国立遺伝学研究所名誉教授の太田朋子氏の「分子進化のほぼ中立説」を買ったが、「科学脳」が後退しているからか難解だった。BLUE BACKSは10代頃から時々買っているが、なかでも難解の部類かな。
なぜ買ったかというと、多分高校時代、1970年代後半だと思うが、当時発行されていた「科学朝日」という雑誌に分子進化の中立説について木村資生博士のインタビューなどが掲載されていて関心をもった。確か、その後木村先生は不幸な事故死で亡くなられたのではなかったか。
中立説とは、「分子レベルの進化の大部分は、自然淘汰によくも悪くもない中立な突然変異が、偶然、すなわち遺伝的浮動によって集団中に広がり固定することによる、と主張する」。木村氏が説を発表したのは1960年代後半だが、「自然淘汰」説が主流の学会からは猛攻撃をうけたという。
太田氏は、「集団が大きい時は遺伝的浮動の力が弱く、淘汰が有効に働いて、弱有害突然変異が集団から除去されるのに、小さな集団では遺伝的浮動の力が大きくなって、弱有害突然変異が中立のようになり、集団中にある程度広がることに注目した」。そして、「弱有害突然変異仮説」または「ほぼ中立説」を1970年代前半に提唱した。また、太田も厳しい批判にさらされたという。
★
太田氏は、「発現パターンの急速な進化は、・・小集団でみられる形態の急速な進化と関連しているように見える」と書いている。
また、形態の急速な進化で、なぜ化石が欠落しているのか。について、「急速な進化が小集団で起こりやすいため」と指摘している。
この点は、その部分の化石調査がさらにすすめば、環がみつかることを期待したい。
木村氏が、まとまった「分子進化の中立説」を出版したのは1986年であり、当時買っている。
おもわず太田氏の本に手が伸びたのは、高校時代・青春時代の「進化への関心」の琴線にふれたからだろう。
圧倒的学会主流派に抗して、「説」を曲げず今日の発展へ結びつけられた学者魂に敬意を表したいと思うのです。
なぜ買ったかというと、多分高校時代、1970年代後半だと思うが、当時発行されていた「科学朝日」という雑誌に分子進化の中立説について木村資生博士のインタビューなどが掲載されていて関心をもった。確か、その後木村先生は不幸な事故死で亡くなられたのではなかったか。
中立説とは、「分子レベルの進化の大部分は、自然淘汰によくも悪くもない中立な突然変異が、偶然、すなわち遺伝的浮動によって集団中に広がり固定することによる、と主張する」。木村氏が説を発表したのは1960年代後半だが、「自然淘汰」説が主流の学会からは猛攻撃をうけたという。
太田氏は、「集団が大きい時は遺伝的浮動の力が弱く、淘汰が有効に働いて、弱有害突然変異が集団から除去されるのに、小さな集団では遺伝的浮動の力が大きくなって、弱有害突然変異が中立のようになり、集団中にある程度広がることに注目した」。そして、「弱有害突然変異仮説」または「ほぼ中立説」を1970年代前半に提唱した。また、太田も厳しい批判にさらされたという。
★
太田氏は、「発現パターンの急速な進化は、・・小集団でみられる形態の急速な進化と関連しているように見える」と書いている。
また、形態の急速な進化で、なぜ化石が欠落しているのか。について、「急速な進化が小集団で起こりやすいため」と指摘している。
この点は、その部分の化石調査がさらにすすめば、環がみつかることを期待したい。
木村氏が、まとまった「分子進化の中立説」を出版したのは1986年であり、当時買っている。
おもわず太田氏の本に手が伸びたのは、高校時代・青春時代の「進化への関心」の琴線にふれたからだろう。
圧倒的学会主流派に抗して、「説」を曲げず今日の発展へ結びつけられた学者魂に敬意を表したいと思うのです。