2012.12.10 : 平成24年総務教育常任委員会
さとう正雄県議の総務、総合政策部関係の質疑を紹介します。
■職員給与削減議案など
◯佐藤委員 第114号議案「平成25年当せん金付証票の発売について」は、県庁職員へ購入の割り当てをするのか。
◯財務企画課長 割り当てなどはしていない。みずほ銀行が宝くじの販売などの取り扱いをしていて、県庁の県民ホールで宝くじの女神が販売したり、県庁地下3階の生協売店で販売しているので、割り当てではなく、職員の自由意思に基づいて購入いただいている状況である。
◯佐藤委員 各課に通知を回したりするなどは、していないということか。
◯財務企画課長 通知ではなく、購入希望する職員がいれば、所属でまとめて買っていただくという形で紹介している。
◯佐藤委員 県庁職員で幾らぐらい買っているのか。
◯財務企画課長 特に強制しているわけではないので、金額まで集計していない。
◯佐藤委員 給与やボーナスがなかなか苦しいときに、宝くじまで買えという形にならないようにお願いしたいと思う。
もう一つは、第75号議案「福井県一般職の職員等の給与に関する条例の一部改正について」が適用される職員は、勤務成績が特に良好な職員を除くというのは、県庁職員で何%、警察職員で何%、教職員で何%というようになるのか。
◯企画幹(行政改革) 県庁職員、警察職員、教職員いずれも、約25%の職員で、勤務成績が優秀という分類に入っている。
◯佐藤委員 そうすると、25%が特に除かれて、あとは昇給停止となっていくわけであるが、影響が出てくるのはどのぐらいからか、職員の年代で見ると、どの程度から大きな影響が出てくる予測をしているか。
◯企画幹(行政改革) 今回の場合は、55歳以上の昇給停止ということである。
◯佐藤委員 給与表から見ると、40代あたりの職員から特に影響が顕著になってくると、人事評価で25%は昇給する、あとの75%は昇給しないというような、職場に格差を持ち込むやり方は、人事管理上で有効なのか。
◯企画幹(行政改革) 今回の場合は、特に若手層のところで、今、昇給の仕方を変えようとしているわけではなく、55歳以上のところが官民の格差があるという点から、55歳以上のところを通常の標準の場合には昇給しないということで、55歳以上が抑え込まれるというだけで、若手のところが影響があるという意味ではない。
◯佐藤委員 格差がこういう形で持ち込まれることが職員の士気に影響しないのか。
◯企画幹(行政改革) あくまで人事委員会の勧告ということで、当然、官民格差ということで今までも人事委員会の勧告を最大限尊重してきた。委員が言われるように、職員のモチベーションでは、人事評価をしっかりやっていく中で、特に高齢層のところは官民格差で我慢していただくために、人事評価の結果、特に優秀な職員については昇給する余地を残しているということである。
◯佐藤委員 我慢と言うが、俗っぽく言うと、福井県で採用される職員は、例えば大手のスーパーゼネコンなど、大企業と比較すると、若いときはみんな我慢をしていた。入社したときには随分、民間会社の大企業のほうが給料はさらに高いわけである。今、だんだんと公務員給与が下がってきて、今度はこういう給与体系になると、トータルで考えるといかがなものかと思うので、こういう措置は慎重にやっていただきたいので、この議案には賛成できない。
■国体、馬術競技
◯佐藤委員 馬術競技について伺う。実際には、県内にも馬場があるが、その場所は使えないので、県外での開催を導入したいということで、馬術連盟が県の説明に対して、どういう点で納得していないのか。それから、県としてはこういう方向になるということについては、繰り返し議会で答弁しているのでわかるが、その辺をもう少し詳しくお聞きしたい。
◯企画幹(新国体) 県の馬術連盟とはいろいろ話をしていて、経費的には県外開催で実施するような費用では、県内での開催は難しいということは御理解いただいていると思う。ただ、運営について、会場が県外になると果たしてうまく運営できるのだろうかという疑問はある。
◯佐藤委員 その運営について疑問があるとのことだが、県ではどのように案を示しているのか。
