前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県立大学中期目標についてなど(9月福井県議会)

2012年11月28日 | Weblog
福井県議会総務教育常任委員会 9月議会。さとう正雄県議の質疑などを紹介します。

県立大学中期目標について
◯総務部長  今いろいろ御議論をいただいているけれども、この目標案について、いろいろな御意見を踏まえて、これは言ってみれば、場合によっては抽象的な表記であるし、また、箇所によっては具体的な部分も書いてあるが、県内の子弟のための教育機関であるというような点、あるいは幅広い意見を聞いていかなければならないのではないかという御指摘は、まことにごもっともであり、中期目標を今回お示ししたが、これから大学側にこれをもとにした中期計画を作成していただかなければならないので、そうしたプロセスの中で、今いろいろ御指摘のいただいている点を踏まえて、十全な内容となるように、また大学側とも協議をしていきたいと思う。

◯佐藤委員  知事がこの案を大学に示した後に、大学から知事が示した案に対して、できたらこういう点を踏まえてほしいという回答があったと聞いているのだが、知事が大学に示したのは8月24日、大学から回答があったのが8月29日ということで、ほんの数日後である。こういう短期間のスケジュールで、提案に対し大学において十分に議論されたと言えるのか。

◯大学・私学振興課長  最終案をお示ししたのは委員が今言われるとおりであるが、それ以前の5月の連休明けに、骨子について概略を説明するために、私が大学へ寄せていただいて、学部長以上の教員に2回に分けて説明させていただいている。

◯佐藤委員  吉田理事長から西川知事あてに、大きく分けて4つの意見が返ってきたが、この4つの意見は全部取り込まれたのか。もしくは取り込まれていないのであれば、その理由を教えていただきたい。

◯大学・私学振興課長  4つの意見があって、この中期目標案に明確に書いてないけれども、新採用の教員の任期制については、特別な事業展開においては、任期制の教員はなじむけれども、そういったものではない、これから採用する一般の教員について、そういう任期制を導入するのはいかがなものか、慎重にしてほしいと、効果がどうなのかというようなことで、これについてはその意見を配慮して、一応今回の目標案からは、任期制については削除させていただいたということである。
 残りの3つについては、一つは語学力の向上のための入試の見直しについては、入試制度というのはなかなか大変な大きな問題なので、ここは慎重にやりたいという御意見であった。
 それと、(3)番目に書いてある看護師の養成については、人と金が必要となる面もあるので、そこは県としてバックアップしてほしいという意見であった。
 それから、教員評価についても御意見があって、教員評価については我々が提案としてまとめているのは、処遇を反映するという評価、既に公立大学では半分ぐらいは導入されているけれども、今回研究費の配分について、自己評価から客観評価にするという大学の方針があって、そのときにかなり御議論あったのだが、やっと今、教員評価を研究費の配分に適用するという制度が一応できたので、処遇を反映する教員評価については慎重に扱いたい、そういう議論であった。
 任期制以外は、一応そのまま原案どおり書いてあるけれども、あと、先ほど部長も申し上げた中期計画の中でどういう表現にするか、今後大学と話し合っていきたいと思っている。

◯佐藤委員  それで、その吉田理事長から県に回答があった。県の説明は、要するに大学の教員とかいろいろな方の意見は、一応学内で集約されてそういう形で出されたというのが、これまでの議会の答弁とか説明だったと思うのである。
 しかし、果たしてそうか、例えば教育研究審議会、8月9日開催の資料を見せていただいたけれども、これを見ると、わざわざ今の研究費の配分の問題等を計画に書くのだから、教員への処遇反映まで書かなくてもいいのではないかとか、あるいはアジアビジネス支援ということについても、公立大学法人の業務としてアジアビジネスを掲げるのはいかがなものか。さっき山本文雄委員からも議論があったように、法人として、福井県立大学において、アジアビジネスを考えるのはいかがなものかというような点であるとか、あるいは、給与評価の処遇に反映するというのは、今年度から研究費の配分がようやく始まったとこではないかと、むしろそういうことでは教員のやる気がそがれるのではないかというようないろいろな意見が出されているわけである。
 それで先日、山本正雄委員もパネリストになったシンポジウムに私も参加して、お話もお聞きしたが、たしか3名の学内パネリストがいらっしゃった。3名が3名とも、県との関係、こういう目標の立て方に対してはいろいろ批判がある、不満がある、疑問があるというような方だったわけである。それは本当にこの学内でもまだ議論が煮えていないというか、詰まっていない。それを議会でもまたさっき議論があったようになかなか煮えていないということで、県の総務部なりのそういう思惑でぐっと押し切ると、議会も押し切るし学内も押し切るというやり方では、これ本当にいい大学になっていくのかというのを全体として思うが、その辺はいかがか。

◯総務部長  この中期目標案を作成するに当たっては、県が自分たちのエリアの中で策定をしたということではなくて、学外の有識者で構成されている大学の評価委員会の方々の御意見、あるいは各県内のそれぞれ産業界であるとかいろいろな各界の御意見、それからほかの大学の関係者、教育界、そうした方々の御意見も踏まえながら、県立大学としてどうあるべきか、あるいは設置者として何を県立大学に求めていくのか、そうしたことを思考しながらこうした案をまとめたものである。その過程では、今、委員御指摘のように大学側とのいろいろ意見も求めながら、作成をするというプロセスを経て策定をしたものである。

◯佐藤委員  だから、大学の中のコンセンサスという場合に、今言った外部の委員の意見を聞いたとか産業界の意見を聞いたとか、それはそれで大事なことだろうけれども、経営審議会の肝心な構成員として、大学で実際に生徒、学生に教えて学生をちゃんと就職にまで導いていく、そういう最先端は先生方であるので、その先生方のコンセンサスができていない目標の立て方というのはおかしいのではないかということを言っている。

◯総務部長  大学側には、5月ごろに骨子案を示したけれども、その以降、大学の中で教授会であるとか、あるいは教育研究審議会等々の中で、いろいろ学内としての意見集約が図られてきた。もちろん、いろいろな御意見もある中で、100人中100人が全く一致した一緒な御意見ということは難しいかと思うけれども、その中でも、最大公約数というか、そうしたまとまりが今回大学としての意見として、4項目が上がってきたものと認識している。

◯佐藤委員  先日のパネル討論を見た限りでは、とてもそういう印象は受けない。山本正雄委員もそういう印象を受けたから、さっきのような発言をもされているのだと思う。だから実際には、議会に説明されている大学の状況と実際の状況が違うような気がするのである。僕も話を聞いたのはその3名のパネリストの先生の話だけだけれども、実際に違うような気がするのである。だから、いろいろ意見は聞こえてきている中で、今度の議会で無理押しするというのは無理があるのではないか。

