2012.6.29 教育委員会関係審査
■春江工業高校のあり方
◯佐藤委員 関連で、一般質問でも地元の議員も取り上げられているが、この坂井地区の春江工業高校のあり方問題を取り上げられているが、若狭地区の高校再編問題については、地元説明会をどういう形で持たれて、坂井地区の場合はどういう形で持たれているのか、違いがあるのかどうか、確認したい。
◯高校教育課長 地元での説明会ということであるが、若狭地区、坂井地区の両地区とも平成21年から教育懇談会という形で地元の各界各層2つの地区の方々に委員として出席していただいて、説明会を進めてきた。特に、若狭地区は平成25年度からということで、平成23年7月ごろから、PTA関係者を対象にした説明会を10回以上開催するといった形で、地元への説明を行ってきたわけである。
◯佐藤委員 若狭地区で10回以上説明してきたが、坂井地区では何回開催するのか。
◯高校教育課長 坂井地区では、平成21年度に2回、教育懇談会という形で行って、それ以降は平成24年2月6日に、同じような形で教育懇談会、それから、あわら市へ出かけて、再編についての説明会等を行っている。
◯佐藤委員 懇談会は2回実施したとか、ことしは開いたとかと言うが、坂井地区は、地元住民対象の説明会を開いているわけである。教育懇談会の範囲にとどまらずに、教育懇談会におけるメンバーの枠を超えて、若狭地区の場合は開いているという説明ではなかったのか。開催する対象範囲とか、規模とかの違いがわかるように説明してもらいたい。
◯教育長 山本正雄委員からの提案や今回の一般質問等で話していただいているのは、あくまでも来年度の入学者に対して、今、新しい学校であるので、どういったカリキュラムであるとか、特色をよく説明していかないと選択しにくいということで、そのことについて、今、若狭地区については、そういう説明会を始めたり、あるいはリーフレットを配っているということである。
その前の学校再編についての考え方について議論をいただくことについては、それぞれ地元の関係者やいろいろな方の話を聞く機会をつくっているし、もちろんまだ坂井地区については今、方向性は出ているが、例えば普通科校3校についても、どういった特色をそれぞれつくるかとか、あるいは新しい総合産業高校としても、カリキュラム等は学校で考えているが、さまざまな意見をいただく必要がある。そこで、それぞれの学校でも議論されているが、引き続きお互いに議論しながら、再来年春の開校準備に向け進めていく。そういう意味で、進学生向けと地元向けの説明会とで混乱していたようであるが、そういう分け方の説明会がある。
◯佐藤委員 教育長報告にもあるが、「春江工業高校の校舎等のその後のあり方などを学校現場の教職員で構成する準備委員会とともに検討する」とのことである。だから、地元の皆さんの意見を汲み取るように取り組んでいただきたい。
だから、新聞報道等の範囲でいうと、地域の人のいろいろな声はあるかもしれないが、若狭地区の場合は小浜水産高校を残してほしいという声がかなり多くあって、割と丁寧に繰り返し説明されているという印象だった。春江工業高校の場合は、なかなかそういう姿がまだ見えていないのではないかという気がするので、それは地元の皆さんにとっては、西畑議員も一般質問されていたが、非常に大きな問題だと思うので、その実現だけは要望しておく。
■インターンシップ、海外研修
◯佐藤委員 教育長報告に企業生産現場での生徒の実践的な長期実習との報告があるが、これは従来、インターンシップで3日でやっていたものとは、別枠なのか。
◯高校教育課長 今までは、インターンシップは大体の学校が3日間程度で実施していると聞いている。それとは別枠で10日間の企業実習は、全ての生徒にというわけにはいかないが、取り入れていきたいと思っている。
◯佐藤委員 大体、その規模とこれまでの研修との兼ね合いについては、どのように考えているのか。
◯高校教育課長 長期の企業実習については、工業系の生徒を中心に六十数名の規模で実施していきたい。
◯佐藤委員 だから、この六十数名は従来の3日間ではないが、別コースに乗るということでよいのか。
◯高校教育課長 そのとおりである。3日間のインターンシップとは別の生徒を想定している。
◯佐藤委員 実際、このインターンシップでも現場はかなり苦労されて、どこへ行ってもらうか、あるいはそこの会社にどういう謝礼等を考えるかなど、いろいろ苦労されているという話も聞いているが、10日間の実習では、予算措置などの調整はどのように考えているのか。
◯高校教育課長 時期は夏休み中になるが、10日間の授業で研修に行くわけである。3日間のインターンシップにおいても企業への謝礼等の予算措置をしているので、このような形で行っていきたいと考えている。
