気環境などの影響で、予測時期は「影響が最大となる時期」としている。しかし、工事は長期間つづくのであり、「最大のポイント時期」だけでなく、「期間の評価」が必要ではないか。
エ、昭和60年度から約四半世紀にわたって環境影響評価に係る調査をしているが、かかった事業費はいくらか。また、当初計画の美山地域の調査期間と、その後決定した池田地域の調査期間はそれぞれどうなっているのか。
③県と約束した事業費抑制について、どのような点を具体化しているか。
2、新幹線建設について。
建設費の地元負担と在来線の第三セクター化という多大な地方負担のスキームの見直しをおこない、国の責任で建設し、在来線はJRが責任をもつこと。
3、除雪対策について
①生活道路の除雪・排雪に国の補助を制度化すること。通学道路の歩道除雪も補助対象とすること。
②狭い道路の除雪に必要な小型除雪機の購入にも補助すること。
③高齢者世帯、母子家庭など「社会的弱者」の世帯の除雪について除雪作業の補助制度などをあらためて創設すること。

④高齢者世帯などの雪対策として、有効な手段である「屋根雪融雪」について国として支援を強化すること。
4、勝山市の大蓮寺川バイパス工事を急ぐこと。支流の三谷川流域では浸水被害が続発しており、早急に抜本対策を講じること。
5、県内の建築業者から「2~3次下請けなどで賃金がピンハネされていく事態がある」と改善を求める声があがっています。公契約法の制定を行い、請負による賃金や社会保障費等の不当な切り下げが起こらないようにすること。
6、福井市の区画整理事業がうまくいかず、見通しも立たない状況になっており、区域も含め計画変更できる仕組みにすること。国の補助が有効に使われているか検証すること。
膨大な借金をかかえている事業の見直しを求めること。
7、直轄事業負担金など地方負担の抜本見直しをおこなうこと。また、直轄事業で福井県内業者の受注は全国平均を2割も下回るなど極端に低くなっている。原因を明らかにするとともに、改善を急ぐこと。
8、福井県内では県管理の国道に県の事業として通学路照明を設置していますが、その維持費用が地元負担となっています。国として、通学路照明にかかる維持費用の地元負担を解消すること。
9、敦賀市において、国道8号線バイパスや金山バイパスの4車線化よりも、国道161号線の拡幅工事や東浦バイパスの新設工事を優先すること。