◯仲倉委員長  それでは、休憩前に引き続き、委員会を再開する。
 ただいまいろいろ議論があった第63号議案については、議論を持ち越すということにさせていただきたいと思う。
 それでは、次に、予算関係議案の第57号議案「平成24年度福井県一般会計補正予算のうち、総務部及び選挙管理委員会関係の所管分」について、各委員より発言を願う。

◯佐藤委員  県民活動相談員人件費について伺う。県民活動相談員というのは何名いて、何件ぐらいの相談を受けていて、どういう内容の相談が多いのか。

◯男女参画・県民活動課長  県民活動センターには、嘱託でこの補正予算の人も含めて4名いる。昨年度、特定非営利活動促進法が改正されて、今年度からNPO法人の認定事務と複数の都道府県に活動する法人の所管が内閣府から都道府県に移管されたということがあって、当初予算に間に合わなかったものだから、今9月補正で予算議案を提案させていただいている。
 年間の相談件数については、平成23年度の県民活動センターの利用者数が2万1,000件ぐらいあって、そのうち相談に係るものは4,000件近くある。これは、今年度4月から6月までの状況を見ていても、既に1,000件以上件数が増加している状況である。
 相談の内容については、いろいろな相談があるが、新たにNPO法人の認定業務が当課に来ているので、基本的にどうやったらNPO法人を設立することができるか等の相談が非常にふえている。

◯佐藤委員  NPOの認定関係の相談だけで、年間4,000件もあるのか。

◯男女参画・県民活動課長  NPO法人だけではなく、NPOは一般にボランティア活動をするような団体の集まりも含むので、そういったところからのいろいろな相談がある。

◯佐藤委員  これは、代表質問や一般質問などにおいていろいろな議員や私も取り上げたのだけれども、いろいろな事業と財政の関係で、教育委員会の議論のときに、高校再編で新しい学校をつくるときに予算は出てきている。それはそれで賛成せざるを得ないのだけれども、全体としてどれだけかけるかは、よく議会に説明がない。だから、そういう粗い年度は決まっているが、平成三十数年までかけて、これをやる、あれをやる、何をやる、それぞれ事業費はおよそこれぐらいである。平準化するということで、どのぐらいの試算で平準化するのかとか言えないのか。
 例えば、市町村合併のときには、福井市でも、合併するとなれば向こう30年間ぐらいの詳細な資料を議会に出して、それで大体こうなり、国からお金はこれだけ出るというふうに長期間のスパンの見通しを出して、それで合併を進めるなど、県内で合併したところは、たしか30年ぐらいのスパンでそういう計画を出してやってきている。
 今回、これだけ大規模な事業をやるというときに、なぜそういう見通しが議会に出されないのか、不思議でならない。

◯総務部長  一般質問で御答弁したけれども、そうした見通しをつかんでいくということは非常に重要なことであるし、今、委員の御指摘をまつまでもなく、私どもも、そうした見通しを持っておくべきだと考えている。ただ、いろいろ事業計画、期間、それからそれに要する財源が明らかにならないと、見通しといっても、見通しの精度もいろいろあるけれども、ただ、その見通すという言葉だけで解決する問題でもないので、その辺を今見きわめていかなければならないと考えているところである。

◯佐藤委員  確かに、この問題は国との関係などもある。大阪市の橋下市長が率いる大阪維新の会は、地方交付税廃止論という勢力が国会でどんどん議席を持って、地方交付税廃止だということになると、大変なことだと思う。だから、そうならないようにすべきだと思うし、部長は答えにくいだろうが、確かに見通しは、地方交付税を当てにするのと地方交付税がなくなるのでは大変なことになるかと思う。とりあえず今の財政制度のもとで考えると、どうなるか等をきちんと示してもらわないといけないと思う。
 それで、代表質問の答弁で教育長が、教育研究センターの移転のことを具体的に述べられたけれども、県の全体的な計画を8月末ぐらいまでに集約して、大体12月議会に間に合わせるような案をつくるというような話はないのか。運動公園の整備と重ねてなのだろうけれども、移転とかの話は、個別の話だけぽんと出てきた。教育研究所は移転するという話を教育長が正式に答弁されただろう。ああいう形で、この施設は移転する、この施設は建て直す、この施設は例えば統廃合する等の具体的な素案は、いつごろ議会に出されるのか。

◯総務部長  個別に今、青少年センター、教育センターをどうするかというのは、教育委員会でいろいろ検討中であるので、そういう方針的なことを御答弁申し上げた。では、ほかの全体施設の移転をどうするかと言われても、具体にいろいろ課題がある。先ほど農林水産支援センター、旧林業公社のことも言われたけれども、今個別に具体にやっているところであるし、いろいろ物によってまとまる時点は違うので、いつごろ一括して何かお示しをするということには、御答弁いたしかねるので、御理解願う。

◯佐藤委員  そういうのは、今の行政改革が進んで、さらに行革を進めるというのが部長の答弁だった。その具体的な行政改革の中身についてまだはっきりとした答弁がない、具体的に何をするのか答弁がない。それでは、議会にはいつごろ示すのか。

◯総務部長  今、行財政改革を進めるということを答弁申し上げているけれども、これはいろいろな方面にわたっている。例えば、人的な部分で職員数の問題、それから出先機関をどうしていくのか、それからアウトソーシングとか外部委託をどうしていくのか。昨年示した第3次行財政改革プランの項目に沿って、現在検討中である。

◯佐藤委員  内部で検討しているのだから、それが議会との関係での相談はいつごろ始まるのかと聞いている。

◯仲倉委員長  はっきりと示すパッケージ等はあるのか。

◯総務部長  いやいや、そういう予定はない。

◯仲倉委員長  ないのだったら、いつ出してくるのかと言われても困るだろう。

◯佐藤委員  ないなら、それでいいが、突然これだということで、年度末のぎりぎりになってから出されても大変なことになるので、一体どういう考えなのかということは事前にいろいろと示し、県民の意見も聞くということで、慎重に行政改革をやっていただきたいということが一つ目である。
 もう1点は、さっき給与の問題を言われたが、一般質問で健康福祉部長が答弁されたけれども、県立病院を7対1看護体制にするのに、初任給を下げるとの答弁があった。現在の職員と新しく入ってくる職員とで、2つの給与表ができることになるが、そういうことでいいのか。

◯企画幹(行政改革)  一般質問のときにも健康福祉部長から御答弁させていただいたが、7対1看護体制を今後導入していくということを考えたときに、将来発生するコスト部分と、看護師を一時的に大量採用することの影響が大きな課題であるという問題がある中で、当然、今後の看護体制を考えたときに、将来発生するコストをある程度抑えていくという意図から、初任給についてのコストが県立病院の類似の病院と比べて給与水準が高いということで、今回、引き下げが必要であろうと考えているということである。

◯佐藤委員  それは、来年度から検討を実施して、県議会に提案するわけか。

◯企画幹(行政改革)  我々の認識として、そういう課題を持っているということである。7対1の看護体制の導入について検討するという際に、課題認識を我々は持っているということである。

