昨日は12月県議会の最終日でした。順調に議会運営委員会が終わり、午後2時から本会議がはじまるものと思っていました。
ところが「自民党が意見書をだすことになったので少し遅れます」と・・・。
だされてきたものは「信頼のもてる原子力規制行政の遂行を強く求める意見書案」。午後2時開会予定の本会議が2時間以上遅れて開会しました。
内容は、敦賀原発2号機などで直下の破砕帯を活断層の可能性が高い、と指摘した調査などについて「少人数の専門家が、事業者と十分な議論をすることなく、短期間の現地調査をもとにした独自の見解のみで判断がなされている」と批判、「原子力行政については原子力規制委員会が行う技術的な観点からだけでなく、立地地域の意見を十分に反映」するよう求めています。
総選挙での自民党「圧勝」をうけて、地方からも原発再稼働への圧力をつよめるものにほかなりません。
私は「活断層か否かの純粋な学術調査の議論に、『立地地域の意見』で左右される余地は本来ない」
「私は原子力発電・防災対策特別委員会でも確認しましたが、国が原発建設にあたって示している手引では、建屋など原発の重要施設は「活断層」の上につくることはできません。「活断層」が動けば重要施設が破壊され、取り返しのつかない原発事故を引き起こす可能性が高いからです。
世界有数の地震国・日本には、それこそ無数といえるほど「活断層」があります。これまでは破砕層があっても「活断層」かどうかわからないとされてきたこともありましたが、東日本大震災の後、これまで「活断層」ではないといわれた断層も動いたことが明らかになり、全国の原発でも見直しが進んでいます。
40年以上前に1号機が稼働した日本でもっとも古い原発のひとつである敦賀原発の場合も、1、2号機から約200メートルしかない浦底断層の「活断層」としての危険性が以前から指摘されていました。今回の専門家チームの結論は、浦底断層から何本も枝分かれした断層のうち2号機の真下を走るD―1破砕帯について「活断層」の可能性が高いと認めたものです」
「そもそもアメリカならこのような地域での原発建設は認められない。調査事実にもとづき専門家が判断すれば、おのずと結論がみえてきます。むしろ、建設当時が、技術水準の未熟さ、原発推進の立場での都合のいい分析結果がだされてきた」と反対討論をおこないました。
反対は私と無所属の細川議員の二人だけで、ほかの会派は賛成し、意見書は可決されました。自民党席からはたびたび野次がとびました。
一方、傍聴席からも「異議あり!」の声がだされました。
★
12月議会に提案された議案、請願処理についての反対討論、賛成討論は以下のとおりです。
■日本共産党の佐藤正雄です。総選挙はお疲れ様でした。
第75号議案 福井県一般職の職員等の給与に関する条例の一部改正については、約4分の3相当の県職員について勤務成績を理由に昇給停止とするものであり反対です。
これはすでに昇進昇級がない年齢の職員への影響よりも、いわゆるこれから55歳になっていく中堅職員への影響が大きいものであり、公務職場に差別を持ち込み、結果として職員の給与削減につながり、また職場集団のまとまりを阻害し、かつ仕事への意欲を減退させかねないものであります。
第77号議案 国民健康保険法に基づく県調整交付金の交付に関する条例の一部改正については国保運用の改悪につながるものであり反対です。
この2号交付金については、2006年の創設の際にも反対いたしましたが、この内容は国民健康保険税を増税したら交付金をふやす。住民の医療を抑えたら交付金をふやすというものです。悪しき成果主義であり、現在でも保険証取り上げにより無保険者が増大している国民健康保険の環境をさらに悪くし、県民に悪影響を及ぼす危険が増大します。このような内容の交付金の拡大であり問題です。
第78号議案 福井県立恐竜博物館の設置および管理に関する条例の一部改正については、観覧料を500円から700円に、年間パスを1500円から2000円に、団体を400円から600円に大幅に値上げするものであり反対です。
高価な化石を展示するからといって特別企画展などの料金設定は柔軟におこなう裁量がありながら、普段の入館者の料金を大幅に値上げするのは本来の博物館事業の趣旨に照らしても邪道であります。
私の連れ合いもファンであり年間パスを買ったそうですが、県民の税金で支えられている博物館であり、せめて福井県民の観覧料については据え置くなどの措置を講じるべきであります。
第107号議案 福井県都市公園条例の一部改正については、県が設置した公園の管理運営を事実上当該自治体に丸投げするご都合主義の条例であり、かつ、多目的グランドについても有料化するなど県民の利用者負担を増やすものであり、反対です。
これまでも市町からは、県はつくるだけつくって、後は市町に押し付けてくる、との嘆きをお聞きしていますが、市町の財政なども大変であり、このような手法は見直しが必要です。
第113号議案 河内川ダム建設工事請負契約の締結については、これまでも繰り返し反対討論してきていますが、地元住民からも不要論の根強い大型公共事業であり反対であります。
つぎに請願処理についての委員長報告に反対いたします。