◯佐藤委員 やはり現場の先生から聞くと、少し唐突だという声もある。一般質問で英語研修も唐突だと取り上げたが、要するに学力向上ということでは、アメリカ英語研修ということで、英語研修はいいことであるし、やはり質問したように英語研修でいうと、現場では定数の枠が集まらないし、半分は数十万円の自己負担という問題がある。
今回の職場研修でも、いきなり10日間の研修をどこで受け入れてもらうのかと、現場の教員任せにしたところで、大変なことだと思う。やはり、そういうことを何か机上のプランでいいのかと思っているのではないのか。現場は混乱するし、うまくないということもあるわけなので、その辺はどう考えるのか。
◯高校教育課長 インターンシップについては、学校がそのインターンシップの受入先を探して実施してきたわけである。今回は、職業教育全体の充実という中で、まず、企業と学校を結ぶコーディネーターを商工会議所、経済団体の方にお願いしているが、そのコーディネーターに入っていただき、そういった企業などの実習先も探していくということで、今までと違った形で実施したいと考えている。
◯佐藤委員 教員のアメリカ英語研修については、教育長の答弁では生徒も半分自己負担しているから、先生も半分自己負担という説明だったと思うが、例えば県庁の知事部局の職員が海外研修をしたときも半額の自己負担になるのか。
◯教育長 県職員についても、以前は確かに公務員を集めたような全国的な研修等があったかと思うが、現時点では全額を公的負担するような海外研修はない。
◯佐藤委員 たしか自分の記憶では、県職員の場合、アメリカ英語研修は自己負担で行かせていたことはなかったと思う。
教員なら半分出しなさいということであるが、この資金については、予算措置から言うと、例えば定数の枠が集まらなかったので、その分を少し回すとか、いろいろと工夫して個人負担を減らすということで考えていかないといけないと思う。ことし1年間の事業ではなくて、来年、再来年等でいろいろと考えていかれるわけである。そうなると、応募者が何十万円も自己負担せよという仕組みでは、応募者が出なくなる。
◯高校教育課長 ことしは16名の枠に参加者は12名ということである。これは強制という形ではなくて、これからの英語教育の授業を改善していかなければならないということで、意欲の高い教員に参加してもらっている。その12名については、本当に意欲満々で研修したいということで、応募してきており、4週間の研修に行っている。来年度以降もそういった形で続けていきたいと思っており、実施要綱に2分1の負担とうたって事業を始めた経緯がある。その考え方は、例えば教員が国内大学へ夏休み研修に行くとかという場合も、旅費は県費で出すけれども、講習なり、セミナーなりの受講料は個人のレベルアップという部分があるので、自己負担していただくということを従来からやってきている。今回の海外研修についても、そういった考え方で2分の1を負担していただくということで、来年以降も進めていきたいと思っている。
◯佐藤委員 こういう詭弁は通用しない。民間企業で、勤めている社員が個人的に英会話を勉強したいと行く場合には当然自己負担である。当たり前である。その企業としてどこかの研修へ派遣するというときに、半額自己負担でどんどんやっているかというと、そうではないと思う。
公務員の分野に、研修も自己負担でやるという考えを持ち込もうとするのは、大変大きな問題だと思う。正式な公務で行くのに、なぜ半分の自己負担が発生するのか、おかしい。本来の物の考え方である。要綱で2分の1にしたというのは、県教育委員会の勝手な考え方である。本来の公務員にとっての仕事のあり方から考えて、こういう公務員研修に半額自己負担を持つというのは、おかしいとは思わないか。
自分で行く場合には自己負担とか、これまでも県庁でも様々な補助制度があったかもしれないが、これは全て公務である。これらの研修は丸々公務ではなく、半分は自分の遊びや趣味なのか。
◯教育長 これからの英語を教えていく中で、教員自身も実際、海外で直接自分たちがネイティブなものを学んでくるということが、先生方も子供たちに、いかに自分たちがいい指導をしたいか、よくしたいかという気持ちがあるという中で、本来、自主的に行っていたというのも一つの手法ではある。そういった中で、当然、県全体としてもレベルを上げたいという意見もあるが、今、百数十人いる英語の先生全員が行くということはあり得ない。
ただ、今言ったように、自主的で、意欲的で、志が高い教員が研修に行く場合に、例えば、個人であるから補助する形は制度的にも非常に難しいと思う。そこで、県で例えば行き先も明確に決めながら、先生方にも自己研さんという意味で負担をいただく。海外へ行くということで、経費も高いから、県民の皆さんの理解をいただいて、公費で負担をさせていただく形の補助制度をつくった。