◯佐藤委員  全国にも同じ病院の中で2つの給料表が存在するということは、民間ではそういうことがあるのかもしれないが、公務員の職場でどうなのかと思うし、実際に新しく入ってきた職員から見れば、要するに先輩方とは違う給料表だということがわかれば、仕事の意欲にもかかわってくるので、そういうやり方は余り考えないでいただきたいということを強く要望しておく。

◯仲倉委員長  これより請願・陳情の審査に入る。
 まず、継続審査となっている請願第14号「法人県民税減免に関する請願」であるが、請願書提出者から平成24年9月13日付にて取り下げたい旨の申し出があったので、御了承願う。
 次に、今回付託を受けた陳情1件の審査に入る。
 それでは、今回付託を受けた陳情第22号「地方財政の充実・強化を求める意見書提出を求める陳情」を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言願う。

◯田中(敏)委員  陳情第22号の趣旨については、よく理解できるが、今日までも全国知事会や福井県議会からもこのような趣旨の意見書を出しているので、あえてここで採択する必要はないと思うので、不採択にしたい。

◯鈴木宏治委員  地方財政の充実のため、ぜひとも必要なことであるので、ここで意見書採択をすべきかと思う。特に今、国が何の行政改革もしないままに、地方に何か押しつけてくるようなことがあってはいけないと思うので、あえて議会としての意思を示すというのは必要かと思うので、採択としたい。

◯佐藤委員  鈴木宏治委員と同意見であるけれども、大阪維新の会などが地方交付税廃止政策等を考えている事態であるから、きちんとそういうことはだめと、地方財政に責任を持てということは意見書として出すべきだと考え、当陳情は採択したい。

◯仲倉委員長  ほかにないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるので、本件に対する採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方の挙手を願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成少数である。よって、本件は、不採択と決定した。
 以上で、請願・陳情の審査を終了する。


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■総務教育常任委員会2日目 県立大学中期目標について  2012年10月9日

◯総務部長  本常任委員会に付託されている第63号議案「公立大学法人福井県立大学中期目標(第2期)の制定について」に関して、前回の委員会において御指摘をいただいた事項について、報告申し上げる。
 初めに、地元の産業に貢献する人材の育成及び職業系高校からの入学者増について申し上げる。
 地元の産業に貢献する人材の育成は、県立大学の開学に当たっての基本理念、または開学の精神であって、現在でも地元の産業に貢献する人材の育成は、県立大学の重要な使命であると認識をしている。
 こうした中、職業系高校からの推薦入試の志願者が少ない状況にあることから、まず、推薦入試制度について一層の周知を行うとともに、大学の教員が高校において出前授業を行うなど、生徒の県立大学に対する興味、関心の向上を図るため、積極的に対応していきたいと思う。
 あわせて、各職業系高校において、選択制による普通教科授業の拡大等により基礎学力の向上を図るとともに、小論文指導等の推薦入試対策を強化するなど、教育委員会と連携して職業系高校からの入学者増を図っていきたいと考えている。
 次に、学生の県内企業への就職促進については、学生が県内企業の情報に接する機会をふやし、県内企業への理解を深めることができるよう、大学での県内企業による企業説明会の開催回数増、学外の合同企業説明会への参加促進、インターンシップ対象学年の拡大などの対策を進めていく。
 次に、中期目標に対する県立大学の意見について申し上げる。
 県立大学に対しては、ことし5月に中期目標案の骨子を示し、学部長以上の教職員を対象に2回に分けて説明を行っている。
 大学では、県からの説明を受けて、全ての教員で構成する教授会が延べ12回、学内の重要事項について学部を超えて協議するための委員会が延べ7回開催をされるなど、教員間で中期目標について協議が行われている。
 こうした協議に加えて、学部長以上の教員等で構成する教育研究審議会において、8月までに3回の協議が行われて、経営審議会、理事会を経て、県に対する4点の意見がまとめられたところである。
 このように、中期目標に対する県立大学の意見は、学内規程に基づく各種会議での協議を経て、大学の意見としてまとめられたものであると認識していて、県は4点それぞれの意見を踏まえ、今議会に中期目標(案)としてお示しをしたものである。
 今後、大学が中期計画を策定することになるが、計画策定に当たっては、県議会の御意見を踏まえて、教員に十分説明し、適切に学内の意見の集約を行うよう指導していきたいと思っている。
 報告事項は以上である。よろしく御審議をお願いする。


◯総務部長  田中委員から入試枠の問題、それから入試のあり方の問題など、特に県立大学の開学の趣旨と関連をして御意見をいただいたわけであるが、大学の水準を維持する、それから優秀な人材を育てて、県内に送り出していくということと、それからできるだけ県内から多く人材を求めていくという、この一見非常に難しいというか、場合によっては矛盾するような目標をいかに現実的にミックスさせて県立大学としての本旨を実現させていくかというのは、もう開学以来の終わることのない課題であろうと考えている。
 そうした中で、法人化になって2期を迎えるわけであるけれども、引き続きこの県内人材の育成という点がこれで十分なのかどうか、それから目まぐるしく移り変わっている国内外の状況に照らし合わせて妥当であるのかどうか、それから県内の高校から見て県立大学がどういうものであるのか、入りやすいのか入りにくいのか、入った後で県内に有為な人材が養成されていくのかどうか、こうしたことを絶えず考えていかなければならないと思っている。
 そういう意味で、今回提起させていただいた中期目標、それからそれを具体化させていく計画の中に、ただいま委員から御指摘いただいたさまざまな点を大学側にも十分伝えて、レベルはいろいろあるけれども、今の定員枠の問題、それから入試のあり方の問題について、十分学内で議論していくように指導していきたいと思う。

◯佐藤委員  関連で聞くが、大学の入試で福井県の受験生を区別するなどということはできないと思う。だから、枠そのものをふやすか、あるいは一般質問でも言ったが、多少の区別はしているだろうが、学費そのものを区別する等で、より入りやすくすることが必要だと思う。例えば、今これだけ不況で世帯収入が落ちている中で、県外に出ずに、県内の大学を志望するという高校生もふえていると聞いている。だから、そうなると、ますます福井大学、県立大学などの県内大学のニーズは当然高まってくると思うので、それにこたえたやり方を考える必要があると思っている。
 少し失礼な言い方になるが、いわゆる、ワーキングプア水準、要するに、両親合わせて年間世帯収入が400万円に満たない場合は、例えば学費を全額免除するのか、半分免除するのか、そういう思い切った施策をやっているところも全国にはあるとお聞きしている。だから、いろいろなやり方で、県内の高校生が県内で進学ニーズが高まっているのであれば、それらにこたえる作戦をもう少し具体的にしたほうがいいと思うが、今の総務部長の答弁では、余りその辺が見えてこない。何か作戦はあるのか。

