前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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あらためて北陸新幹線計画の問題点を痛感・・・・金沢市で北陸3県議会議員研修会

2012年11月07日 | Weblog
 昨日は北陸3県議会議員研修会が金沢市で開催されました。広域観光について、南九州観光調査開発委員会委員の島田始氏の講演をお聞きしました。
  新幹線の金沢開業がせまるなかで開催されたが、いろんな問題点も指摘された。

・八戸は新幹線がきても、250軒程度の旅館などが倒産した。八戸新幹線の悲劇。なにもしないまま交通インフラをしてもだめ。
・飛行機と競合するということは最寄り駅を通過する。沿線は廃れる。
・金沢ひとり勝ちの状況がうまれる。しかし、その周辺が沈むと金沢もあきられる。
・新幹線開業までに旅館などをいかにつぶさないか。新幹線で最初の2年間は潤うが、問題は3年目から。
・自分の町をアピールしないと、経済循環できない。観光とはその土地の資産を守れるかどうか。過疎にならないかどうか。
・農水省の郷土料理100選に、北陸3県は1つずつしかアンケート段階では入らなかった。鹿児島9つ、熊本5つ。いいものがあっても全国に知られていない。「新幹線できます」式のPRではだめ。
・県や地域できるのではなく、エリア化が必要・・・・・・などなど実際に南九州の「成功」を手がけてこられた方のお話だけに、新幹線などインフラ整備だけでは地域経済が陥没しかねない危険な問題点などリアルでした。

 
   「金沢に新幹線がくるのに福井にこないのはさびしい」「新幹線で観光などの流入が増える」・・・・など漠然とした期待感よりも厳しさこそみなくてはなりません。講師も指摘してましたが、2035年問題と言われる急激な人口減少・超高齢化です。
  さらに、「消費税増税の時期と重なる問題」も指摘されていましたが、国民の消費購買力をそぎ落とす大増税の実施が観光政策に暗い影を落とすことも間違いないでしょう。

  逆に、新幹線計画を見直す必要も痛感する講演会でした。いまなら、引き返せる。無謀な計画にストップをかけましょう。


          ★

  アメリカ大統領選挙の投票がすすんでいます。ニュースのなかでハリケーンの被害をうけたニューヨークでは、どこの投票所でも投票できる、との報道がありました。
 なぜ、ニューヨークが脆弱なのか。National Geographic の記事が参考になります。
 福井市も全国に稀な水害をまねきやすい構造があります。巨大ダム計画よりも、緻密なエリア対策こそ必要でしょう。

 以下、報道です。

■ニューヨークがハリケーンに弱い理由
Rena Silverman
for National Geographic News


 時速160キロの速さで5億トンもの海水を運んでこられては、どんな都市も無傷ではいられない。 しかし、温帯低気圧に変わったハリケーン「サンディ」が先ごろ上陸したニューヨーク市は、世界のどこよりも脆弱な都市であることが明らかになった。
 「ハリケーンがニューヨークに来るときは、カテゴリーを1つ引き上げて考える必要がある。ここはハリ ケーンを迎えるにはおよそ最悪の場所だ」と、ニューヨーク市立大学クイーンズ校の堆積学・海岸地質学教授ニコラス・コッチ(Nicholasr Coch)氏は述べている。
 事実、サンディは(一番低い)カテゴリー1のハリケーンであったにもかかわらず、ニューヨークは大規模な洪水に見舞われ、地下鉄、自動車用トンネル、街路、空港が水浸しになった。なぜニューヨークはこれほどまでに脆弱なのか。

◆理由その1: ニューヨークの開湾
 「開湾」(bight)とは、開けた海岸線が湾曲または屈曲した部分のことだ。
 サンディは、海岸線を北上しながら集めた大量の海水と雨水をニューヨーク開湾に運んできた。サ ンディが開湾にぶちまけた大量の水は、開湾の逆さL字の部分に閉じ込められた。行き場をなくした
水は陸地にあふれ出し、ニューヨーク証券取引所NYSEや自由の女神像のあるニューヨーク最南部も浸水した。大量の水が起こした波は集まって恐ろしい高さの高潮となった。
 
◆理由その2: 高層ビルや橋がきわめて脆弱
 サンディのような巨大ハリケーンでは、ハリケーンが到達するより先に、高いところで風が吹き出す場合がある。高度が高くなるほど、風が出始めるのも早い。建築済みの高層ビルが5818棟あるニューヨークは、香港に次ぐ世界第2位の高層都市だ。
 サンディによる風は、上陸4日前からニューヨークで観測され始めた。J.P.モルガンのオフィスがあるビルのように、高層階では窓が完全に吹き飛んでしまう事例も起こりうる。
 
◆理由その3: 重要な地下構造の多くが洪水に弱い
 ニューヨークの地下には世界有数の優れた都市用水システムのほか、地下鉄網、自動車用トン ネルがある。サンディが上陸し、ロウアーマンハッタン(マンハッタン島南端部)が洪水に見舞われる と、たちまち地下全体が水沈した。
 地下鉄トンネルはすべて浸水した。自動車用のブルックリン・バッテリー・トンネルも約1.2キロにわ たって浸水したほか、市中と市外を結ぶ4つの自動車用トンネルに水があふれた。洪水の水は海水 のため、老朽化した市の配管や地下鉄線路に腐食の被害をもたらした。

◆理由その4: 市の端部に重要施設が集中している
 ニューヨーク市の沿岸部には、10の救急サービス基地、19の大学、約500の学校、23の病院、57の老人ホーム、17の発電所、13の下水処理施設がある。
 マンハッタン島の沿岸部には、ウォール街とNYSEを含む金融地区もある。このことは、ニューヨーク のハリケーンに対する脆弱性は同市だけの問題ではなく、世界の金融市場全体の問題でもあることを意味している。