前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

福井県議会 領土問題、原子力行政、ルネサスのリストラ問題、県立病院・・(9月議会質問)

2012年11月30日 | Weblog
◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 まず、領土問題についてお尋ねをします。
 尖閣諸島問題では、政府の「日中間に領土問題の紛争はない」という政府の態度が混迷の元凶です。今、尖閣諸島問題をめぐって起こっている日中両国間の対立と緊張は、国交回復40年ということで私ども県議会の議員連盟も参加する祝賀行事などを行った直後であり、大変残念なことです。引き金は石原都知事や政府が引いたわけでございますが、日本への批判を暴力であらわす行動はいかなる理由であれ許されません。
 尖閣諸島が日本の領土であることは明瞭であります。第1に、1895年の日本による領有宣言は国際法上正当です。第2に、中国側の主張の最大の弱点は、1970年までの75年の長きにわたってこの日本の領有に対して異議を出してこなかったことであります。第3に、中国側の日清戦争に乗じて領土を取られたと、この主張は戦争の講和条約に照らしても成り立ちません。このように日本領であることは明々白々であります。
 しかし、歴代政府がこの問題を一貫して棚上げし、「領土問題は存在しない」と外交交渉を通じてアピールしてこなかった。だから中国の誤った主張に反論もしないという自縄自縛に陥ってまいりました。日中間に領土問題が存在することを認めて、道理を尽くして交渉を行うことが必要です。このことをやらないで放置し続ければ、今回の事態のように経済活動、交流活動に大きな障害をもたらしかねない火種を残し続けることになります。
 福井県の中国との経済活動や文化学術交流、アジア戦略に大きな影を落とさないよう、知事として、政府が領土問題の存在を認めて、中国ときちんと外交交渉を行い、将来に禍根を残さないよう国に働きかけるべきではありませんか。知事の所見をお尋ねします。
 次に、国民多数が反対する消費税増税問題では、医療機関への深刻な影響も懸念されます。消費税制度においては、医療機関において、診療報酬による補填を考慮しても多額の控除対象外消費税が発生しています。例えば高額な医療機器を購入すれば消費税を医療機関は支払わなくてはなりません。しかし、患者に転嫁することができません。これが現行制度のまま8%、10%と引き上げられれば、経営が立ち行かなくなる医療機関も出かねません。
 そこで具体的にお尋ねしますが、福井県立病院において、現行の消費税負担額、8%、10%に引き上げられた場合の負担額、経営への影響をお尋ねします。
 次に、県立病院の看護体制の充実、7対1看護の実施計画はどうなっているのか、お尋ねをします。
 また、その実施に当たり、給与、処遇の変更が職員に打診されているとお聞きしました。その変更の中には看護職の給与を引き下げる内容が含まれており、しかも新採用職員から導入するとお聞きしました。同じ職場の同じ仕事で異なる給与体系を持ち込むことは、公務労働の性格からも、人命を預かる職場という特殊性から見ても大きな問題があると言わなくてはなりません。
 そこで、県が看護職など県立病院職員に説明している給与、処遇の変更内容とその意図について具体的な説明を求めます。
 さて、今回の12万人とも言われる電機リストラ問題は全国各地に雇用不安を広げております。経営者の身勝手、横暴は目に余るものがあります。かつて圧倒的なシェアを誇っていたデジタル家電や半導体の収益悪化などで危機感をあおり、何の責任もない労働者の大量首切りを次々に打ち出しております。政府も国民生活の危機に何ら手を打とうとしておりません。
 電機各社は2008年のリーマンショック後、労働者の削減と賃金抑制、下請たたきを進め、利益をため込んできました。主な電機企業で27兆円もの内部留保があります。にもかかわらず、収益が悪化したことを口実に労働者の首を切る。エコポイントなどで稼いだ後はポイ捨てとはひど過ぎます。こんなことが許されていいはずがありません。
 福井県では12日に、坂井市にありますルネサス福井工場縮小に伴う関係機関対策連絡会議が開催されました。あす26日まで早期退職が募集され、10月31日が退職日になります。規模は300人程度と言われております。一方、会社側の予想を超える退職希望者が出ているとの情報もあります。労働者を大事にしない会社をやめたい人は多いのかもしれません。ある社員は、「今回のリストラは従業員に二者択一の非常に重い決断をさせた。会社に残る人は賃金カット、職群転換、無期限出向に耐える。会社をやめる人は厳しい再就職が待っている。どちらの選択も苦難です」と語っております。
 県として、経済界に対して、各県と共同して地域経済と雇用を破壊する無謀な大リストラを中止するよう強く求めるとともに、ルネサスを退職される方々への支援、残される工場に雇用などの社会的責任を果たさせることにどう取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