◯企画幹(新国体) 県外での運営については、いずれにしても北信越地区の役員等にはお願いしなくてはいけないし、県外開催ということになると、福井県開催の前の和歌山県、愛媛県が兵庫県での開催を想定していて、そうなれば、3県の三者合同で、獣医師や人の派遣等も連携してできることも提案している。
◯佐藤委員 三者合同で同じ会場を使うことも含めて、その設備の改修、補強、準備も、相互に出し合って使うということも含めて、競技に臨んでいるのか。
◯企画幹(新国体) まだ決定ではないが、3つの県が同じところで使うとなると、それは今後の話し合いによるが、物によっては共通でできる部分もあるだろうし、また、人の派遣では協力してできると考えている。
■私立高校の就学支援金制度事務、職員の退職金削減問題
◯佐藤委員 私立高校の就学支援金制度について、具体的な事務手続はどうか。
◯大学・私学振興課長 就学支援金制度は国の制度であって、高校の授業料無償化により法律が変わって、私立高校については授業料を取っているから、年額11万8,800円で公立高校と同額を県経由で給付させるといった制度設計になっている。
◯佐藤委員 実際の利用者からは、事務が現場でお聞きすると非常に煩雑だという声がある。要するに、4月に書類を提出して、6月に住民税の額が確定した時点で再度出さないといけない。しかも、親だけではなく、同居の祖父、祖母の所得も含めて、世帯収入全部を提出する必要があるなど、物すごく煩雑になっているとお聞きしている。私立高校の事務員が少ない中で、事務がふえて煩雑になったので、もっと簡略化できないかとの要望を聞いているが、何か具体的な改善方法はあるのか。
◯大学・私学振興課長 就学支援金制度は国の制度であるので、国の要望の中に事務の簡素化については、各県同様にお願いしている。
それから、先ほどの所得制限については、従来は、委員が言われたように、祖父母まで全体の所得レベルで見ていたわけだが、最近になって制度が改正され、保護者だけの家族状況だけに簡素化された。また、最初に導入された段階では、初めて導入された制度であったのでなれていなくて大変だったと思うが、現在は3年目を迎えているので、以前よりは事務的になれて、経験されスムーズになったかと思う。
◯佐藤委員 なれてきたということはあるかもしれないが、毎年新入生が来るし、事務量が減るわけではないであろう。
◯大学・私学振興課長 初年度は1年生だけではなくて、1年、2年、3年全体の管理であって、基本的には、3年生が卒業すれば新入生がふえるだけである。だから、初年時には、最初の制度だったので、かなり事務方も混乱されたかと思うが、県でも国の制度設計について説明会を何回も実施した上で、所得情報についても、県から各市町へお願いして、一括して教育庁に出すようにいった軽減措置も行っている。
◯佐藤委員 現場では多少の事務費が来るらしいが、実際の仕事量には全く合わないとお聞きしている。国のほうへ事務改善を強く要望していただきたいと思う。
もう1点、国家公務員の退職金削減について、国が地方も右へ倣えと通知を出したという新聞報道があったが、県ではどのように対応するのか。
◯企画幹(行政改革) 今、具体的には通知という形ではないが、言われるとおり、国家公務員は退職給与の官民格差があるということで、今県で情報としてつかんでいるところでは、3カ年にわたって段階的に減額していくと聞いている。それで、基本的に国準拠という原則のもとに、どういう考え方をしていくかを今後整理していかなければならない段階である。
◯佐藤委員 念のために言っておくが、何でもかんでも国準拠の対応は駄目である。福井県には県の考え方があるし、県庁職員や教職員は仕事をしてきているわけであるから、国の乱暴な退職金の処理については、地方にとって影響が一層大きいので、駄目な制度であると言っておくので、人事委員会にもその旨をよく伝えていただきたい。
■新幹線問題
◯佐藤委員 まず、中池見湿地付近のルート問題の関連で、部長は専門家の助言を受けて改めて環境調査を実施すると答弁された。これは鉄道・運輸機構が実施するが、要するに、環境影響評価法に基づいてきちんとやるということか。
◯総合政策部長 専門家を交えた環境影響評価法による評価を改めてやるとは聞いていない。
◯佐藤委員 県は当然、工事をしてもいいと許可を知事が出すことになると思うが、県はどういう態度で鉄道・運輸機構に対して会議を開いたのか、御存じであるか。