教育全体のレベルを上げるために、今こういう形で自己負担をいただくような制度をつくったという意味において、今希望している先生方にも十分に理解をいただいて、ほかの周りの方にも、ことしはスケジュール的には難しいかもしれないが、来年以降に希望される方が、特に若い方々からまた出てくると思う。ここ数年、英語教員のレベルアップを先生方の気持ちとあわせて、教育委員会としても一緒になった仕組みづくりを進めていきたいと考えている。
◯佐藤委員 結局、何も海外の英語研修がだめだということを言っているのではなくて、こういう半額自己負担みたいな制度を持ち込んで、その現場に押しつけるということ自体が問題だということを改めて指摘しておく。若い先生は給料が安いのに、余計に負担がふえるのではないか。
◯山本(正)委員 佐藤委員からの意見が出たところで、私の教員時代の体験談を申し上げたい。
昔は海外派遣をするときは、短期、長期の研修制度があって、海外に先進的研修として英語研修があったが、最近はずっと中止されていたのである。資金面で、その当時は文部省が大体金を出していたが、半額ぐらいは自己負担だった。当時の文部省がまず基本的な旅費として36万円程度を出して、その後、県が5万円か10万円の補助を出して、そして残りは全部自己負担だった。全体経費が約100万円だったので、大体半分ぐらいの50万円が公的補助で、残りが自己負担であった。
佐藤委員が言うように、全額補助する案には賛成するが、研修には自己研さんの面もあるので、自分の教員時代の経験上、ある程度の自己負担はやむを得ないかと思う。
■教員多忙化の問題
◯佐藤委員 関連で、教員多忙化の問題について伺う。
県教育委員会から資料もいただいたが、多い月だと週に1本ぐらいずつ、いろいろな調査事務を現場に出しているわけである。現場も結構大変だと思う。通常の授業をやる、あるいは部活をやる、あるいはその時々のいろいろな大会とかもあるという中で、国や県の職員から調査の依頼を受け、調べていることがある。だからやはり、そういう教員の多忙化解消のために、通達を減らすとか、いろいろと答弁はされていると思うが、実際にはどういう努力をされて、どういう成果が出ているのか。
◯学校教育政策課長 調査事務については、平成22年調査では、文部科学省や県等からの調査を含め、263件あった。そのうち、どうしても国へ報告しなければいけないなどの事情があり、そのうち96件については、内容の簡略化、あるいは電子化などで省力化し、全体の36%を削減した。
◯佐藤委員 一定の調査については減らしているということであるが、例えば、復命についても、文書や口頭の別に関して、どうしてもこれだけは文書とし、それ以外は口頭にするなど、いろいろと工夫の余地があるかと思うが、その辺はどうか。
◯学校教育政策課長 どういうような事務があるか、全体事務の中で考えないといけないが、例えば、先生が海外へ旅行されるときには、書類による届け出が必要だったものを口頭報告に簡略化したとか、あるいは学校長が県外へ4日間以上出張する場合には、教育委員会に報告するような規定があるが、それについても簡素化できないかというようなことを今、考えているところである。
◯佐藤委員 前の一般質問の教育長答弁で正規の教員をふやすことが多忙化解消にはつながらないというような答弁が、それほどきつい言い方ではなかったかもしれないけども、あったかと思う。
やはり、小中学校、県立高校における非正規の教員が、今どんどんふえているという問題があるが、非正規の教員だと、例えば部活動を担当できないとか、いろいろなことがあると思う。だから結局、正規教員の負担がふえていくということがあるので、結果的にはそれが多忙化につながるのではないかと思う。基本的には学校現場で教えるのに子供から見れば、あの先生は正規職員ではないという話はもちろんないとは思うが、正規職員をきっちりふやしていっていくことが必要だと思うが、非正規職員がどんどんふえていることに対して歯どめをかけないのか。
◯学校教育政策課長 1つ目の質問の臨時任用教員については、非常勤、いわゆる時間コマ担当の先生方と違って、正規の方と同じようにクラブ活動ができないということはないと思う。
それと、非正規の職員の方であるが、今300人ぐらいの小・中・高校、特別支援学校については、昨年度以降、一般教員の方で180人を新規に採用するということで、これ以上、非正規教員がふえないような対応を配慮していきたい。
◯佐藤委員 これ以上、非正規教員がふえないようにということで、重々お願いしたいと思う。
先ほど、山本文雄委員と山本正雄委員からいろいろと話があったが、この非正規の先生の配置から見ると、例えば藤島高校や高志高校では割合が少ないが、そのほかの高校は、非正規教員が2桁台いる。あるいは、特別支援学校は極端に非正規が多いとかになっているので、やはり県教育委員会としての学力偏重姿勢が非正規教員の配置、各学校の配置にもあらわれるとしたら、これは子供に対して大変失礼な話だと思う。