 次に、知事の政治姿勢について質問します。
 知事は原発推進に固執しておりますが、私は知事が原発ゼロの立場に立たれるよう訴えるものです。その理由は、福島原発事故から1年半がたちましたが、事故は収束せず、原発事故のほかの事故には見られない異質の危険が猛威を振るい、被害はなお拡大し続けているからであります。
 第2に、原発の再稼働が国政の大問題になりましたが、政府が強行してきた再稼働方針は道理も科学的知見もない無謀きわまるものであり、再稼働の条件も必要性も存在しないからであります。事実、大飯の再稼働で使われた暫定指針は、その際の政府の説明に反して今後の再稼働には適用されないのです。いかにその場しのぎであったかが明瞭であります。さらに関西地域には停電のおどしがかけられました。しかしこの夏、関電管内では大飯原発再稼働なしでも72万キロワットの余力がありました。さらに東京を含む関東でも、九州でも、猛暑の中、原発なしで乗り切れたわけであります。原発は安全だという神話は福島原発事故で崩壊し、原発は必要だという神話もこの夏、崩壊いたしました。
 第3に、使用済み核燃料をどう処理するかについて国民的注目と不安が強まっていますが、原発を稼働する限り核のごみはふえ続けるからであります。西川知事は反原発の動きに対して、使用済み核燃料を消費地が引き取れとおどします。もともと県内に使用済み燃料の中間貯蔵施設をつくらないというのが栗田元知事以来の方針です。しかし、知事が今の局面でこのような発言を繰り返せば関西住民の反感も買いますし、逆に運転再開を認めたんだから福井県で何とかしてくれという逆襲も受けます。原発を動かし続ければこの矛盾が拡大し続けることになります。電力の生産地、消費地の双方が責任を持てない核廃棄物を増産し続けることをやめなくてはなりません。
 第4に、国民世論が大きく変化し、原発ゼロを目指す声は国民多数の声となっています。政府のパブリックコメントでは8割が即時原発ゼロを求めております。すなわち、これまで福井県の原発行政がその前提としてきた原子力政策での国民合意は完全に崩壊しているからであります。今こそ、即時原発ゼロの政治決断こそ国民の願いに応える道であります。福井県もそういう立場に立ってこそ、関西、近畿の住民を初め国民から尊敬されることになるでしょう。
 知事、福島原発事故のビフォアーとアフターでは全く違います。福島原発事故を受けてなお、原発にしがみつき、再び公衆に影響を与える事故を起こしたならば、それは国民と国土に対して申し開きはできません。福島事故を起こした責任よりも何千倍も何万倍も重い責任を負うことになります。これは知事のお得意のリスク論でかわせる問題ではなく、政治家としての政策倫理の問題でもあります。
 そこでお尋ねします。政府の原子力政策の方針は大揺れでありますが、その根本には福島原発事故を受けた国民の衝撃と原発ゼロへの世論と運動があります。野田総理は、脱原発に取り組む運動団体の代表者たちとの懇談を行いました。福井県としては、再稼働に当たっても県民説明会の開催は行わず、知事が直接県民の声を聞いて、県民が直接知事に意見を述べる場は設けられておりません。総理ですらそういう機会を設けました。住民により身近な知事として、そのような機会を設けるべきではありませんか。知事の所見をお尋ねいたします。
 ところで、19日に発足した原子力規制委員会の田中委員長は、改正原子炉等規制法で原発の運転期間を40年としていることについて「延長は相当困難だろう」と述べて、40年廃炉の原則を厳格に適用する方針を示したと報道されております。
 私は以前から老朽化原発の廃炉を求めてきましたが、今回対象となる敦賀1号機、美浜1・2号機は老朽化問題に加えて活断層問題が指摘され、いわば二重の欠陥があり、運転再開は当然認められるべきではありません。そこで福井県としても、このまま原発を寝かせておくだけでは地域経済、雇用にとってもマイナスです。廃炉判断がなされるのであれば一気に3基が廃炉作業に入ることになります。今後、数十年にわたっていわば廃炉ビジネスの先駆けとなるチャンスをどう生かすのか、考えなくてはなりません。
 そこで、3基の廃炉作業に伴う雇用と地域経済についての試算、廃炉技術開発の展望をお尋ねをいたします。
 次に、今後の新幹線建設や北陸本線の買い取りと第三セクター化、足羽川ダム建設や国体開催など大型事業と財政問題について質問します。
 県の県債残高は、平成8年度末で4,926億円が平成22年度末には8,809億円となっています。県内総生産も同時期に3.4兆円から3.1兆円へと下降が続いています。県税収入を見ますと、平成8年度には1,108億円で歳入の20.8%を占めておりましたが、平成22年度は907億円で17.8%に落ち込んでいます。問題は、いわゆる経済成長期にも大型開発で県債をふやしてきたわけで、それが国、地方ともに大きな借金となっています。仮に経済成長と税収増が見込めれば、借金総額がふえていっても負担比率が軽くなり低くなる。問題は大きくならないかもしれません。しかし、この間の県内総生産と県税収入の推移、今後の生産人口の減少と高齢化を見れば、それを見込むのは困難ではないでしょうか。