◯総合政策部長 許認可事務については、安全環境部の自然環境課が担当しているので、総合政策部からはお答えできないが、我々としては、先ほど申し上げたとおり、調査結果を見ての鉄道・運輸機構の判断を尊重していきたいと考えている。
◯佐藤委員 問題が後で起こる可能性があると思う。というのは、先日も新聞報道された、自然保護協会が県と鉄道・運輸機構に対して申し入れをして、非常に問題が起こり得るのでルート変更をしてほしい。これは新幹線に関して反対している団体ではないので、ルートを変更してほしいというだけの話である。ちょうどこの路線の建設が予定されている地区には、絶滅危惧種が10種あり、希少種が集中しており、全国的にもヘイケボタルが多く見られるなど、中池見湿地全体から見ても、生物多様性の保全上、大変重要なことだと言っている。
だから、そういうことを専門家の集団がわざわざ指摘しているのに、県として鉄道・運輸機構に丸投げしているのはまずいのではないか。県として乗り出して、新幹線をきちんと進めるにしても、ルート変更を求める等が必要になるのではないか。
◯総合政策部長 先日、自然環境団体が県にお見えになったのは、自然環境課にお見えになったわけであって、新幹線建設推進課に来たわけではない。あくまでも、このルート問題については鉄道・運輸機構が判断を下すものであるので、県としてこの点について申し述べることはないので、県としては鉄道・運輸機構の判断を尊重させていただくのみである。
◯佐藤委員 そういう答弁では全く納得いかない。安全環境部の自然環境課に来たから、総合政策部では知らない、ルート問題は鉄道・運輸機構がやるから県は知らない。そういう理屈が通用するのか。これでは敦賀市が納得しないと思う。石川委員もさっき言われたとおりである。全く無責任な答弁である。
◯総合政策部長 もちろん、鉄道・運輸機構を通して我々は話を伺っているし、その点については鉄道・運輸機構とも十分相談させていただくが、新幹線のルート問題について県が矢面になって、ルートを決定するような権限はないので、あくまでこのルートについては、鉄道・運輸機構が自然環境団体へも申し入れされているし、自然環境の手続については県の自然環境課へお見えになっているということである。
◯佐藤委員 要するに、県も関係して、一所懸命やって、ラムサール条約にも登録された湿地を破壊するとなったら、ある意味では、世界的にも貴重な湿地帯となったものをわざわざ破壊することを知事がゴーサインを出したということになり、県の責任になる。鉄道・運輸機構を責めるわけではなくて、県が責められるわけである。
◯総合政策部長 委員から破壊するという言葉が出たのは、非常に心外である。破壊しないような工法について、鉄道・運輸機構が検討しているものと理解している。
◯佐藤委員 だから、危ないところは通さずに、やるにしても、危ないところを外したらどうだと、団体は求めている。その程度は県が積極的に関与したらどうか。
◯総合政策部長 県にルートを動かす権利はないので、あくまで鉄道・運輸機構と十分相談しながら、窓口としては鉄道・運輸機構に対応をお願いしている。
◯仲倉委員長 佐藤委員に申し上げるが、理事者側の答弁がこれ以上ないようであるので、これ以上質問される場合には、違う角度からの質問を願いたい。
◯佐藤委員 県には、ルート問題についての誠意ある対応を要望しておく。
では、質問を変えて、新幹線の福井県の地方負担額については、JR貸付料を考慮すると約1,800億円、交付税措置後の実質負担額が800億円になるという説明があった。正確な数字はいろいろと変動するかもしれないが、貸付料は年間426億円と聞いたりもしている。このキロ数と密度によって、いろいろと幅があるが、福井県内の区間での貸付料は幾らを見込んでいるのか。
◯新幹線建設推進課長 今、部長から説明があったとおりで、貸付料を見込んだ金額は2,300億円、全体に占めるウエートとしては全体事業費の約30%と見込んでいる。
◯佐藤委員 貸付料で2,300億円というのは、初歩的な質問であるが、何年間で2,300億円という意味か。
◯新幹線建設推進課長 北陸新幹線の金沢-敦賀間の完成時期は平成37年度で、工期14年、それにプラス2年で残工事が行われているので、16年と算定している。