やはり、その辺はちゃんと今言われたように、これ以上ふえないということとあわせてやはり極力、正規職員を置きかえていくというか、優秀な先生はちゃんと試験受けてもらって、正規教員になってもらうということを含めて、取り組んでいっていただくということが必要だと思う。
◯学校教育政策課長 場合によっては、非常勤という形でコマ時間を含めてはそういう数字ではなかったと思う。先ほど言ったように、優秀な先生を確保しながら、一方では、理科の臨時教員もいる。全体の方向として、できるだけ臨任職員がこれ以上ふえないように、現在でも北陸3県の中でも低水準を維持していきたいと考えている。
◯佐藤委員 福井市内の学校で、いろいろな事情で学校を休まなければいけない先生が出てくると、かわりの先生は現場で探せというような実態があって、それを1カ月間は、持ちこたえてくれとかと言われることがあるとの答弁があるが、これは非常に無責任だと思う。
県の教育委員会としても、市町の教育委員会と協力して、勤務する現場は自分で探さなければいけないとか、現場任せにして持ちこたえてくれという話はないと思うので、その辺はきちんと2カ月以上、いろいろな事情で休みが必要だという先生が出たら、責任を持って配置をするという仕組みにはできないのか。
◯学校教育政策課長 現場で臨時教員を採用する場合には、当然教員免許も必要である。教員免許を持っている方で、試験を受けた方で、こういう方がいらっしゃるのは教員も一緒だと思っている。その中で学校の中でどの方が一番適切というか、先生によっては科目ごとの専門性もあるので、そこを見て学校側で選んでいるのだと思う。
◯高校教育課長 病気休暇といった形で休まれる方については、県立学校で1カ月以上であれば代替教員をつけている。現在、そういった代替の講師をしていただく方は、非常に不足はしているが、学校に探してくれということはしていない。県教育委員会で責任を持って、例えば、丸々1人分というところで代替職員がつけられないときには、例えば5時間ずつで3人ぐらいの方に非常勤で入っていただくとかという形で、何とか授業がしっかり回るように対応している。
■「私立高等学校の募集定員の確保に関する請願」
◯仲倉委員長 それでは、今回付託を受けた請願第15号「私立高等学校の募集定員の確保に関する請願」を議題とする。本件に対し、各委員より発言願う。
◯山本(文)委員 採択でお願いしたい。
◯佐藤委員 理事者に質問したい。この請願に関連して、今後の高校入学生はどんどん減ってくる。私立と県立との調整の会議を開いていると聞いているが、私立学校では学生数2,000人を維持している状況について、今後の見通しはどう考えるのか。
◯高校教育課長 指摘のとおり、中学校の卒業者数は年々減ってくる。これから先、5年後、10年後、15年後で、5年ごとに400名から600名ずつ生徒数が減少してくる状況の中で、ここ最近、私立学校から約2,000名を維持させてくれという要望があるので、生徒数の減少に伴う部分は、かなり高い割合で県立高校で減らしてきた。
ただ、これが今のまま、生徒数減少をそのまま県立の学校で全て持つというのも、なかなか厳しいものがあって、特に福井市あたりに私立学校が集中している状況の中で、今、始めている委員会でもって、来年どうするか、再来年どうするかということでなくて、少し中長期的に、5年後、10年後はどうするかという議論を進めていきたいと考えている。
◯佐藤委員 わかった。私も請願そのものには賛成である。
◯山本(正)委員 今の説明や教育委員会からもあったように、やはりそのあたりの見通しとか、それからあるいは4月の話し合いとか、十分詰めて検討していただいた上でということになるのではないかと思っている。我が会派としては、検討委員会をつくって、検討していただくということで、継続審査を願いたい。
◯仲倉委員長 ほかに発言はないか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯仲倉委員長 では、本件については、継続審査を求める意見があるので、まず継続審査についてお諮りする。本件を継続審査することに賛成の方は挙手願う。
〔賛成者挙手〕
◯仲倉委員長 賛成少数である。よって、本件を継続審査とすることは否決された。
それでは、採択、不採択の採決に入るが、本件を採択と決定することに賛成の方の挙手を願う。
〔賛成者挙手〕
◯仲倉委員長 賛成多数である。よって、本件は採択と決定した。
この際、お諮りする。会議規則第93条第3項の規定より、ただいま採択された請願第15号については、これを執行機関に送付し、その処理の経過と結果の報告を請求することとしたいと思うが、これに異議ないか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