 こういう時期にこれから十数年のスパンで大規模な公共事業を行うに当たり、知事が責任を持って県民と議会に事業計画と財政計画の展望をセットで示した上で事業を進めるべきではありませんか。知事の責任ある答弁を求めます。
 さて、こういう状況の中で、総務部長は代表質問への答弁で行政改革の推進に触れました。県はさらなる出先機関の統廃合計画を各部に提出させたと聞き及んでおります。健康福祉センターでは2次医療圏などのさらなる統廃合、武生分庁舎の廃止、土木事務所のさらなる統廃合、勝山、丹生などの分庁舎を廃止、坂井地区水道管理事務所の地元自治体への移管などについて検討されているとお聞きしました。このように県民の身近なサービス提供をずたずたにしていく行政改革がもし計画されるのなら、断固反対であります。県民の身近なサービス体制を切るのではなく、不要不急の新幹線やダム計画こそ見直すべきであります。
 そこでお尋ねします。県民へのサービス体制を縮小する行政改革を計画しているのかどうか、はっきりと御答弁ください。
 次に、教育問題について質問します。
 私は、知事が過度に教育現場に介入し、それが現場教員の多忙化やストレスにつながっているのではないかとの疑いを持っております。例えばことしの9月2日に知事は、「問題と解答の意味」と題してこう書いております。「数学の解答の詳しいものをあらかじめ生徒に配っておくことは、生徒の自習効果を高めることはあっても、授業の効果をさまたげるものでは全くない。県内の一部の学校において、数学の問題集の解答とプロセスを、生徒にこれまで配っていなかったところがあるのだが、今年の夏からは配布するようにしたのは良いことだ」と書いております。
 知事個人の教育に対する考え方が、こうして県内の各学校の隅々にまでその具体的な教授法にまで徹底されるとしたら問題ではないでしょうか。知事による教育行政への過度の介入はやめるべきではありませんか。はっきりと御答弁ください。
 代表質問でも教員の多忙化問題が取り上げられました。今、県立高校には就職支援コーディネーターが38人配置されております。小中学校には生活支援員や教員活動補助員など98名が配置され、多忙化の渦中にある教員のさまざまな仕事の補助を行っております。ところが、国の交付金事業による緊急雇用のため、この136名が今年度限りで現場からいなくなる問題があります。
 県として、多忙化解消を口だけではなく予算をつけて雇用継続を図り、県民の雇用確保とともに現場の教員への人的サポート体制が後退しないようにすべきではありませんか。教育長の責任ある答弁を求めます。
 その他で2点質問をいたします。
 今議会には福井県立大学の中期目標案が示されています。全員協議会で私が、「授業料の見直しを必要に応じて行う」とあるが、今は高等教育無償化の時代であり、学費の値上げは問題ではないかと指摘したのに対し、森阪総務部長は「必要であれば値上げも考えていく」と答弁しました。
 この9月に政府は、高校、大学までの段階的な無償化を定めた国際人権A規約13条2項b、cの適用を留保してきた問題で、留保撤回を閣議決定し、国連に通告しました。日本は文字どおり中・高等教育の無償化を国際的にも迫られることになります。同規約は1966年に採択され、日本は1979年に批准しましたが、中・高等教育への無償教育の漸進的導入の規定については留保しておりました。締約国160カ国のうち、留保しているのは日本とマダガスカルだけになっていたわけです。
 外務省は、高校、大学の経済的負担の軽減策を挙げて、留保の撤回は可能と判断したとしております。まさに世界の流れは教育無償化です。政府もおくればせながらその方向に踏み出しました。そのタイミングで学費値上げを含む中期目標案の提案は世界に恥ずべきことであります。この項目の削除を求めますが、見解をお尋ねします。
 最後に、県議会事務局の知事部局からの独立性に関して知事に質問します。
 県が作成しております「目標管理ガイドブック」及び「人事評価ガイドブック」によって、県庁職員は知事をトップに末端の職員まで目標管理、人事評価、それが手当や昇給へ連動するということで、肉体的にも精神的にもがんじがらめにされております。この結果、目標進捗を毎週のように上司から責め立てられ、精神状態がおかしくなった職員もいるとお聞きをしております。私は、このような仕組みの改善を求めるものです。
 さらに問題は、この仕組みを知事部局から極力独立性を高くしなくてはならない県議会事務局にまで適用していることです。もちろん県議会事務局職員も県職員であり、人事異動で行き来があるわけですが、問題はこのシステムによって議会、議長のほうを向いて仕事をすることよりも、知事や総務部長のほうを向いて仕事をする仕掛けがつくられていることであります。人事評価や手当、昇給までが知事部局の評価に左右されるようでは、知事部局との緊張関係ではなく従属関係に陥る傾向が一層強まるのは当然ではありませんか。仮に議会事務局の評価を行うのであれば、それは知事が行うのではなく議長と議会が行うシステムにすべきであります。
 県議会事務局職員については、知事をトップとした目標管理、人事評価、処遇のシステムから切り離すべきではありませんか。知事の見解を求め、私の質問を終わります。