◯大学・私学振興課長  県内向けという程度の区別については、一つは先ほどの推薦枠の話がある。そのほかに、例えば入学金については、県外学生が若干高めというような仕組みになっている。それはどこの大学でもあるかと思う。それから、厳しい生活困窮者については、入学料や授業料等の減免、それから納付期限の延長をしている。特に、東日本大震災といった特別な有事の際にも、特別な規定でそういった被災された世帯の学生については、減免するというようなことは基本的にやらせていただいている。今、委員が言われた、経済がますます厳しい中で、経済的に困窮している学生に対しては、さらに救いの手が必要であるかどうかは、見解を持っていないが、委員からの意見を踏まえて、学内でタイムリーな検討を具体的に出させていただき、こういう施策については指導していきたいと思っている。

◯佐藤委員  この間、福井大学の関係者と話をしたら、福井大学の学生の昼飯は300円を超えると、もう全然だめだと言われていた。だから、福井大学周辺の食堂は、経営的になかなか厳しいという話をお聞きした。だから、県立大学でも同じような傾向は当然あると思うし、アルバイトをする学生もふえているとお聞きしたことがあるので、やっぱり思い切ったことをやらないと、今、課長が言われた、従来型だから、経済的な理由で進学を断念する、あるいはもうアルバイトを必死でやらないと、アルバイトに来たのか、学校に勉強に来たのか、全然わからないような生活になっているというような状況が生まれるのであれば、これは本末転倒だから、福井県の子弟を迎え入れるという思い切った作戦を考えていただいたほうがいいと思う。
 それで、本論なのであるが、さっきの説明の中で、ことし5月に中期目標の案を決めて云々とあって、大学で相当議論をして、大学の意見としてまとめられたものが4つある。県はその4つの意見を踏まえて、今議会に中期目標案として示したという説明があった。
 4つの案というのは、1つは英語教育の問題、2つ目は医療等のプログラムの問題、3つ目は教員評価の問題、4つ目は任期制教員の導入の問題だと思う。実際に比べてみたら、大学に当初提起した案のうち、大学の意見を踏まえて修正した案は、任期制だけである。任期制については、今回の中期目標案からはカットされているけれども、ほかの案は、例えば大学からはいきなり実用的な英語力の追求だけでは少し困るというような意見が出されているとか、あるいは看護師の問題でいえば、プログラムの作成には専門的な人材が必要だというような意見が出されているとか、あるいは教員評価の問題では、既に研究費の配分に教員評価の結果を左右する制度が始まっている。だから、まず研究費への反映でやってもらえばいいのではないかと、給与の処遇への反映は今急がなくてもいいのではないかという意見が出ている。見たところ、3つは事実上却下しているわけである。そういう事実は、違うのか。

◯大学・私学振興課長  今、大学からの4つの意見について、任期制を除いて3つはどう配慮していくのかという話かと思う。一つ目は、TOEICやTOEFLなどの外部試験の結果を入学合否判定に採用できないかという点である。この考え方そのものは、毎年、文部科学省の副大臣から学力検査に関する指導指針が出ていて、その中で、語学等の研究については、そういった外部の試験を利用することも検討してほしいという要請もあって、我々としては、そういった入試のあり方は、学生の語学力を効果的に向上させる上で、非常に有益である手法であれば、慎重に対応していくことはもちろん、ぜひ前向きに御検討いただきたいということである。
 それから、地域医療の高度化の話である。これは当然、質の高い看護師を育てるためには、人もかかる、お金もかかるということであるので、厳しい財政状況の中で、全ての改革は、スクラップ・アンド・ビルドが原則であるけれども、そういうときに、例えば海洋学部の学部科設置や、今回、経済研究所のアジア経済部門を創設したのもそうであるが、それなりの必要な経費は十分計上しているので、今回スクラップ・アンド・ビルドが厳しい状況の中で原則には反するが、やはり真に必要なものについては、県としては見ていく必要があると当然考えている。
 それから、教員評価の給与処遇への反映については、要するに教員評価そのものは、努力する教員の成果に応えるというのが根本精神で、その成果が教育研究の活性化につながっていくということでの提案になっている。確かに、研究費配分のための教員評価は、自己評価から客観評価へと少し変えた。その結果をもとに、平成25年度から研究費を配分するときに参考にして、反映させていく。さらに一歩進めて、教員評価を処遇に反映してほしいということで、確かに今、先行している研究費の配分への教員評価が先行していて、結果、その検証がどうなるのか、多少時間をかけても見きわめていきたいと考えている。

◯佐藤委員  答弁が不誠実だと思う。要するに、時間をかけてもいいと思うと言っても、結局、大学の現場は6年間の目標に拘束される。だから、そういうことで、現場からの意見が大学の吉田理事長を通じて上がっているのに、文言を一字一句全く変えないというのはおかしいと思う。
 教育委員会に聞くが、今答弁があったように、英語で授業するというが、県立大学に福井県の県立高校から入学している学生で、英語の授業をヒアリングして理解できる学生はどのくらいいるのか、答弁できないだろう。だから、実際、福井県内から学生を迎えようと言っている一方で、県の教育委員会であっても、県立大学へ入学する学生が英語の授業ですぐに聞き取って勉強できるという水準になっていないことくらいは、今の受験制度がそうではないのだから、よく知っているはずである。だから、そういう食い違うことをやっても、福井県の生徒は余計に入ってこられないことになると思う。
 だから、中期目標を一字一句変えずに議案を通そうというのは、どうしても無理があると思う。だって、現場の先生が生徒を一番よく知っているわけだから、どの程度のレベルの高校生が県立大学に入ってくるか、よく知っているのである。私は心配して言っている。いきなりこういうことは難しいのではないかと、もう少し慎重にやってほしいと言っている。

◯佐藤委員  中期目標にまた戻るが、5番目の福井県立大学が中心的な役割を担って、県内の高等教育機関との連携による大学コンソーシアム設置を検討するというのがあるが、これも大学側から意見が出ている。企画幹や課長の答弁を聞いていて、福井大学よりも偏差値が高いという答弁が繰り返されたので、そういうことがこの文言の背景にあったのかと思ったが、福井大学と仲よく連携していくところが必要だと思う。そこを何か福井県立大学が中心になってやるのだということをこうやって高らかに宣言してしまうと、福井大学はおもしろくない。だから、学内でも心配している。わざわざ、心配するようなことを書いて、福井大学をなぜ刺激するのか。

◯大学・私学振興課長  この大学コンソーシアムについては、平成19年度に県内8つの高等教育機関で、大学連携リーグを結成した。大学連携リーグでは、各大学の先生方のリレー講義による企画講座をアオッサで開催している。それから、連携研究、学生交流のための学生交流会とか、厳しい就職活動に関して、経済団体連合会などで就職のあっせんといった活動をやっていて、ほかの県でもこういう活動をしているわけであるが、大学連携リーグは行政が主導して引っ張っている状況にある。
 基本的には、大学が連携して、少子化の中でどう魅力を増すことができるのか、どう地域に貢献できるのかということを大学みずからが戦略としてお考えいただくことがねらいであって、それが平成19年度にできて、もう6年目になるものだから、そろそろ大学主導型に切りかえるためには、やはり県立大学に汗をかいてもらうとともに、大学連携リーグの会長である福井大学にも当然声をかけて、この両者が中心となって進めていただきたい。これはあくまでも県立大学の中期目標であるので、こういう書き方になっているので、御理解を願いたい。