■春江工業高校のあり方
◯佐藤委員 関連で、一般質問でも地元の議員も取り上げられているが、この坂井地区の春江工業高校のあり方問題を取り上げられているが、若狭地区の高校再編問題については、地元説明会をどういう形で持たれて、坂井地区の場合はどういう形で持たれているのか、違いがあるのかどうか、確認したい。
◯高校教育課長 地元での説明会ということであるが、若狭地区、坂井地区の両地区とも平成21年から教育懇談会という形で地元の各界各層2つの地区の方々に委員として出席していただいて、説明会を進めてきた。特に、若狭地区は平成25年度からということで、平成23年7月ごろから、PTA関係者を対象にした説明会を10回以上開催するといった形で、地元への説明を行ってきたわけである。
◯佐藤委員 若狭地区で10回以上説明してきたが、坂井地区では何回開催するのか。
◯高校教育課長 坂井地区では、平成21年度に2回、教育懇談会という形で行って、それ以降は平成24年2月6日に、同じような形で教育懇談会、それから、あわら市へ出かけて、再編についての説明会等を行っている。
◯佐藤委員 懇談会は2回実施したとか、ことしは開いたとかと言うが、坂井地区は、地元住民対象の説明会を開いているわけである。教育懇談会の範囲にとどまらずに、教育懇談会におけるメンバーの枠を超えて、若狭地区の場合は開いているという説明ではなかったのか。開催する対象範囲とか、規模とかの違いがわかるように説明してもらいたい。
◯教育長 山本正雄委員からの提案や今回の一般質問等で話していただいているのは、あくまでも来年度の入学者に対して、今、新しい学校であるので、どういったカリキュラムであるとか、特色をよく説明していかないと選択しにくいということで、そのことについて、今、若狭地区については、そういう説明会を始めたり、あるいはリーフレットを配っているということである。
その前の学校再編についての考え方について議論をいただくことについては、それぞれ地元の関係者やいろいろな方の話を聞く機会をつくっているし、もちろんまだ坂井地区については今、方向性は出ているが、例えば普通科校3校についても、どういった特色をそれぞれつくるかとか、あるいは新しい総合産業高校としても、カリキュラム等は学校で考えているが、さまざまな意見をいただく必要がある。そこで、それぞれの学校でも議論されているが、引き続きお互いに議論しながら、再来年春の開校準備に向け進めていく。そういう意味で、進学生向けと地元向けの説明会とで混乱していたようであるが、そういう分け方の説明会がある。
◯佐藤委員 教育長報告にもあるが、「春江工業高校の校舎等のその後のあり方などを学校現場の教職員で構成する準備委員会とともに検討する」とのことである。だから、地元の皆さんの意見を汲み取るように取り組んでいただきたい。
だから、新聞報道等の範囲でいうと、地域の人のいろいろな声はあるかもしれないが、若狭地区の場合は小浜水産高校を残してほしいという声がかなり多くあって、割と丁寧に繰り返し説明されているという印象だった。春江工業高校の場合は、なかなかそういう姿がまだ見えていないのではないかという気がするので、それは地元の皆さんにとっては、西畑議員も一般質問されていたが、非常に大きな問題だと思うので、その実現だけは要望しておく。
■インターンシップ、海外研修
◯佐藤委員 教育長報告に企業生産現場での生徒の実践的な長期実習との報告があるが、これは従来、インターンシップで3日でやっていたものとは、別枠なのか。
◯高校教育課長 今までは、インターンシップは大体の学校が3日間程度で実施していると聞いている。それとは別枠で10日間の企業実習は、全ての生徒にというわけにはいかないが、取り入れていきたいと思っている。
◯佐藤委員 大体、その規模とこれまでの研修との兼ね合いについては、どのように考えているのか。
◯高校教育課長 長期の企業実習については、工業系の生徒を中心に六十数名の規模で実施していきたい。
◯佐藤委員 だから、この六十数名は従来の3日間ではないが、別コースに乗るということでよいのか。
◯高校教育課長 そのとおりである。3日間のインターンシップとは別の生徒を想定している。
◯佐藤委員 実際、このインターンシップでも現場はかなり苦労されて、どこへ行ってもらうか、あるいはそこの会社にどういう謝礼等を考えるかなど、いろいろ苦労されているという話も聞いているが、10日間の実習では、予算措置などの調整はどのように考えているのか。
◯高校教育課長 時期は夏休み中になるが、10日間の授業で研修に行くわけである。3日間のインターンシップにおいても企業への謝礼等の予算措置をしているので、このような形で行っていきたいと考えている。