◯佐藤委員 16年間で2,300億円という試算ということは、年額にすると全国で年間四百数十億円と聞いているが、配分が多くなるということか。
◯新幹線建設推進課長 昨年末に、政府・与党の確認事項の中で、札幌開業までの区間で、今後新規着工に必要な事業費は3兆1,000億円、そのうち貸付料が9,900億円と約32%程度と示されているが、県では30%前後であると考えている。
それから、言われるとおり、現在、貸付料は426億円である。当然、その後の金沢開業、函館開業が続いて、その相当分の貸付料を見込んでいると国から聞いている。
◯佐藤委員 その仕組みはわかった。いずれにしても、800億円の負担にしても相当な負担額であるので、県民負担を考えると、新幹線建設については、この時期にはふさわしくないので、問題であると考えている。
それから、最近、東日本大震災の東北地域で地震が繰り返し起こっているので質問する。新幹線は当然、地震対策は万全でやられていることをわかった上であえて聞く。県内でも液状化する危険地域は、それぞれの自治体によって調べられていると聞いている。例えば、南越駅のあたりも非常に危険な地域だと聞いているが、そもそも事業費は、危険地域を特別に磐石にする工法等を含めた積算をしているものなのか、それとも液状化危険地域であろうとなかろうかと、画一的に試算した建設費用なのか。
◯新幹線建設推進課長 言われるとおり、越前市あたりでは液状化という話が地元説明会でも議論されている。これまで、認可する前に高度化事業ということで、事前に鉄道・運輸機構では調査済みであり、そういった地盤に合わせた耐震設計等をきちんと計算した上で、全体を設計しているとお聞きしている。
■電気事業連合会の原子力緊急事態支援機関
◯佐藤委員 電気事業連合会の原子力緊急事態支援機関は、具体的にはどういう内容になるのか。どこが、電気事業連合会という民間団体がつくって、職員を派遣して、これだけの内容ができるのかというイメージになるのか。どこが責任を持ってつくって運営するのか、どれぐらいのスタッフ数であるのか、イメージがよくわからない。
◯電源地域振興課長 原子力緊急事態支援機関については、平成27年度に福井県に設置する予定で、電気事業連合会が整備構想を策定しているところである。実際の運営となると、法人格を持った企業が運営することになるので、現時点ではまだどの法人が運営するかは決まっていない。もしかすると、新たな法人がつくられ、そこが運営していくことになるかもしれないが、現時点ではまだ確定していない状況である。
それから、日本原子力発電がロボットを購入し、自分の会社の職員を中心とした、各電力会社から派遣される8名のスタッフのもとに、平成27年度までは暫定的に進めていく。平成27年度に整備された後には、電気事業者から派遣されて構成される20名が中心となって、常時、その機関にいるようになる予定である。それとあわせて、全国の各発電所サイトにも約6名ずつ実動部隊を設け、その方もこのレスキュー機関で訓練を受け、事故や災害があった場合には、この支援機関と一緒に、その災害のあった発電所の6名も一緒になって、その業務に携わる形である。
◯佐藤委員 かなり大規模な話になるが、新たな法人をつくるという話があったが、今、敦賀原発3、4号機の建設のめどがなかなか立たない。また、敦賀原発1号機は老朽化しているし、敦賀2号機は活断層で問題になると、日本原子力発電株式会社の福井県での存在理由が問われてくる状況になっているのは間違いない。スタッフも社員もいるので、その原子力施設がある以上、いろいろな事態に対応することは必要であるので、日本原子力発電株式会社が防災対策等の事業を展開することは可能なのか。
◯電源地域振興課長 現時点では、日本原子力発電株式会社が暫定的に運営するということだが、今後の会社の運営あるいは状況を見て、電気事業連合会が今後の運営についても検討して、またそれに対応していくものと考えている。
◯佐藤委員 日本原子力発電株式会社に定款があるので、原子力発電の業務しかできないとは思うが、そういう定款が変更されれば、防災対策の業務もできるようになっていくと思う。従事している人の雇用が維持されることも含め、有力な選択肢の一つではないかと思うので、原子力施設の防災対策については積極的に検討していただきたいと要望しておく。