◯佐藤委員  だから、会長は福井大学だと言われたけれども、その大学連携リーグも福井県内の大学や福井工業高等専門学校なども含めて、研究者同士で綿密に丁寧にネットワークを広げて、取り組んできた事例だと思う。全国でも余り例がなくて、非常に注目されていると思う。しかしながら、県内の各大学が連携して実施していくような事業について、福井県立大学が中心的な役割を担うという表現にしてあるのは、はっきり言って、西川県政の悪いところである。こうした姿勢は、連携すべき大学を刺激し、反発を買うおそれがある。だから、そういう知事の姿勢は改めるべきである。
 それから、いろいろと議論してきているが、具体的な計画案の策定が進んでいる。議会との関係ではどういう形で、後で委員長に諮ってもらうのか、説明していただくのかとか、その辺はどのように考えるのか。

◯総務部長  この目標案を御承認いただくと、それに基づいて計画をつくるように県立大学に伝えていく。スケジュール的にはほぼ年度内いっぱいにつくり上げたものを知事が承認するというルールになっている。

◯佐藤委員  実際に、総務部長の答弁は議会向けなのであろうが、前に私が質問したように、ある意味では、議案に対する議会の審議が大体通るだろうということを見越して、現場に指示を出している。だから、さっきの英語で授業することなどでも、もう9月中にその計画を出しなさいということで現場に伝わって、そこへ届いているかどうかは知らないけれども、現場では9月中の集約という話になっていると聞いている。知事との関係では、今、年度内と言ったけれども、12月には知事の認可をもらうと現場では説明していると聞いたが、違うのか。

◯大学・私学振興課長  計画そのものについては、行政である県側から9月中に計画を策定するということは申していない。ただ、その計画をつくるのに十分時間がかかる。それから、目標の中身がもう大体見えているということで、そういったことを見込みながら、大学としてもなるべく早く着手したいという意向が働いたのではないかと考えられる。

◯佐藤委員  うまい答弁である。そういうことで、現場に責任を押しつけるわけである。だから、こういう目標をつくって、現場を締めつけるし、不都合なことは現場に押しつけるというのはだめである。きちんと責任持ってもらわないとだめだと思う。

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◯仲倉委員長  それでは、第63号議案についての質疑、討論は終結する。
 この中期目標の議案についての扱いであるが、いずれにしても、来年4月からの計画であるから、議会としていたずらに結論を先送りするというのは、現場に対して非常に混乱を招くおそれもあるので、今から採決をとらせていただく。
 しかしながら、今、例えば募集定員のあり方とか、入試のあり方、現場と行政の意思の疎通、就職の観点からのいろいろな指摘があった。そういった観点については、常任委員会委員長報告でしっかりと述べさせていただくというところで担保をさせていただきたいと思う。
 もう1点、私から提案をさせていただきたいが、今6年間の計画になっており、6年経過してまた同じような議論が繰り返されているのでは、県議会、そしてまた設置者としての県の役割も果たせていないというところもある。目標6年は非常に長い期間であるから、中間の3年目ぐらいに中間の状況を県議会に説明していただく。これは私の個人的な提案であるが、ぜひ入れさせていただきたいと思う。委員の皆さんから了承が得られれば、またそれも委員長報告の中で触れさせていただきたいと思うが、いかがであるか。
   〔「異議なし」、「賛成する」と呼ぶ者あり〕

◯佐藤委員  委員長の提案に異議はない。
 もう一つは、さっき言った具体的につくられた計画そのものをきちんと説明する場を求めたい。

◯仲倉委員長  具体的な計画はいつできるか。年度末ぎりぎりになるか。

◯大学・私学振興課長  スケジュール的には12月までに素案をある程度出して、それから3月までに完成したいと考えている。

◯仲倉委員長  ただ、申し上げるが、これは大学側が計画をつくるわけである。議会がその計画の内容を一言一句まで修正するわけにもいかないので、計画そのものは、やはり信用していただきたいと思うが、秘密にしておく話ではないと思うから、しっかりと公開していただくということでお願いをしたいと思う。総務部長、そういうことでよろしいか。

◯山本(正)委員  委員長の提案には、基本的に賛成である。ただ、今の佐藤委員からの意見があったように、岡山県などの場合は、計画も議会の常任委員会に報告している。計画策定に当たっては、県議会の意見を踏まえ、意見を反映させるとの記載があるので、計画がまとまった段階で報告をしていただけるか。

◯総務部長  ただいま各委員の御指摘を踏まえて、計画づくりを県立大学に指示をするが、それを最終的には知事が承認する。その過程において、またこういった計画づくりで現在進めていると、あるいは、未完成の度合いが強い状態でお示しをするのもいかがなものかと思うので、その辺は計画の姿形がある程度見えた段階で、また常任委員会等でしかるべく報告をさせていただくことで、御了承を賜れば幸いである。

◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

       〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  発言がないようなので、質疑討論を終了し、議案の採決に入る。
 第63号議案「公立大学法人福井県立大学中期目標(第2期)の制定について」を原案のとおり可決することに賛成の方は、挙手を願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成多数である。(佐藤委員のみ反対)
よって、第63号議案は、原案のとおり可決することに決定した。
 これで本日の委員会の議事は、全て終了した。
 

福井県の高校再編問題、PTAの教育現場での負担問題など(9月県議会)

2012年11月28日 | Weblog
2012年9月福井県議会  総務教育常任委員会での さとう正雄県議の教育委員会関係の質疑を紹介します。


特別支援学校
◯佐藤委員  特別支援学校の設置と若狭地区の県立高校再編について、質問する。
 まず特別支援学校の設置について、奥越特別支援学校が開設されると、これまで奥越地域からそのほかの地域へバス等で通っていた生徒がどうなるか。要するに、これまで通っている学校の先生や仲間と同じ学校へ通いたいという考え方などもあるだろうし、地元に新しく学校ができるのだから、親としてはそちらへ入れたいと、いろいろあると思う。その辺の今の実態と見通しを聞きたい。

◯特別支援教育室長  現在、奥越地区の方で知的障害、肢体不自由、病弱の3障害を持っている方で、福井市内の養護学校へ通っている方が52名いる。その中で、現在奥越地区に特別支援学校ができるので、そちらへ移ってもいいと言われている方が44名いる。8名の方に関しては、寄宿舎の利用、それから高等部3年生なので、あと1年は今の学校で残っていたいという方がいると聞いている。