◯議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、民意と乖離した国政と県政への影響についてという項目であります。
 今回の中国と日本とのさまざまな経済活動、交流等の関係で、尖閣列島について政府が領土問題の存在を認め、中国ときちんと外交交渉を行い、禍根を残さないように働きかけるべきではないかとの質問であります。
 「尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり、尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題は存在しない」というのが日本政府の基本的な立場でもあると思います。
 領土問題はそもそも国と国との間の問題ではありますが、政府としては、この問題について我が国の立場を国際社会に明確に示す、アピールするとともに、それを継続するとともに、国民に対しましても十分な国の安全の問題や領土問題について知らせ、また啓発していくことが重要だと考えます。
 次に、知事の政治姿勢についてであります。
 原子力発電所の再稼働と原子力の安全の問題について県民に直接声を聞き、あるいは意見を述べる場が必要ではないかという御質問であります。
 大飯3・4号機の再稼働の判断については、県民の代表である県議会、また地元おおい町等の御意見を総合的に勘案し判断を行ったところであります。
 再稼働の考え方につきましては、私みずからが記者会見等において判断に至った経緯等を直接県民の皆様に説明し、またメディア、新聞、広報誌等でも詳しくお知らせをしているところであります。
 原子力行政に当たりましては、今後とも県議会の御意見を十分尊重しながら進めてまいりたいと思います。また、県の対応については私みずからが説明するとともに、さまざまな場面を通して県民の皆様に丁寧に説明をし、理解を得てまいりたいと考えます。
 次に、同じく政治姿勢に関連いたしまして、廃炉判断がなされるのであれば一気に3基が廃炉作業に入ることになる。そうすると、廃炉ビジネスのチャンスが生まれるのではないか。これをどう生かすのか。3基の廃炉作業に伴う雇用と地域経済への影響、また技術開発の展望についてという御質問であります。
 原子力発電所の廃炉について、それだけを個別に議論するのではなく、安全性を高めた新しい原子炉に切りかえていくのかどうか、既に保管されている使用済み燃料の処分をどうするのかなど、原子力全体の課題とともに、国が明確な方針を示しこの問題に対応していくことがぜひとも必要であります。
 原子力発電所が継続的に稼働しないという状態になりますと、定期検査等に伴う地元のいろんな事業はなくなり、雇用につきましても通常の事業に対して何分の1になってしまうとかこういうことになるわけでありまして、地域経済に大きな影響を与えることになります。
 なお、廃炉技術については、エネルギー研究開発拠点化計画の中において、レーザなどの研究開発や県内企業の技術向上に向けた取り組みを積極的に進めているところであります。
 次に、教育問題についてであります。
 教育に対する考え方が学校のいろんなところに徹底されるのは問題ではないかというような御質問であります。
 例を挙げておられましたが、例えば数学における問題と解答の関係とか、あるいは英語における外国語教育、あるいはALTの活用の問題、あるいは理科教育、サイエンス教育における科学実験をいかに行うかなど、問題は具体的な教室における教え方、教授法をどうするかに小中学校、また特に高校の職業教育や進学教育に深く影響を及ぼす時代になっておりまして、まさにそこを今改善しなければならないと私自身は思っておりますし、また教育委員会自体もそのような認識だと思います。そして、いろいろお話を聞きますと、教員自身もそのような認識を抱いておられるようであります。
 そこで、先生の皆さんが常に授業のあり方をよりよくする努力をし、互いに協力し合って、本県独自の教材づくりや教育情報フォーラムを使って新しい授業方法の提案を行うことなどが必要かと思います。既に卒業したり、あるいは学校の授業について改善すべき点についてさまざま気がついているんだけれども十分おっしゃっていない方がたくさん世の中にはおられるわけでありますが、そうした皆さんがいろいろ提案することは、教員の努力を喚起することにもなり、福井の教育をもっとよくすることにも基本的にはつながると私は思います。
 私としても、県の教育委員と学校教育をよくするための意見交換を定期的に行っており、そうした中で福井の教育を向上させる努力を続けたいと思いますし、またさまざま御提案もいただきたいし、私もいろんな考えを申し述べたいというふうに考えております。
 その他については、関係部長からお答えします。