さとう正雄県議の総務、総合政策部関係の質疑を紹介します。
■職員給与削減議案など
◯佐藤委員 第114号議案「平成25年当せん金付証票の発売について」は、県庁職員へ購入の割り当てをするのか。
◯財務企画課長 割り当てなどはしていない。みずほ銀行が宝くじの販売などの取り扱いをしていて、県庁の県民ホールで宝くじの女神が販売したり、県庁地下3階の生協売店で販売しているので、割り当てではなく、職員の自由意思に基づいて購入いただいている状況である。
◯佐藤委員 各課に通知を回したりするなどは、していないということか。
◯財務企画課長 通知ではなく、購入希望する職員がいれば、所属でまとめて買っていただくという形で紹介している。
◯佐藤委員 県庁職員で幾らぐらい買っているのか。
◯財務企画課長 特に強制しているわけではないので、金額まで集計していない。
◯佐藤委員 給与やボーナスがなかなか苦しいときに、宝くじまで買えという形にならないようにお願いしたいと思う。
もう一つは、第75号議案「福井県一般職の職員等の給与に関する条例の一部改正について」が適用される職員は、勤務成績が特に良好な職員を除くというのは、県庁職員で何%、警察職員で何%、教職員で何%というようになるのか。
◯企画幹(行政改革) 県庁職員、警察職員、教職員いずれも、約25%の職員で、勤務成績が優秀という分類に入っている。
◯佐藤委員 そうすると、25%が特に除かれて、あとは昇給停止となっていくわけであるが、影響が出てくるのはどのぐらいからか、職員の年代で見ると、どの程度から大きな影響が出てくる予測をしているか。
◯企画幹(行政改革) 今回の場合は、55歳以上の昇給停止ということである。
◯佐藤委員 給与表から見ると、40代あたりの職員から特に影響が顕著になってくると、人事評価で25%は昇給する、あとの75%は昇給しないというような、職場に格差を持ち込むやり方は、人事管理上で有効なのか。
◯企画幹(行政改革) 今回の場合は、特に若手層のところで、今、昇給の仕方を変えようとしているわけではなく、55歳以上のところが官民の格差があるという点から、55歳以上のところを通常の標準の場合には昇給しないということで、55歳以上が抑え込まれるというだけで、若手のところが影響があるという意味ではない。
◯佐藤委員 格差がこういう形で持ち込まれることが職員の士気に影響しないのか。
◯企画幹(行政改革) あくまで人事委員会の勧告ということで、当然、官民格差ということで今までも人事委員会の勧告を最大限尊重してきた。委員が言われるように、職員のモチベーションでは、人事評価をしっかりやっていく中で、特に高齢層のところは官民格差で我慢していただくために、人事評価の結果、特に優秀な職員については昇給する余地を残しているということである。
◯佐藤委員 我慢と言うが、俗っぽく言うと、福井県で採用される職員は、例えば大手のスーパーゼネコンなど、大企業と比較すると、若いときはみんな我慢をしていた。入社したときには随分、民間会社の大企業のほうが給料はさらに高いわけである。今、だんだんと公務員給与が下がってきて、今度はこういう給与体系になると、トータルで考えるといかがなものかと思うので、こういう措置は慎重にやっていただきたいので、この議案には賛成できない。
■国体、馬術競技
◯佐藤委員 馬術競技について伺う。実際には、県内にも馬場があるが、その場所は使えないので、県外での開催を導入したいということで、馬術連盟が県の説明に対して、どういう点で納得していないのか。それから、県としてはこういう方向になるということについては、繰り返し議会で答弁しているのでわかるが、その辺をもう少し詳しくお聞きしたい。
◯企画幹(新国体) 県の馬術連盟とはいろいろ話をしていて、経費的には県外開催で実施するような費用では、県内での開催は難しいということは御理解いただいていると思う。ただ、運営について、会場が県外になると果たしてうまく運営できるのだろうかという疑問はある。
◯佐藤委員 その運営について疑問があるとのことだが、県ではどのように案を示しているのか。