請願第22号 生活保護基準の引き下げをしないことなどを国に求める意見書提出に関する請願は、「政府は、生活保護費を削減しようとしているが、国民生活の最低保障基準の土台をなす生活保護制度を国が責任をもって保障すべき」と求めるものであり採択すべきです。いまでも先進国のなかでは貧しい制度を、さらに引き下げることは生活保護受給者にとっては死活問題です。
あわせて、生保の引き下げは国民生活全体に大変な影響をおよぼします。たとえば、最低賃金は生活保護を下回らないようにすることを法律で定めています。基準額の引き下げは、最低賃金アップにブレーキをかけ、さらに引き下げにもつながりかねません。住民税の非課税限度額とも連動しているため、基準額が下がれば、いままで無税だった低所得の人にも税金がかかります。保育料、国民健康保険、介護保険の負担も増加する人が生まれます。就学援助を打ち切られ、多くの子育て世帯を直撃します。
国民が貧困状態に転落しない「防波堤」としての機能を果たしている基準額を引き下げることは、生活困窮状態に国民を投げ込む暴挙にほかなりません。
経済界や官僚いいなりで消費税増税と社会保障改悪につきすすむ国に対して、県民生活の実態をふまえて地方から反撃しなくてはなりません。それが地方議会の使命ではないでしょうか。採択をもとめるものです。
請願第23号 妊婦検診とヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん予防3ワクチン接種への2012年度と同水準の公費助成を国に求める意見書提出に関する請願は、「妊婦検診も3ワクチン接種も2013年度から一般財源化されれば、財政力の弱い自治体では公費助成や公費接種事業が後退しかねない」として今年度水準の継続を求めるものであり、なぜ不採択とするのか、まったく県民の願いに背くものであります。
県が作成した説明資料でも、「妊婦検診に対する財源措置について、来年度以降も国の財政支援が必要である」「全国一律に予防接種が推進されるよう、国による財政支援が必要」と指摘しています。採択を求めるものであります。
なお、第81号から第109号議案は地域主権一括法関連であります。
これは、「地域主権」と称して地方自治と行政サービスを拡充するかのように見せながら、国の責任を投げ捨て、公共サービスを後退させかねないものです。
国が基準を定めているのは、憲法に基づいてナショナルミニマムをすべての国民に保障するためです。
しかも、国の基準をなくして地方まかせにすれば、国が財源保障の責任を果たすために地方に出している国庫負担金の削減にもつながり、公共サービスの向上どころか地域格差をさらに広げることになりかねないことを指摘しておきます。
以上申し上げまして、反対ならびに賛成討論を終わります。
ところが「自民党が意見書をだすことになったので少し遅れます」と・・・。
だされてきたものは「信頼のもてる原子力規制行政の遂行を強く求める意見書案」。午後2時開会予定の本会議が2時間以上遅れて開会しました。
内容は、敦賀原発2号機などで直下の破砕帯を活断層の可能性が高い、と指摘した調査などについて「少人数の専門家が、事業者と十分な議論をすることなく、短期間の現地調査をもとにした独自の見解のみで判断がなされている」と批判、「原子力行政については原子力規制委員会が行う技術的な観点からだけでなく、立地地域の意見を十分に反映」するよう求めています。
総選挙での自民党「圧勝」をうけて、地方からも原発再稼働への圧力をつよめるものにほかなりません。
私は「活断層か否かの純粋な学術調査の議論に、『立地地域の意見』で左右される余地は本来ない」
「私は原子力発電・防災対策特別委員会でも確認しましたが、国が原発建設にあたって示している手引では、建屋など原発の重要施設は「活断層」の上につくることはできません。「活断層」が動けば重要施設が破壊され、取り返しのつかない原発事故を引き起こす可能性が高いからです。
世界有数の地震国・日本には、それこそ無数といえるほど「活断層」があります。これまでは破砕層があっても「活断層」かどうかわからないとされてきたこともありましたが、東日本大震災の後、これまで「活断層」ではないといわれた断層も動いたことが明らかになり、全国の原発でも見直しが進んでいます。
40年以上前に1号機が稼働した日本でもっとも古い原発のひとつである敦賀原発の場合も、1、2号機から約200メートルしかない浦底断層の「活断層」としての危険性が以前から指摘されていました。今回の専門家チームの結論は、浦底断層から何本も枝分かれした断層のうち2号機の真下を走るD―1破砕帯について「活断層」の可能性が高いと認めたものです」
「そもそもアメリカならこのような地域での原発建設は認められない。調査事実にもとづき専門家が判断すれば、おのずと結論がみえてきます。むしろ、建設当時が、技術水準の未熟さ、原発推進の立場での都合のいい分析結果がだされてきた」と反対討論をおこないました。
反対は私と無所属の細川議員の二人だけで、ほかの会派は賛成し、意見書は可決されました。自民党席からはたびたび野次がとびました。
一方、傍聴席からも「異議あり!」の声がだされました。
★
12月議会に提案された議案、請願処理についての反対討論、賛成討論は以下のとおりです。
■日本共産党の佐藤正雄です。総選挙はお疲れ様でした。