◯議長(吉田伊三郎君) 総務部長森阪君。
    〔総務部長森阪輝次君登壇〕

◯総務部長(森阪輝次君) 私のほうからは4点お答えをさせていただきます。
 まず第1点目は、県民と議会に事業計画と財政計画の展望を示した上で事業を進めるべきではないかとのお尋ねでございます。
 まず北陸新幹線は、国策上、複軸型国土構造の核となる重要な路線でございまして、これが万一、金沢どまりということになりますと、災害対応はもとより観光やまちづくり、企業誘致などの面において他県との地域間格差が生じかねず、本県の将来にとって不可欠なものでございます。今後、この新幹線の県内延伸に加え、足羽川ダムの建設、国体の開催など本県にとって重要な大型プロジェクトを進めていくことになりますが、これらを考慮した財政運営上の長期的な見通しを持つことは必要と考えております。
 今年度に入りまして、新幹線の認可や足羽川ダムの事業継続で新たな動きがありましたことから、今後明らかになっていく具体的な事業計画や、それに伴う県の負担額を見通しながら毎年度の事業を進めてまいりたいと考えております。
 第2点目は、県民へのサービス体制を縮小する行政改革を計画しているのかどうかというお尋ねでございます。
 昨年7月に策定をいたしました第3次行財政改革実行プランにおきましては、健康福祉センター、農林総合事務所、そして土木事務所など、いわゆる出先機関の再編等を引き続き検討することとしております。この内容につきましては既に議会にもお示しをしているところでございます。
 再編に当たりましては、県民へのサービスを確保しながら、厳しい財政状況の中、より効率的に事務を執行していくため、災害時の対応でありますとか利用の実態、市町への権限移譲の状況、交通網の整備等のさまざまな観点から検討を行っているところでございます。
 3点目は、県立大学の中期目標に関しまして、学費値上げを含む項目の削除を求めるが見解を伺うというお尋ねでございます。
 県立大学は、公立大学法人として適正かつ効率的な運営を行う必要があることから、授業料を含む適正な料金設定につきましても今回の中期目標案に盛り込んでいるところでございます。この授業料収入につきましては運営費の約4分の1を占めておりますが、授業料の金額は国立大学と同額でありまして、全国の公立大学並み、全国並みとなっております。一方、県からの運営費交付金につきましては全国的に見て高い割合で交付をしているところでございます。
 今回、国のほうで、国際人権規約の中高等教育への無償教育の漸進的導入について留保撤回の閣議決定を行いましたけれども、このことにより直ちに授業料を無償とするものではございませんで、授業料減免や奨学金等の段階的な拡充に努力したいという国の見解でございます。今後、国の責任において高等教育を受ける学生の負担軽減が図られるものと考えておりまして、こうした国の動きに合わせまして適切に対応したいと考えております。
 なお、経済的に困窮している学生に対しましては、授業料や入学料の減免、奨学金給付などさまざまな制度を講じて支援しているところでございます。
 4点目でございますが、議会事務局職員について、知事をトップとした目標管理、人事評価、処遇のシステムから切り離すべきではないかというお尋ねでございます。
 目標管理や人事評価につきまして、知事部局では知事と各部長との政策合意を実現するため、職員が目標を設定いたしまして部長や所属長が職員と面談の上、評価を行っております。一方、議会事務局におきましては知事との政策合意は行っておらず、議長の命を受けた事務局長が組織としての目標を設定し、それに基づいて人事評価を行っているところでございます。
 こうした人事制度は県全体として同じ仕組みで実施をしておりますが、議会事務局職員の人事評価や昇給等の処遇につきましてはみずから決定しているところでございまして、独立性は確保されているものと考えております。