◯企画幹(新国体) 県外での運営については、いずれにしても北信越地区の役員等にはお願いしなくてはいけないし、県外開催ということになると、福井県開催の前の和歌山県、愛媛県が兵庫県での開催を想定していて、そうなれば、3県の三者合同で、獣医師や人の派遣等も連携してできることも提案している。
◯佐藤委員 三者合同で同じ会場を使うことも含めて、その設備の改修、補強、準備も、相互に出し合って使うということも含めて、競技に臨んでいるのか。
◯企画幹(新国体) まだ決定ではないが、3つの県が同じところで使うとなると、それは今後の話し合いによるが、物によっては共通でできる部分もあるだろうし、また、人の派遣では協力してできると考えている。
■私立高校の就学支援金制度事務、職員の退職金削減問題
◯佐藤委員 私立高校の就学支援金制度について、具体的な事務手続はどうか。
◯大学・私学振興課長 就学支援金制度は国の制度であって、高校の授業料無償化により法律が変わって、私立高校については授業料を取っているから、年額11万8,800円で公立高校と同額を県経由で給付させるといった制度設計になっている。
◯佐藤委員 実際の利用者からは、事務が現場でお聞きすると非常に煩雑だという声がある。要するに、4月に書類を提出して、6月に住民税の額が確定した時点で再度出さないといけない。しかも、親だけではなく、同居の祖父、祖母の所得も含めて、世帯収入全部を提出する必要があるなど、物すごく煩雑になっているとお聞きしている。私立高校の事務員が少ない中で、事務がふえて煩雑になったので、もっと簡略化できないかとの要望を聞いているが、何か具体的な改善方法はあるのか。
◯大学・私学振興課長 就学支援金制度は国の制度であるので、国の要望の中に事務の簡素化については、各県同様にお願いしている。
それから、先ほどの所得制限については、従来は、委員が言われたように、祖父母まで全体の所得レベルで見ていたわけだが、最近になって制度が改正され、保護者だけの家族状況だけに簡素化された。また、最初に導入された段階では、初めて導入された制度であったのでなれていなくて大変だったと思うが、現在は3年目を迎えているので、以前よりは事務的になれて、経験されスムーズになったかと思う。
◯佐藤委員 なれてきたということはあるかもしれないが、毎年新入生が来るし、事務量が減るわけではないであろう。
◯大学・私学振興課長 初年度は1年生だけではなくて、1年、2年、3年全体の管理であって、基本的には、3年生が卒業すれば新入生がふえるだけである。だから、初年時には、最初の制度だったので、かなり事務方も混乱されたかと思うが、県でも国の制度設計について説明会を何回も実施した上で、所得情報についても、県から各市町へお願いして、一括して教育庁に出すようにいった軽減措置も行っている。
◯佐藤委員 現場では多少の事務費が来るらしいが、実際の仕事量には全く合わないとお聞きしている。国のほうへ事務改善を強く要望していただきたいと思う。
もう1点、国家公務員の退職金削減について、国が地方も右へ倣えと通知を出したという新聞報道があったが、県ではどのように対応するのか。
◯企画幹(行政改革) 今、具体的には通知という形ではないが、言われるとおり、国家公務員は退職給与の官民格差があるということで、今県で情報としてつかんでいるところでは、3カ年にわたって段階的に減額していくと聞いている。それで、基本的に国準拠という原則のもとに、どういう考え方をしていくかを今後整理していかなければならない段階である。
◯佐藤委員 念のために言っておくが、何でもかんでも国準拠の対応は駄目である。福井県には県の考え方があるし、県庁職員や教職員は仕事をしてきているわけであるから、国の乱暴な退職金の処理については、地方にとって影響が一層大きいので、駄目な制度であると言っておくので、人事委員会にもその旨をよく伝えていただきたい。
■新幹線問題
◯佐藤委員 まず、中池見湿地付近のルート問題の関連で、部長は専門家の助言を受けて改めて環境調査を実施すると答弁された。これは鉄道・運輸機構が実施するが、要するに、環境影響評価法に基づいてきちんとやるということか。
◯総合政策部長 専門家を交えた環境影響評価法による評価を改めてやるとは聞いていない。
◯佐藤委員 県は当然、工事をしてもいいと許可を知事が出すことになると思うが、県はどういう態度で鉄道・運輸機構に対して会議を開いたのか、御存じであるか。