◯佐藤委員 やはり現場の先生から聞くと、少し唐突だという声もある。一般質問で英語研修も唐突だと取り上げたが、要するに学力向上ということでは、アメリカ英語研修ということで、英語研修はいいことであるし、やはり質問したように英語研修でいうと、現場では定数の枠が集まらないし、半分は数十万円の自己負担という問題がある。
今回の職場研修でも、いきなり10日間の研修をどこで受け入れてもらうのかと、現場の教員任せにしたところで、大変なことだと思う。やはり、そういうことを何か机上のプランでいいのかと思っているのではないのか。現場は混乱するし、うまくないということもあるわけなので、その辺はどう考えるのか。
◯高校教育課長 インターンシップについては、学校がそのインターンシップの受入先を探して実施してきたわけである。今回は、職業教育全体の充実という中で、まず、企業と学校を結ぶコーディネーターを商工会議所、経済団体の方にお願いしているが、そのコーディネーターに入っていただき、そういった企業などの実習先も探していくということで、今までと違った形で実施したいと考えている。
◯佐藤委員 教員のアメリカ英語研修については、教育長の答弁では生徒も半分自己負担しているから、先生も半分自己負担という説明だったと思うが、例えば県庁の知事部局の職員が海外研修をしたときも半額の自己負担になるのか。
◯教育長 県職員についても、以前は確かに公務員を集めたような全国的な研修等があったかと思うが、現時点では全額を公的負担するような海外研修はない。
◯佐藤委員 たしか自分の記憶では、県職員の場合、アメリカ英語研修は自己負担で行かせていたことはなかったと思う。
教員なら半分出しなさいということであるが、この資金については、予算措置から言うと、例えば定数の枠が集まらなかったので、その分を少し回すとか、いろいろと工夫して個人負担を減らすということで考えていかないといけないと思う。ことし1年間の事業ではなくて、来年、再来年等でいろいろと考えていかれるわけである。そうなると、応募者が何十万円も自己負担せよという仕組みでは、応募者が出なくなる。
◯高校教育課長 ことしは16名の枠に参加者は12名ということである。これは強制という形ではなくて、これからの英語教育の授業を改善していかなければならないということで、意欲の高い教員に参加してもらっている。その12名については、本当に意欲満々で研修したいということで、応募してきており、4週間の研修に行っている。来年度以降もそういった形で続けていきたいと思っており、実施要綱に2分1の負担とうたって事業を始めた経緯がある。その考え方は、例えば教員が国内大学へ夏休み研修に行くとかという場合も、旅費は県費で出すけれども、講習なり、セミナーなりの受講料は個人のレベルアップという部分があるので、自己負担していただくということを従来からやってきている。今回の海外研修についても、そういった考え方で2分の1を負担していただくということで、来年以降も進めていきたいと思っている。
◯佐藤委員 こういう詭弁は通用しない。民間企業で、勤めている社員が個人的に英会話を勉強したいと行く場合には当然自己負担である。当たり前である。その企業としてどこかの研修へ派遣するというときに、半額自己負担でどんどんやっているかというと、そうではないと思う。
公務員の分野に、研修も自己負担でやるという考えを持ち込もうとするのは、大変大きな問題だと思う。正式な公務で行くのに、なぜ半分の自己負担が発生するのか、おかしい。本来の物の考え方である。要綱で2分の1にしたというのは、県教育委員会の勝手な考え方である。本来の公務員にとっての仕事のあり方から考えて、こういう公務員研修に半額自己負担を持つというのは、おかしいとは思わないか。
自分で行く場合には自己負担とか、これまでも県庁でも様々な補助制度があったかもしれないが、これは全て公務である。これらの研修は丸々公務ではなく、半分は自分の遊びや趣味なのか。
◯教育長 これからの英語を教えていく中で、教員自身も実際、海外で直接自分たちがネイティブなものを学んでくるということが、先生方も子供たちに、いかに自分たちがいい指導をしたいか、よくしたいかという気持ちがあるという中で、本来、自主的に行っていたというのも一つの手法ではある。そういった中で、当然、県全体としてもレベルを上げたいという意見もあるが、今、百数十人いる英語の先生全員が行くということはあり得ない。
ただ、今言ったように、自主的で、意欲的で、志が高い教員が研修に行く場合に、例えば、個人であるから補助する形は制度的にも非常に難しいと思う。そこで、県で例えば行き先も明確に決めながら、先生方にも自己研さんという意味で負担をいただく。海外へ行くということで、経費も高いから、県民の皆さんの理解をいただいて、公費で負担をさせていただく形の補助制度をつくった。