◯佐藤委員  あわせて、養護学校の名称を特別支援学校に変えるということであるが、何か意味があるのか。

◯特別支援教育室長  特別支援教育に関しては、平成18年に学校教育法が改正されて、これまで特殊教育という言い方とか、盲聾養護学校という言い方がされたが、これが特別支援教育という名称に変わった。あわせて、盲聾養護学校も特別支援学校と文部科学省では法令上統一されたので、福井県においても、平成19年から整備している奥越特別支援学校ができる機会に、現在ある10校の特別支援学校のうち、養護学校という名称がついている学校を特別支援学校に変えたいと考えている。

◯佐藤委員  学校の教員の問題なのであるが、前回も少し質問したが、普通学校に比べて養護学校、特別支援学校は正規教員の割合が少ないという問題があると思う。いただいた資料によれば、普通学校だと正規教員が1,387名、講師が93名、非常勤が261名、特別支援学校は正規教員が592名、講師が136名、非常勤が18名ということだから、特別支援学校のほうが講師の割合が高いのではないかと思うが、それはどういう理由か。

◯高校教育課長  県立学校においては、今御指摘のとおり、特別支援学校においては臨時任用教員の割合が高くなっている。これは、特別支援学校は生徒一人の動きによって学級数が大きく変動する。それによって、学級数によって教員の数が決まってくるので、普通高校と比べると臨時任用の教員数がそれに伴って割合が多くなってくるということである。

◯佐藤委員  変動といっても、例えば3年とか5年とか、そういう流れで見て、極端に大きく人数が変わるとかではないと思う。むしろ逆に、入学する生徒はふえる傾向にあると聞いたことがある。今回新しく特別支援学校ができるわけだから、正規教員できちんと手当てしていくというスタンスが必要ではないのか。

◯高校教育課長  大きく変動しないという御指摘であるが、やはり、教員の定数は、その生徒の障害状況によって、重複障害の生徒がその学年に3名いれば1クラスできるという状況であるので、かなり大きく変動する。ただ、奥越特別支援学校も新しい学校になるので、できるだけ正規教員の割合は高めたいとは思っているが、ある程度の非正規教員は必要になってくると考えている。

◯佐藤委員  ぜひお願いしたいと思う。
 それと、新しく学校ができるわけであるが、スクールバスの配置はどうなるのか。

◯特別支援教育室長  奥越地区に関しては、広域なところもあるので、勝山地区と大野地区で3ルートのバスを走らせる予定をしている。

◯佐藤委員  車椅子のまま乗られるようなバスを新しく3台購入するのか。

◯特別支援教育室長  今度新しく転学とか入学される車椅子が必要な方は、現在数名と想定されているので、現在のところはそのうちの2台をリフトつきバスで対応できると考えている。


高校再編
◯佐藤委員  若狭地区の高校再編であるが、今回の補正予算で約4,500万円出ているので、全体を教えてほしい。この若狭地区の高校再編で幾らぐらい事業予算が出てくる。今回そのうち約4,500万円出されていて、今後の補正予算とかでどのぐらい出されてくるのか、その辺の予算に関して全体像と今回の位置づけを聞きたい。

◯教育振興課長  今回補正予算でお願いをしているのは、若狭東高校において、今度、ビジネス情報科を新たに設置するので、それに必要な実習室やパソコンの整備等である。それから、全体計画では、今回の若狭地区においては、若狭高校あるいは若狭東高校とも大きな定員の変動はない。だから、例えば普通教室等を新たに設置するとか、大きな施設整備は必要ないと考えている。平成24年度から平成26年度にかけて、こういった学科に必要な既存施設の改修、あるいは設備を導入していきたいと思っているが、具体的な金額については、今精査をしているところである。

◯佐藤委員  予算説明書の2ページ、坂井地区の総合産業高校の設置予算約5,700万円について、一般質問でもいろいろ聞かれているが、今回は体育館の整備だけが計上されているので、全体の事業費がどれくらいで、今後どれくらいの予算を見込んでいるのか。

◯教育振興課長  一般質問でもあったけれども、新しい総合産業高校においては、地域経済を支える人材が当然必要になってくる。実習が大きな比重を占めると考えている。例えば企業現場であるとか、農業の形態もいろいろ変わっている。だんだんと集団化、企業化していくといった現場での実習、あるいは校内での実習について、企業の方にもいろいろ御意見を聞きながら、検討を進めていきたいと考えている。
 それから、普通教室等についても、生徒数が増加するので、現在の1学年3クラスから5クラス増加するので、8クラスになり、現在の空き教室でどこまで対応可能か、今検討しているところである。今年度中に全体計画をつくって、来年度以降の予算に反映していきたいと考えているが、現時点では具体的な金額を持っていない。


◯佐藤委員  今の山本文雄委員、山本正雄委員の関連で、坂井地区の総合産業高校の議論があったように、計画が拙速過ぎるということである。
 議会でこれだけ議論になるわけだから、当然、学校現場でもいろいろ議論していると思うが、現場の教員の声を聞いても、やはりいろいろ積み立ててきた議論がなかなかうまく進まないとお聞きしている。教育委員会の言うとおりに、新しい学校をつくるために力を合わせようとしても、無理やり計画をつくっても、うまくいかないということは確かにあるのかと思う。
 だから、今、両山本委員が提案しているように、統合する計画そのものは変更できないにしても、1年延期するとか、そういうことでじっくり現場の議論も組み立てて、慎重にやっていくというぐらいの幅はあってもいいのではないのか。

◯高校教育課長  春江工業高校、坂井農業高校、金津高校、三国高校の現場の先生方とは、今年度4月以降、準備委員会を設けて、施設設備はもちろん、教育カリキュラムをどうするか、ずっと検討し続けてきている。その中で、計画である平成26年4月開校に向かって、準備を進めているところである。

◯佐藤委員  現場からは必ずしもそうでない声も聞くから質問をしているわけである。今言われたように、準備委員会などで準備作業はしているのは間違いない。だから、教育委員会としては進めてきたことがなぜそうなるか分からない。さっき聞いたが、どのぐらいの事業費を見込むのかという質問には答えられないであろう。当然これは財政当局から縛りがあって、そういう金は使えない、そういう事業は認められないということになれば、新しい立派な高校をつくるという青写真を描いても、その青写真どおりの高校ができないということになるわけである。
 やはり、いろいろなしがらみがあって、そういう議論の積み重ねが断ち切られるということなどが起きている中で、平成26年開校ということで進めていかないと、現場の士気にもなお一層影響するし、両山本委員から指摘があったような、いろいろな課題もそのまま積み残っているわけだから、平成26年にどうしても開校しなければ大変なことになるわけではないから、教育委員会として、現場の教員といろいろな課題を慎重に調整し、議論を丁寧に組み立てていくことがなぜできないか。