◯総合政策部長 許認可事務については、安全環境部の自然環境課が担当しているので、総合政策部からはお答えできないが、我々としては、先ほど申し上げたとおり、調査結果を見ての鉄道・運輸機構の判断を尊重していきたいと考えている。
◯佐藤委員 問題が後で起こる可能性があると思う。というのは、先日も新聞報道された、自然保護協会が県と鉄道・運輸機構に対して申し入れをして、非常に問題が起こり得るのでルート変更をしてほしい。これは新幹線に関して反対している団体ではないので、ルートを変更してほしいというだけの話である。ちょうどこの路線の建設が予定されている地区には、絶滅危惧種が10種あり、希少種が集中しており、全国的にもヘイケボタルが多く見られるなど、中池見湿地全体から見ても、生物多様性の保全上、大変重要なことだと言っている。
だから、そういうことを専門家の集団がわざわざ指摘しているのに、県として鉄道・運輸機構に丸投げしているのはまずいのではないか。県として乗り出して、新幹線をきちんと進めるにしても、ルート変更を求める等が必要になるのではないか。
◯総合政策部長 先日、自然環境団体が県にお見えになったのは、自然環境課にお見えになったわけであって、新幹線建設推進課に来たわけではない。あくまでも、このルート問題については鉄道・運輸機構が判断を下すものであるので、県としてこの点について申し述べることはないので、県としては鉄道・運輸機構の判断を尊重させていただくのみである。
◯佐藤委員 そういう答弁では全く納得いかない。安全環境部の自然環境課に来たから、総合政策部では知らない、ルート問題は鉄道・運輸機構がやるから県は知らない。そういう理屈が通用するのか。これでは敦賀市が納得しないと思う。石川委員もさっき言われたとおりである。全く無責任な答弁である。
◯総合政策部長 もちろん、鉄道・運輸機構を通して我々は話を伺っているし、その点については鉄道・運輸機構とも十分相談させていただくが、新幹線のルート問題について県が矢面になって、ルートを決定するような権限はないので、あくまでこのルートについては、鉄道・運輸機構が自然環境団体へも申し入れされているし、自然環境の手続については県の自然環境課へお見えになっているということである。
◯佐藤委員 要するに、県も関係して、一所懸命やって、ラムサール条約にも登録された湿地を破壊するとなったら、ある意味では、世界的にも貴重な湿地帯となったものをわざわざ破壊することを知事がゴーサインを出したということになり、県の責任になる。鉄道・運輸機構を責めるわけではなくて、県が責められるわけである。
◯総合政策部長 委員から破壊するという言葉が出たのは、非常に心外である。破壊しないような工法について、鉄道・運輸機構が検討しているものと理解している。
◯佐藤委員 だから、危ないところは通さずに、やるにしても、危ないところを外したらどうだと、団体は求めている。その程度は県が積極的に関与したらどうか。
◯総合政策部長 県にルートを動かす権利はないので、あくまで鉄道・運輸機構と十分相談しながら、窓口としては鉄道・運輸機構に対応をお願いしている。
◯仲倉委員長 佐藤委員に申し上げるが、理事者側の答弁がこれ以上ないようであるので、これ以上質問される場合には、違う角度からの質問を願いたい。
◯佐藤委員 県には、ルート問題についての誠意ある対応を要望しておく。
では、質問を変えて、新幹線の福井県の地方負担額については、JR貸付料を考慮すると約1,800億円、交付税措置後の実質負担額が800億円になるという説明があった。正確な数字はいろいろと変動するかもしれないが、貸付料は年間426億円と聞いたりもしている。このキロ数と密度によって、いろいろと幅があるが、福井県内の区間での貸付料は幾らを見込んでいるのか。
◯新幹線建設推進課長 今、部長から説明があったとおりで、貸付料を見込んだ金額は2,300億円、全体に占めるウエートとしては全体事業費の約30%と見込んでいる。
◯佐藤委員 貸付料で2,300億円というのは、初歩的な質問であるが、何年間で2,300億円という意味か。
◯新幹線建設推進課長 北陸新幹線の金沢-敦賀間の完成時期は平成37年度で、工期14年、それにプラス2年で残工事が行われているので、16年と算定している。