◯議長(吉田伊三郎君) 健康福祉部長小林君。
    〔健康福祉部長小林正明君登壇〕

◯健康福祉部長(小林正明君) 私からは2点お答えをさせていただきます。
 県立病院について、消費税が引き上げられた場合の影響でございます。
 病院の消費税につきましては、診療報酬は非課税でございますが、消費税がかかる医療機器あるいは薬品等の仕入れにつきましては、消費税を導入時あるいは5%への引き上げ時に診療報酬改定でそれぞれ対応されております。このような措置がとられていない場合の試算でございますが、県立病院の収支で見ますと約3億5,000万円という試算がございます。
 消費税の引き上げは、県立病院だけではなく全ての医療機関に影響するものでございます。現在、厚生労働省の中央社会保険医療協議会の分科会で高額機器への投資への対応が十分でないという指摘について議論されておりまして、診療報酬改定等で適切な対応が図られるものと認識をしております。
 県といたしましては、国の動向を注視し、病院の負担増につながらないよう必要に応じて要望するなど対応していきたいと考えております。
 次に、県立病院の7対1看護についての職員への給与、処遇の変容内容とその意図ということでございます。
 7対1看護体制の導入につきましては、県立病院が県全域の基幹病院としての使命を果たすために看護体制の充実が必要と考えて検討してきましたが、将来発生するコスト及び看護師を一時的に大量採用することによる影響が課題になっております。県内の類似の機能を担っている他の病院に比べ、かなり高い看護師給与の実態がございまして、将来発生するコストを将来に向けて抑制するという意図から、初任給の引き下げなど県内主要病院並みの給与水準にしていくことが必要であると考えているところでございます。また、看護師の質の確保や、他の病院の看護師確保に大きな影響を与えないことも考慮する必要があると考えております。
 以上でございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 産業労働部長山田君。
    〔産業労働部長山田賢一君登壇〕

◯産業労働部長(山田賢一君) ルネサスのリストラの件について、中止を強く求め、退職者への支援など社会的責任を果たさせるようにすべきであるということについて御答弁申し上げます。
 今回の早期退職者の募集でございますが、円高が続く厳しいグローバル競争の中で、グループそのものの存続、それから何よりも福井工場を残すために避けられないもの、そういう状況であるというふうにお聞きしております。
 ルネサスに対しましては、7月に副知事が本社の役員と面談いたしまして、福井工場の継続、雇用の維持、離職者の再就職支援に万全を期すように強く要請をいたしております。また、県といたしましても、今月12日に労働局など関係機関の参加を求めまして対策の連絡会議を開催し、生活・就労の特別相談窓口の設置、それから就職面接会の開催などの支援策を連携して実施するということを決めたところでございます。さらにこれと並行いたしまして、県職員が県内の大手企業を個別に訪問いたしまして離職者の雇用を要請しているところでございます。
 ルネサスに対しましては、引き続き福井工場の存続、それから離職者に対する責任ある対応を求めていきたいと考えております。