教育全体のレベルを上げるために、今こういう形で自己負担をいただくような制度をつくったという意味において、今希望している先生方にも十分に理解をいただいて、ほかの周りの方にも、ことしはスケジュール的には難しいかもしれないが、来年以降に希望される方が、特に若い方々からまた出てくると思う。ここ数年、英語教員のレベルアップを先生方の気持ちとあわせて、教育委員会としても一緒になった仕組みづくりを進めていきたいと考えている。
◯佐藤委員 結局、何も海外の英語研修がだめだということを言っているのではなくて、こういう半額自己負担みたいな制度を持ち込んで、その現場に押しつけるということ自体が問題だということを改めて指摘しておく。若い先生は給料が安いのに、余計に負担がふえるのではないか。
◯山本(正)委員 佐藤委員からの意見が出たところで、私の教員時代の体験談を申し上げたい。
昔は海外派遣をするときは、短期、長期の研修制度があって、海外に先進的研修として英語研修があったが、最近はずっと中止されていたのである。資金面で、その当時は文部省が大体金を出していたが、半額ぐらいは自己負担だった。当時の文部省がまず基本的な旅費として36万円程度を出して、その後、県が5万円か10万円の補助を出して、そして残りは全部自己負担だった。全体経費が約100万円だったので、大体半分ぐらいの50万円が公的補助で、残りが自己負担であった。
佐藤委員が言うように、全額補助する案には賛成するが、研修には自己研さんの面もあるので、自分の教員時代の経験上、ある程度の自己負担はやむを得ないかと思う。
■教員多忙化の問題
◯佐藤委員 関連で、教員多忙化の問題について伺う。
県教育委員会から資料もいただいたが、多い月だと週に1本ぐらいずつ、いろいろな調査事務を現場に出しているわけである。現場も結構大変だと思う。通常の授業をやる、あるいは部活をやる、あるいはその時々のいろいろな大会とかもあるという中で、国や県の職員から調査の依頼を受け、調べていることがある。だからやはり、そういう教員の多忙化解消のために、通達を減らすとか、いろいろと答弁はされていると思うが、実際にはどういう努力をされて、どういう成果が出ているのか。
◯学校教育政策課長 調査事務については、平成22年調査では、文部科学省や県等からの調査を含め、263件あった。そのうち、どうしても国へ報告しなければいけないなどの事情があり、そのうち96件については、内容の簡略化、あるいは電子化などで省力化し、全体の36%を削減した。
◯佐藤委員 一定の調査については減らしているということであるが、例えば、復命についても、文書や口頭の別に関して、どうしてもこれだけは文書とし、それ以外は口頭にするなど、いろいろと工夫の余地があるかと思うが、その辺はどうか。
◯学校教育政策課長 どういうような事務があるか、全体事務の中で考えないといけないが、例えば、先生が海外へ旅行されるときには、書類による届け出が必要だったものを口頭報告に簡略化したとか、あるいは学校長が県外へ4日間以上出張する場合には、教育委員会に報告するような規定があるが、それについても簡素化できないかというようなことを今、考えているところである。
◯佐藤委員 前の一般質問の教育長答弁で正規の教員をふやすことが多忙化解消にはつながらないというような答弁が、それほどきつい言い方ではなかったかもしれないけども、あったかと思う。
やはり、小中学校、県立高校における非正規の教員が、今どんどんふえているという問題があるが、非正規の教員だと、例えば部活動を担当できないとか、いろいろなことがあると思う。だから結局、正規教員の負担がふえていくということがあるので、結果的にはそれが多忙化につながるのではないかと思う。基本的には学校現場で教えるのに子供から見れば、あの先生は正規職員ではないという話はもちろんないとは思うが、正規職員をきっちりふやしていっていくことが必要だと思うが、非正規職員がどんどんふえていることに対して歯どめをかけないのか。
◯学校教育政策課長 1つ目の質問の臨時任用教員については、非常勤、いわゆる時間コマ担当の先生方と違って、正規の方と同じようにクラブ活動ができないということはないと思う。
それと、非正規の職員の方であるが、今300人ぐらいの小・中・高校、特別支援学校については、昨年度以降、一般教員の方で180人を新規に採用するということで、これ以上、非正規教員がふえないような対応を配慮していきたい。
◯佐藤委員 これ以上、非正規教員がふえないようにということで、重々お願いしたいと思う。
先ほど、山本文雄委員と山本正雄委員からいろいろと話があったが、この非正規の先生の配置から見ると、例えば藤島高校や高志高校では割合が少ないが、そのほかの高校は、非正規教員が2桁台いる。あるいは、特別支援学校は極端に非正規が多いとかになっているので、やはり県教育委員会としての学力偏重姿勢が非正規教員の配置、各学校の配置にもあらわれるとしたら、これは子供に対して大変失礼な話だと思う。