◯佐藤委員 16年間で2,300億円という試算ということは、年額にすると全国で年間四百数十億円と聞いているが、配分が多くなるということか。
◯新幹線建設推進課長 昨年末に、政府・与党の確認事項の中で、札幌開業までの区間で、今後新規着工に必要な事業費は3兆1,000億円、そのうち貸付料が9,900億円と約32%程度と示されているが、県では30%前後であると考えている。
それから、言われるとおり、現在、貸付料は426億円である。当然、その後の金沢開業、函館開業が続いて、その相当分の貸付料を見込んでいると国から聞いている。
◯佐藤委員 その仕組みはわかった。いずれにしても、800億円の負担にしても相当な負担額であるので、県民負担を考えると、新幹線建設については、この時期にはふさわしくないので、問題であると考えている。
それから、最近、東日本大震災の東北地域で地震が繰り返し起こっているので質問する。新幹線は当然、地震対策は万全でやられていることをわかった上であえて聞く。県内でも液状化する危険地域は、それぞれの自治体によって調べられていると聞いている。例えば、南越駅のあたりも非常に危険な地域だと聞いているが、そもそも事業費は、危険地域を特別に磐石にする工法等を含めた積算をしているものなのか、それとも液状化危険地域であろうとなかろうかと、画一的に試算した建設費用なのか。
◯新幹線建設推進課長 言われるとおり、越前市あたりでは液状化という話が地元説明会でも議論されている。これまで、認可する前に高度化事業ということで、事前に鉄道・運輸機構では調査済みであり、そういった地盤に合わせた耐震設計等をきちんと計算した上で、全体を設計しているとお聞きしている。
■電気事業連合会の原子力緊急事態支援機関
◯佐藤委員 電気事業連合会の原子力緊急事態支援機関は、具体的にはどういう内容になるのか。どこが、電気事業連合会という民間団体がつくって、職員を派遣して、これだけの内容ができるのかというイメージになるのか。どこが責任を持ってつくって運営するのか、どれぐらいのスタッフ数であるのか、イメージがよくわからない。
◯電源地域振興課長 原子力緊急事態支援機関については、平成27年度に福井県に設置する予定で、電気事業連合会が整備構想を策定しているところである。実際の運営となると、法人格を持った企業が運営することになるので、現時点ではまだどの法人が運営するかは決まっていない。もしかすると、新たな法人がつくられ、そこが運営していくことになるかもしれないが、現時点ではまだ確定していない状況である。
それから、日本原子力発電がロボットを購入し、自分の会社の職員を中心とした、各電力会社から派遣される8名のスタッフのもとに、平成27年度までは暫定的に進めていく。平成27年度に整備された後には、電気事業者から派遣されて構成される20名が中心となって、常時、その機関にいるようになる予定である。それとあわせて、全国の各発電所サイトにも約6名ずつ実動部隊を設け、その方もこのレスキュー機関で訓練を受け、事故や災害があった場合には、この支援機関と一緒に、その災害のあった発電所の6名も一緒になって、その業務に携わる形である。
◯佐藤委員 かなり大規模な話になるが、新たな法人をつくるという話があったが、今、敦賀原発3、4号機の建設のめどがなかなか立たない。また、敦賀原発1号機は老朽化しているし、敦賀2号機は活断層で問題になると、日本原子力発電株式会社の福井県での存在理由が問われてくる状況になっているのは間違いない。スタッフも社員もいるので、その原子力施設がある以上、いろいろな事態に対応することは必要であるので、日本原子力発電株式会社が防災対策等の事業を展開することは可能なのか。
◯電源地域振興課長 現時点では、日本原子力発電株式会社が暫定的に運営するということだが、今後の会社の運営あるいは状況を見て、電気事業連合会が今後の運営についても検討して、またそれに対応していくものと考えている。
◯佐藤委員 日本原子力発電株式会社に定款があるので、原子力発電の業務しかできないとは思うが、そういう定款が変更されれば、防災対策の業務もできるようになっていくと思う。従事している人の雇用が維持されることも含め、有力な選択肢の一つではないかと思うので、原子力施設の防災対策については積極的に検討していただきたいと要望しておく。