◯議長(吉田伊三郎君) 教育長林君。
    〔教育長林 雅則君登壇〕

◯教育長(林 雅則君) 教育問題につきまして、緊急雇用交付金で雇用した就職支援コーディネーターなどの継続雇用によりまして、現場の教員への人的サポート体制が後退しないようにすべきではないかという点についてお答えします。
 そもそも緊急雇用創出事業臨時特例交付金につきましては、リーマンショック後の緊急経済対策の一環としまして、次の就業先が決まるまでの半年以内の短期間の臨時的雇用を行う目的で、これは教育だけでなく土木、観光などさまざまな分野で雇用が行われております。こうした趣旨に沿いまして、県教育委員会では産業関連に携わっていた失業者にふさわしい仕事として県立高校の就職支援コーディネーターを設けまして、また市町の教育委員会ではそれぞれの地域の実情に応じた生活支援員などとして市町の独自の事業として雇用を行ったものでありまして、これは恒久的な教員の人的サポートとしての雇用とは目的が異なっております。
 しかし、こうした仕事についていただいた方々の意欲的な活動成果もありまして、教育面では一定の評価を得ておりまして、就職支援コーディネーターの学校配置などにつきましては本県から文部科学省に制度化するように提案、要望も行っております。
 今後はこれまでのこうした活動成果を十分に検証しながら、今後の学校におけます教育面における就職支援のあり方などについて検討していきたいと考えております。

◯議長(吉田伊三郎君) 佐藤君。

◯7番(佐藤正雄君) 再質問しますが、まず知事に2つお尋ねしますが、ちょっとわかりにくかったんですが、知事は「私みずから説明して理解を求める」とおっしゃったのは、そういう野田総理がやられたみたいに直接県民との対話をやることも含めておっしゃったのかどうか、これ1点確認します。
 それからもう1点は、廃炉について個別の議論ではだめだとおっしゃったんですが、私以前も提案しましたが、例えば静岡の浜岡原発は1・2号機廃炉して、それで雇用も実際に生み出しているわけですね。そういうことをやったらどうかということを提案しているので、もちろん知事の描いている全体像はともかくとして、とにかくそういう廃炉目前の原発が実際あるわけですから、それに対する県としての見通しというか、作戦というか、それをお尋ねしたので、その点をちょっと2点明確に答えていただきたいというふうに思います。
 それから総務部長の答弁で、財政見通しなんですけれども、これは新幹線とかダムとかいろいろあるわけですが、例えばダムをやっていけば当然土木部の予算が圧縮されていくわけですね。大きくそれに食われていけば。だから、全体像を示してもらわないと、先ほど例えば細川議員が河川改修の問題言われたけれども、そういう予算の圧縮につながっていくわけですから、全体の県民にとってどうなるのかということがやはり大事だと思うんですね。ですから、県庁の行革だけの問題ではなくて、いろんな県内各地の事業にどういう影響が出てくるのかということもあるわけですから、財政の見通しとかこういう事業が減らされていく可能性がありますよとか、その辺を示してもらわないと、いい花だけ示されてもこれはいかんというように思うわけです。
 最後、教育長ですが、私が聞いたのは、実際に教員の多忙化問題があって、それの解消に役立っているわけですよ。小学校、中学校。だから、それがなくなるという問題について、県として独自に手当てを打ってほしいという声があるので質問したので、そういうことをやっていただけるのかどうか、もう一回答弁お願いします。

◯議長(吉田伊三郎君) 西川君。

◯知事(西川一誠君) 最初の御質問はちょっと趣旨がよく理解できませんでしたけれども、いろんな機会を通じ、またこれまでもしっかりと説明をしているということを申し上げました。
 それから2点目の廃炉の問題ですが、廃炉の問題は、これだけを適当に取り上げて小手先でこの問題を論ずるというのは適当なことではありません。全体をしっかり議論しないと原子力発電所全体の問題にもかかわりますし、福井県の本当の経済あるいは雇用の問題をどうするかということにもつながるわけでありますので、そのような考えで私は臨んでいるつもりです。

