前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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大飯原発再稼動差し止め判決!西川県政と福井県議会はこの判決を重く受け止め、再稼動断念を

2014年05月22日 | Weblog
  昨日は、福井地裁で大飯原発3,4号機運転差し止め訴訟の判決、樋口英明裁判長は冒頭の主文読み上げで「運転してはならない」と述べました。

  200名を超える傍聴希望者があふれるなか、38名の枠をコンピュータで抽選。いっしょに並んでいた、美浜町議の河本さん、宇野党県常任と私の3人ともはずれ、猿橋おおい町議は当選。残念・・・と出ようとした時に、マスコミの方が「当たり券要りませんか」と。ありがたい!

 満員の傍聴席に座り、その時を待ちました。前をみると原告の代理人はたくさん座っていますが、被告・関電側の席は空席です。

 樋口裁判長の主文につづく、判決要旨の朗読を聴きながら、あらゆる点にわたって諄々と原発運転再開を退ける内容に、「これは画期的な判決だ」と体が震える感動でした。
 このような歴史的な判決文を直接法廷で聞くことができた幸運にも感謝です。マスコミの方、ありがとうございました。

 傍聴できなかった支援者は裁判所の外で報告を待ち、主文のあと、「差し止め認める」「司法は生きていた」の2つの垂れ幕が出されると喜び爆発!
 今朝の新聞各紙でも大きく報道されています。共産党の南委員長、藤岡地区委員長、金元書記長、西村市議らの写真が外国紙ふくめて各紙の紙面をかざっています。もちろん赤旗もです。

 判決言い渡しの後は、教育センターでの報告集会。ここも大ホールいっぱいの原告、支援者、マスコミで埋まりました。
交流会では、私や猿橋おおい町議も発言し、ひきつづき再稼動許さないたたかいをがんばろう、と。

 今朝の赤旗には、笠井衆議院議員の談話が発表されています。

「国民の生存権を基礎とする人格権の立場から原発の本質的な危険性を指摘し、関西電力の主張を論破して、大飯原発の運転差し止めを求めています。これは福島事故と3年後の深刻な現実を踏まえ、地元・福井県をはじめ全国各地での粘り強い世論と運動の広がりを反映したものにほかなりません。安倍政権は、今回の判決を真摯かつ重く受け止め、大飯原発はもとより、全国の原発の再稼動を即刻断念すべき」と。

 また、藤野やすふみさんもブログで紹介されていますが、

・関電側が、「原発は電力供給の安定性やコストの低減につながる」と主張した事に対して、判決では、「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題などを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことである」と根本的批判を加えています。

・「原発を動かさないと国富が流出する」という主張についても、「たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これをとり戻すことができなくなることが国富の喪失である」。・・・・・

 このように、国民にわかりやすい論理を展開し、非常に倫理的な判決だと感じました。
そういう点では科学技術論だけに偏らずに、福島事故の現実と苦悩をふまえ、それでもなお原発を推進することの愚かさを説いたものと言えるでしょう。
 それだけに「強い」判決だと感じました。

 関電は控訴するそうですが、企業の社会的責任としてこの判決をかみしめていただきたいと思います。
上級審でもわたしたちはたたかいつづけますが、福島原発事故を招来した責任の一端は歴代の司法判断にもあることを、上級でも自覚していただきたい。

 そしてなにより、福井県庁と福井県議会こそ、この判決を真摯にうけとめなくてはなりません。
民主党政権当時、大飯原発再稼動を推し進めた福井県の責任、そしてそれを私と細川県議の「反対少数」で支えた県議会議員ひとりひとりの責任も問われます。

 このような判決がありながら、大飯、高浜原発の再稼動は当然許されないのです。