◯教育長  先ほども御指摘があったように、教育委員会なり学校として、過去からの問題でいうと、いろいろな今の経済情勢なり動きに対して、常に新しいものをどうするかというのは考えていく必要があると思う。そういう中で、今回、坂井地区については総合産業高校化を進めようという方針を県議会にも示して、そういう方向性が出ている。そうすると、今お話しのように、現実に社会に出ていく子供たちとしては、古い形でいつまでもやっているのではなくて、新しいものを早く入れてあげるということがまず大事だと思う。教育サービスを提供する側ではなくて、受ける側の子供たちのことを最優先にして考えたものである。
 確かに、かなり短期間のことで、学校も、これまでの授業のやり方のままであると、その新しいものをどうしたらいいのかということで、学校の中だけでは、例えば工業関係でも今の新しい動きをつかみ切れていないところがあるから、企業の皆さんの考え方もいただいて、一緒に考えようとしている。
 とにかく、教育サービスを提供する側としては、やはり子供たちの将来のことを考えて、そこはスピード感を持ってやっていかないといけない。教育委員会の対応状況により、子供たちの教育がおくれてくることのないようにしたいということで、今一生懸命学校も考えていただいているし、それにあわせて、教育委員会も一緒にやっていくということで、今の計画の中で何とか進められると考えている。
 この施設整備についても年度内には、具体的なものを示して、感覚でどのぐらいと申し上げることはできないので、年内または年度内にははっきりしたものを提案し、委員の皆様にいろいろと御審議、御意見をいただきたいと思っているので、まずは将来に向けたスケジュールの中で進めていると御理解いただきたい。

◯佐藤委員  今、教育長が言われる、その気持ちはわかるが、その気持ちが生かされない状況があるのではないかということである。だから、施設整備にしても、見通しも示されない。もう2年後だというのに、事業費を幾らぐらいかけてどうするのかということが、この県議会でも説明できない。なぜ説明できないのかというと、当然これは財政当局の縛りがあるからである。2年後にどういう計画になっているかが言えない。
 だから、そういうことを含めて、きちんと全体像が明らかになっていないのに、今回は体育館であるとか、そういう細切れの予算が出てきて、予算を認めるにしても、古い使えない体育館を放置するわけにはいかないので、みんな賛成するであろうが、しかし、細切れでやっていくには、きちんと全体像が出てきて議論がされないと、平成26年度開校に向けた施設整備の見通しは一体どうなるのか。議会にぎりぎりまで説明できないのでは無責任であると思う。


西川知事と教育政策の関係
◯佐藤委員  一つは、一般質問でもさせてもらったのであるが、知事と教育委員会の関係については、知事の答弁を聞いていると、教育委員会の会議というか、懇談を積極的にやって、知事の考えをいろいろ述べて、それを県の教育施策に反映するということだと思うのである。それがいろいろな学習のあり方だったり、例えば英語の充実だったりしているというように思う。あるいは、学力向上ということだと思うが、例えばその中の一つに難関10大学での現役合格を目指すという目標もあるかと思う。要するに、難関の10大学を例えば何人目標にするというような目標の立て方のコンセプトはどういうところから来たのか。知事がマニフェストに従ってやっているだけなのか。それとも教育委員会としてきちんとしたお考えをもってやっているのか。

◯企画幹(学校教育)  県としては、高校生全体の学力向上を目指している。県では、普通科の子供もそうであるし、商業系の子供たちなども考えている。その学力向上策の一環として、上位校というか、難関大学を受ける子供たちに対してのサポート体制という形で施策を行っている。また、商業系の子供たちに対しては商業で、また英語については英語という形で、それぞれの施策があるけれども、その施策の中の一分野というような形でとらえている。

◯佐藤委員  だから、学校の先生の話を聞いても、もちろんそれぞれの子供に応じた大学を薦めて、そこに合格にできるのが一番いいのだという御回答を一般的にはいただく。だが、そういう数値目標が設定されると、どうしても学校現場にプレッシャーがかかり、無理をするというようなことでの矛盾が出てきはしないかということが1点と、あともう一つ、難関大学というのは、福井にはなくて、例えば東京大学、京都大学などの県外の大学に優秀な福井県の子供たちを送り出して、将来、福井県に対するどういうリターンを期待するのか、その2点について伺う。

◯企画幹(学校教育)  昨年は3,000人ほどの高校生が県外大学へ進学している。もちろんそのうち戻ってくる子供たちがいるわけであるけれども、高校教育の中で考えているのは、やはり基本的にはキャリア教育を充実させていく中で、子供たち一人一人の夢の実現というものを押さえている。ただ、一方では、福井県内の企業なども普通科高校などでも紹介させていただいて、福井県内にはこういうすばらしい企業があるというような中で、なるべく福井県にも戻ってきてほしいということもキャリア教育の中で話しさせていただいている中で、大学については、あくまでも本人が希望する夢の実現というような形で指導させていただいている。

◯佐藤委員  要するに、知事のマニフェスト等に沿って、学力向上ということで、やはり現場の教員との関係での矛盾、それから子供との間での矛盾というのは、どうしても起こりがちではないかと思う。だから、例えば病気の教員がふえている。退職教員も100人ぐらい発生し、小・中・高校で100人ぐらい職員補充をしなければいけないとか、いろいろなことにもなっているのかと思うのが、やはり実際に難関10大学を目指して数値目標を立ててやっていくことと、福井県の子供たちが生き生きと頑張っていく、そういう教育と、矛盾してくるところがあるのではないかと思うのが、そういう押しつけは矛盾してないのか。

◯教育長  やはり両方合わせて、子供たちが自分の夢を実現することだと思う。だから、まずは、一人一人が自分の目指すべき目標値をしっかり持って、ただそれを達成するということは、教育サービスを提供する側がどうこうというのではなくて、やはり福井の子供たち自身が大きな夢を持って、もちろん福井でも活動をしていただくことも必要であるし、一方で、福井から育っていって、もちろん世界じゅうでいろいろな形で福井の生まれ育った人間が活動していくことによって、福井というのがもっと大きくなっていくということがある。
 まずはたくましく豊かな人間性を育てながら、それを実現できる力をつけてあげるということが、教育の役割であるから、やはり先生方も子供たちと一緒に高い目標を掲げようということだと思うので、そのことがそれぞれの仕事の中で先生の御負担の部分もあるだろうが、必ずしもそれが今の教師の負担になっているというより、やはり子供たちを育てたいという気持ちが前に向かって進むことであるので、決してその2つのことが矛盾するとは考えていないし、何とかその2つが一体となっていい教育になるように進めていきたいと思う。


学校整備へのPTA資金活用の問題
◯佐藤委員  2つ目であるけれども、この間、学校現場も幾つか回らせていただいたのであるが、図書室等の学校の基盤整備に、PTAからお金を使っている学校が多いということがわかった。それで、先日、報道されたので御承知だと思うが、和歌山県で問題になって、それで、地方財政法第27条の3では、「県立高校施設の建設事業費等については住民に負担させてはならない」と規定されており、そういうところにまでPTA費を使っては問題だということで、和歌山県の教育委員会は、改善ガイドラインをつくったと報道されている。
 そのガイドラインによれば、県立学校の管理運営、教育活動に必要な経費は設置者の県が負担する。PTAなど関係団体からの支出は受けないというようなことを決めたと、一般的には報道されているが、お聞きしたら、福井県の修繕費は平成22年度が3億2,800万円、平成23年度が3億2,800円ということで、定額なのかどうか知らないが、いろいろな設備費用を学校に対しては支出しているということであるが、PTA費から賄っている施設費や備品費は、幾らなのか。