◯議長(吉田伊三郎君) 総務部長森阪君。

◯総務部長(森阪輝次君) 今の財政の見通しについてのお尋ねでございます。
 今現状の状況から出発しまして、今後大型プロジェクトを実施していく上に当たって、どういうふうな財政運営上の見通しとなるのかというのはしっかりと見据えていきながら事業実施をしていきたいというふうに考えております。圧縮となるかどうか、これはまたいろいろ国の財政の状況にも左右されるところでございまして、そうした状況も見きわめていく必要があると考えております。

◯議長(吉田伊三郎君) 教育長林君。
    〔教育長林 雅則君登壇〕

◯教育長(林 雅則君) 市町の状況については、先ほど申し上げましたように今回は交付金を財源として市町の独自の事業として実施しておりますので、それを直ちに県のほうに振りかえるというのは適当ではないと思いますが、ただ問題は、学校の中の人的な体制については、これは例えば発達障害の問題とかさまざまな人的支援のことがありますので、こういったことについてはまた改めて市町のいろんな意見も聞きながら体制を整えていくと。これについてはこれまでどおりでございます。


福井市中央市場を訪問調査、県経営者協会と懇談。経済、消費税増税問題など切実です

2012年11月30日 | Weblog
   今日も原発ゼロめざすアクションがおこなわれます!
11/30(金)16:00~19:30 ちょっと待って!再稼働ストップアクション!16:00福井県庁前アピール、17:30デモ、18:00福井県庁前関電前アピール。ぜひ、ご参加ください。

       ★


  昨日はかねもと幸枝候補らとともに、福井中央市場の訪問調査、福井県経営者協会との懇談などをおこないました。
市場調査には西村きみこ、鈴木しょうじゅ市議も参加しました。市場では不況に苦しむたくさんのみなさんの生の声をお聞きしました。嵐のような「消費税増税は困る」の響きです。

   経営者協会では、村上俊男専務理事、堂山昌弘事務局長と経済問題や地域の活性化について意見交換させていただきました。地域経済をあたためる住宅リフォーム助成などの推進は経済界も希望されてますね。力をあわせて実現しましょう。
また、消費税と経営への影響についてもいろんな角度から突っ込んだやりとりをおこないました。わたしたちは、消費税増税ではさらに国民の生活に打撃となり、結果、中小企業活動にも打撃となり、悪循環になる点をお話ししました。

  
  この問題では、池田真理子さんも紹介しています。
●日本で金融資産100万ドル(約8000万円)以上保有している富裕層が、2004年の134万人から2010年には174万人と、40万人も増加しています。わずか1.4%の富裕層が、日本の金融資産の22%を独占しています。 このスーパー金持ちの税金が安くされているのが問題です。

●3割近い世帯で貯金がありません。庶民の預貯金の多くは、低すぎる年金や高い医療費や教育費の負担のための預金で、その額も数百万円にしかすぎません。また30~40歳代の勤労世帯では、平均800万円以上の住宅ローンなどの負債をかかえています。
 この部分を直撃するのが消費増税です。

●本来税金が、この「富の偏在」解消の再配分機能をもつはずです。ところが、証券優遇税制や所得税の最高税率引き下げ、住民税のフラット化など、日本の税の再配分効果は極端に小さくなり、OECD(経済協力開発機構)平均の10分の1しかありません。これこそ是正すべきです。

●日本共産党は、富裕層優遇の不公平を正す方向として、(1)株の配当・譲渡所得への特別減税・証券優遇税制を廃止し、課税強化をはかる(2)金持ち減税を見直し、所得税・住民税、相続税の最高税率を引き上げる(3)新たな税制として、相続税対象額で5億円を超える資産に対して、1~3%の累計課税をおこなう(4)高額所得者を優遇している年金保険料、健康保険料、介護保険料の上限を見直す―の4点を提案しています。

●「しんぶん赤旗」が、11月26日付の米紙ニューヨークタイムズに、米国の著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が、富裕層により高い所得税率を課すべきだと提案したことを紹介しています。バフェット氏は、今年8月にも「億万長者は長い間甘やかされてきた」と、大資産家への増税を提案しています。これにたいして、欧米の経営者や資産家たちが、バフェット氏支持を表明。富裕税は、世界共通の動きです。
日本だけが世界の流れに逆行し、国民を苦しめようとしています。

  異常な日本を変えるために、日本共産党とともに!