やはり、その辺はちゃんと今言われたように、これ以上ふえないということとあわせてやはり極力、正規職員を置きかえていくというか、優秀な先生はちゃんと試験受けてもらって、正規教員になってもらうということを含めて、取り組んでいっていただくということが必要だと思う。
◯学校教育政策課長 場合によっては、非常勤という形でコマ時間を含めてはそういう数字ではなかったと思う。先ほど言ったように、優秀な先生を確保しながら、一方では、理科の臨時教員もいる。全体の方向として、できるだけ臨任職員がこれ以上ふえないように、現在でも北陸3県の中でも低水準を維持していきたいと考えている。
◯佐藤委員 福井市内の学校で、いろいろな事情で学校を休まなければいけない先生が出てくると、かわりの先生は現場で探せというような実態があって、それを1カ月間は、持ちこたえてくれとかと言われることがあるとの答弁があるが、これは非常に無責任だと思う。
県の教育委員会としても、市町の教育委員会と協力して、勤務する現場は自分で探さなければいけないとか、現場任せにして持ちこたえてくれという話はないと思うので、その辺はきちんと2カ月以上、いろいろな事情で休みが必要だという先生が出たら、責任を持って配置をするという仕組みにはできないのか。
◯学校教育政策課長 現場で臨時教員を採用する場合には、当然教員免許も必要である。教員免許を持っている方で、試験を受けた方で、こういう方がいらっしゃるのは教員も一緒だと思っている。その中で学校の中でどの方が一番適切というか、先生によっては科目ごとの専門性もあるので、そこを見て学校側で選んでいるのだと思う。
◯高校教育課長 病気休暇といった形で休まれる方については、県立学校で1カ月以上であれば代替教員をつけている。現在、そういった代替の講師をしていただく方は、非常に不足はしているが、学校に探してくれということはしていない。県教育委員会で責任を持って、例えば、丸々1人分というところで代替職員がつけられないときには、例えば5時間ずつで3人ぐらいの方に非常勤で入っていただくとかという形で、何とか授業がしっかり回るように対応している。
■「私立高等学校の募集定員の確保に関する請願」
◯仲倉委員長 それでは、今回付託を受けた請願第15号「私立高等学校の募集定員の確保に関する請願」を議題とする。本件に対し、各委員より発言願う。
◯山本(文)委員 採択でお願いしたい。
◯佐藤委員 理事者に質問したい。この請願に関連して、今後の高校入学生はどんどん減ってくる。私立と県立との調整の会議を開いていると聞いているが、私立学校では学生数2,000人を維持している状況について、今後の見通しはどう考えるのか。
◯高校教育課長 指摘のとおり、中学校の卒業者数は年々減ってくる。これから先、5年後、10年後、15年後で、5年ごとに400名から600名ずつ生徒数が減少してくる状況の中で、ここ最近、私立学校から約2,000名を維持させてくれという要望があるので、生徒数の減少に伴う部分は、かなり高い割合で県立高校で減らしてきた。
ただ、これが今のまま、生徒数減少をそのまま県立の学校で全て持つというのも、なかなか厳しいものがあって、特に福井市あたりに私立学校が集中している状況の中で、今、始めている委員会でもって、来年どうするか、再来年どうするかということでなくて、少し中長期的に、5年後、10年後はどうするかという議論を進めていきたいと考えている。
◯佐藤委員 わかった。私も請願そのものには賛成である。
◯山本(正)委員 今の説明や教育委員会からもあったように、やはりそのあたりの見通しとか、それからあるいは4月の話し合いとか、十分詰めて検討していただいた上でということになるのではないかと思っている。我が会派としては、検討委員会をつくって、検討していただくということで、継続審査を願いたい。
◯仲倉委員長 ほかに発言はないか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯仲倉委員長 では、本件については、継続審査を求める意見があるので、まず継続審査についてお諮りする。本件を継続審査することに賛成の方は挙手願う。
〔賛成者挙手〕
◯仲倉委員長 賛成少数である。よって、本件を継続審査とすることは否決された。
それでは、採択、不採択の採決に入るが、本件を採択と決定することに賛成の方の挙手を願う。
〔賛成者挙手〕
◯仲倉委員長 賛成多数である。よって、本件は採択と決定した。
この際、お諮りする。会議規則第93条第3項の規定より、ただいま採択された請願第15号については、これを執行機関に送付し、その処理の経過と結果の報告を請求することとしたいと思うが、これに異議ないか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