◯教育振興課長  申しわけないが、今、佐藤委員から御指摘あった県費での支出であるが、数字の訂正をお願いしたい。平成22年度の3億2,800万円はそのままである。それから、平成23年については、大変こちらの不手際があって、3億6,400万円である。一方、PTAのそういった支出状況は、あくまで学校とは別の団体の自主的な活動ということで、学校をよくしたいという保護者の方、あるいは同窓会の方々の思いから支援をしていただいているものと理解している。

◯佐藤委員  金額を知りたい。

◯教育振興課長  金額については、承知していない。

◯佐藤委員  やはり今全国的に問題になっているときに、もっと敏感でないといけないと思う。やはり現場で聞くと、それは全部が全部悪いとは言わないけれども、校庭の土の入れかえとか、あるいはいろいろなコピー関係のお金とかで、いろいろ支出してもらっているという話であるので、学校を維持するためにお金が必要なのである。それは、やはりきっちり県費で賄っていくというのが筋だというのが、こういう和歌山県の事例だと思うので、また次の12月議会で質問するが、一体福井県内の県立高校では、PTAからそういう支出を求めているのかどうか、調べておいていただけるか。

◯教育振興課長  先ほど言ったように、PTAは学校とは別の組織のものであるので、県だけの意思でもって調査というのはなかなか難しいのではないかと思っている。

◯佐藤委員  それは納得できない。学校の現場で必要なお金のことをなぜ県が議会で答弁できない、そういうのを調べないというのは、納得いかない。

◯教育長  PTA学納金は、今お話しのように、学校側が求めてPTAが使っているというものではなく、PTAでも、例えば施設整備の中でも自分たちが記念植樹をするとか、あるいはお話しのように、コピーなどもPTAが会合を開くので、その場合にコピーを使うというのがある。
 ただ、その辺が具体的にいうと、どこまでがどうだということはいろいろ整理の仕方があるので、こういったのは今いろいろ関係するところに聞いている。だから、またそのお金の面で果たしてどういうものをどう確定すればというのは、正直言うと、その整理するところが、概念と同時に、具体的に過去のものがどうだということを一つずつ洗い直す必要があるので、少しずつ進めていきたいと思う。

みぞれのなかの街頭宣伝・地域訪問、ガンバリマス。新婦人がワクチン公費助成で議会請願

2012年11月28日 | Weblog
  昨日は、かねもと幸枝候補との街頭宣伝活動。雹のふる寒い日でしたが、あたたかい激励をいただきました。テレビ局の取材もつきました。マスコミのみなさんには、各党・候補者を紙面や番組で平等に取り扱っていただきたいと思います。特定の流れ・候補を多く報道すれば、それ自体が投票への誘導となりかねません。
  私も街頭から、「福井関係の7人の前衆議院議員は全員が消費税増税に賛成した。県民の過半数は増税反対。この県民の声にこたえる国会を」と訴えました。

  午後は、新日本婦人の会福井県本部が県議会に請願。「妊婦健診と、ヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頚がん予防3ワクチンへの2012年度と同水準の公費助成を国に求める意見書提出の請願」。田島会長らが請願に。私も紹介議員として同席。松井副議長に応対していただきました。なんでも一般財源化で、きちんとした施策を地方で維持できない問題が起こっており、国として責任を果たすように求めるものです。

  夜は、ひつづき小雨のなかをてくてく訪問活動。「共産党、消費税増税は止めてください」と力強い激励をいただきました。日本共産党は増税中止法案をだします。力をあわせて、民主・自民・公明の大増税連合、原発継続・推進にかわる政治をつくりましょう。


   原発問題では大飯原発、敦賀原発の活断層問題が焦点です。「安全側の判断を」は当然ですが、まず大飯原発を運転停止して、徹底調査をおこなうべきです。1,2日には敦賀原発に調査がはいり、注目されます。

■NHK・・・敦賀原発断層は安全側の判断を

国の原子力規制委員会は、敷地内の断層が活断層かどうかを、来月、現地で調査する福井県の敦賀原子力発電所について、事前の会合を開き、専門家から「敷地に活断層があることを証拠が出るまで認めなかった過去を反省し、いつも以上に『安全側』の判断をすべきだ」といった意見が出ました。

原子力規制委員会は敦賀原発で来月1日から2日間、断層の現地調査を行うのを前に会合を開き、地震学が専門の島崎邦彦委員と、活断層などの学会から推薦された専門家3人が参加しました。
事業者の日本原子力発電は、敷地の断層およそ160本のうち、2号機の真下などの6本について、地層の断面を調べる「トレンチ調査」などを行い、▽活断層かどうかや、▽「浦底断層」という活断層と連動する可能性があるかを調べています。

会合では、専門家から「敷地にある『浦底断層』が活断層であることを、動かしがたい証拠が出るまで20年以上も認めなかった過去を反省し、今後の調査では、いつも以上に『安全側』の判断をすべきだ」、「敷地にとどまらず、周辺の地形も考慮したうえで、浦底断層やその影響を評価すべきだ」といった意見が出ました。

国の指針では、活断層の真上に原発の重要な設備を設置することを認めておらず、規制委員会は、現地調査後の来月10日に敦賀原発の評価会合を開き、活断層かどうかを検証することにしています。

断層は再調査中

福井県の敦賀原発の敷地を走る断層を巡っては、事業者の日本原子力発電が「問題はない」と主張してきたのに対し、新たに活断層が確認されたほか、専門家が活断層につながる断層が動く可能性があると指摘したことから再調査が行われています。
敦賀原発では、昭和45年に1号機が運転を始めた段階で、日本原子力発電が、「敷地に活断層はない」と評価し、国もその評価を認めていました。
ところが、専門家の指摘を受けて調べた結果、平成20年に1号機や2号機から北東に250メートルほど離れた敷地を走る浦底断層が活断層であることが新たに確認されました。

また、巨大地震後のことし4月、当時の原子力安全・保安院が専門家と共に現地調査をした結果、▽「D-14」という断層が活断層の可能性や、▽浦底断層とつながる「D-1」という断層が連動して動く可能性が指摘され、保安院は、日本原子力発電に再調査を指示しました。
日本原子力発電は、「D-1」、「D-14」など6本について、地層の断面を調べる「トレンチ調査」などを行って調べていますが、調査は予定より2か月遅れ、来年1月までかかる見通しです。
規制委員会の調査の結果、断層が活断層だった場合、止まっている原発は運転ができなくなる可能性があります。・・・・