第75号議案 福井県一般職の職員等の給与に関する条例の一部改正については、約4分の3相当の県職員について勤務成績を理由に昇給停止とするものであり反対です。
これはすでに昇進昇級がない年齢の職員への影響よりも、いわゆるこれから55歳になっていく中堅職員への影響が大きいものであり、公務職場に差別を持ち込み、結果として職員の給与削減につながり、また職場集団のまとまりを阻害し、かつ仕事への意欲を減退させかねないものであります。
第77号議案 国民健康保険法に基づく県調整交付金の交付に関する条例の一部改正については国保運用の改悪につながるものであり反対です。
この2号交付金については、2006年の創設の際にも反対いたしましたが、この内容は国民健康保険税を増税したら交付金をふやす。住民の医療を抑えたら交付金をふやすというものです。悪しき成果主義であり、現在でも保険証取り上げにより無保険者が増大している国民健康保険の環境をさらに悪くし、県民に悪影響を及ぼす危険が増大します。このような内容の交付金の拡大であり問題です。
第78号議案 福井県立恐竜博物館の設置および管理に関する条例の一部改正については、観覧料を500円から700円に、年間パスを1500円から2000円に、団体を400円から600円に大幅に値上げするものであり反対です。
高価な化石を展示するからといって特別企画展などの料金設定は柔軟におこなう裁量がありながら、普段の入館者の料金を大幅に値上げするのは本来の博物館事業の趣旨に照らしても邪道であります。
私の連れ合いもファンであり年間パスを買ったそうですが、県民の税金で支えられている博物館であり、せめて福井県民の観覧料については据え置くなどの措置を講じるべきであります。
第107号議案 福井県都市公園条例の一部改正については、県が設置した公園の管理運営を事実上当該自治体に丸投げするご都合主義の条例であり、かつ、多目的グランドについても有料化するなど県民の利用者負担を増やすものであり、反対です。
これまでも市町からは、県はつくるだけつくって、後は市町に押し付けてくる、との嘆きをお聞きしていますが、市町の財政なども大変であり、このような手法は見直しが必要です。
第113号議案 河内川ダム建設工事請負契約の締結については、これまでも繰り返し反対討論してきていますが、地元住民からも不要論の根強い大型公共事業であり反対であります。
つぎに請願処理についての委員長報告に反対いたします。
請願第22号 生活保護基準の引き下げをしないことなどを国に求める意見書提出に関する請願は、「政府は、生活保護費を削減しようとしているが、国民生活の最低保障基準の土台をなす生活保護制度を国が責任をもって保障すべき」と求めるものであり採択すべきです。いまでも先進国のなかでは貧しい制度を、さらに引き下げることは生活保護受給者にとっては死活問題です。
あわせて、生保の引き下げは国民生活全体に大変な影響をおよぼします。たとえば、最低賃金は生活保護を下回らないようにすることを法律で定めています。基準額の引き下げは、最低賃金アップにブレーキをかけ、さらに引き下げにもつながりかねません。住民税の非課税限度額とも連動しているため、基準額が下がれば、いままで無税だった低所得の人にも税金がかかります。保育料、国民健康保険、介護保険の負担も増加する人が生まれます。就学援助を打ち切られ、多くの子育て世帯を直撃します。
国民が貧困状態に転落しない「防波堤」としての機能を果たしている基準額を引き下げることは、生活困窮状態に国民を投げ込む暴挙にほかなりません。
経済界や官僚いいなりで消費税増税と社会保障改悪につきすすむ国に対して、県民生活の実態をふまえて地方から反撃しなくてはなりません。それが地方議会の使命ではないでしょうか。採択をもとめるものです。
請願第23号 妊婦検診とヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸がん予防3ワクチン接種への2012年度と同水準の公費助成を国に求める意見書提出に関する請願は、「妊婦検診も3ワクチン接種も2013年度から一般財源化されれば、財政力の弱い自治体では公費助成や公費接種事業が後退しかねない」として今年度水準の継続を求めるものであり、なぜ不採択とするのか、まったく県民の願いに背くものであります。
県が作成した説明資料でも、「妊婦検診に対する財源措置について、来年度以降も国の財政支援が必要である」「全国一律に予防接種が推進されるよう、国による財政支援が必要」と指摘しています。採択を求めるものであります。
なお、第81号から第109号議案は地域主権一括法関連であります。
これは、「地域主権」と称して地方自治と行政サービスを拡充するかのように見せながら、国の責任を投げ捨て、公共サービスを後退させかねないものです。
国が基準を定めているのは、憲法に基づいてナショナルミニマムをすべての国民に保障するためです。
しかも、国の基準をなくして地方まかせにすれば、国が財源保障の責任を果たすために地方に出している国庫負担金の削減にもつながり、公共サービスの向上どころか地域格差をさらに広げることになりかねないことを指摘しておきます。
以上申し上げまして、反対ならびに賛成討論を終わります。