前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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新幹線福井延伸考える会が福井県と懇談。原発連絡会が原発推進の国際協力やめよ、と福井県に申し入れ

2014年05月30日 | Weblog
 昨日は、北陸新幹線福井延伸を考える会と福井県庁との懇談会、原発問題住民運動福井県連絡会の県庁申し入れなどでした。

 新幹線問題では、フリーゲージトレインFGTと第三セクター問題で意見交換をおこないました。会側は松原信也、橋川洋氏ら世話人が参加。県側は総合政策部・新幹線建設推進課長の西村利光企画幹らが応対しました。
会側が、「名古屋方面のFGT計画はなく乗り換えが発生するのではないか」「工期短縮では単年度の費用負担が増え財政に影響するのでは」「FGTが開業に間に合わないと利便性が低下するのでは」「現在の北陸線駅から新幹線南越駅までの交通は」「第三セクターでは値上げになるのでは」「北陸線が第三セクター化された後も、災害時などにはJRとの協力が必要では」などの項目について県の考えをただしました。
 県側は「名古屋中京とは1日3700人の利用があり、最善の策を講じるように求める。国の計画では名古屋方面もFGTで計画している」「FGT開発が間に合わなければホームでの乗り換えとなる」「南越の交通手段については事業者、市町と協議する」「運賃値上げは過度にならないようにする」「3セクの災害時のJRとの協力は貴重な提案として検討する」などの回答がありました。

 新幹線は果たして便利になるのか?第三セクターは安心して利用できるのか?・・・根本的なところでの県民への説明が不足したまま、「とにかく新幹線を」と新幹線スピードで県や市町、議会がすすめて、県民が置き去りにされているような気がします。

  
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 また、私も代表委員をつとめる原発問題住民運動福井県連絡会は、西川福井県知事あてに、「大飯原発運転差し止めの福井地裁判決を重く受け止め、大飯原発はもとより、県内すべての原発の再稼働を中止すべき」「国際的な原発推進機関であるIAEAとの関係を深め、世界への原発輸出を担っていくことは「福島原発事故のリスク」を世界に拡散させることにほかならず、ただちにやめよ」と申し入れました。
 連絡会の多田初江、私の両代表委員、林広員事務局長、佐々木民医連事務局長、金元民青県委員長、西村福井市議、山本敦賀市議が参加。県側は吉川幸文・電源地域振興課長が応対しました。
 NHKニュースでも放映され、今朝の福井新聞、県民福井など各紙でも報道されています。

 西川知事が、5月12日にウイーンのIAEAで講演し、「原子力の平和かつ安全な利用へのたゆまぬ努力が、私たちにより良い生活と持続可能な社会をもたらすことを確信し、原子力人材の育成に取り組んでいく覚悟」などと述べて、日本政府の原発輸出政策を原発運転技術の研修・国民への原発宣伝技術の人材研修の面で支える活動を強めようとしています。まさに安倍政権がすすめる原発輸出戦略にそった人材育成を担う方針です。
 申し入れに対し、吉川課長は「世界で電力需要が増え、原発推進はその国の判断。人材育成は長年原発に取り組んできた福井県の役割だ」「命と経済の二者択一ではない。原子力は現実的な解だ」などと露骨な原発推進を強調しました。
 参加者からは「原発輸出は国内原発再稼働とセットであり許されない」「敦賀でも子供や孫のために原発なくして欲しい、の声が増えている」「福井地裁判決をもっと真摯に、謙虚に受け止めるべきだ」「福島へ5回ボランティアに行ったが、原発事故がなければ元の生活に戻れた方が多い」など厳しい抗議の声が相次ぎました。


 以下、申し入れ文です。

●福井地裁判決を受け止め、原発推進の国際協力を見直すことを求めます

 西川知事は、5月12日にウイーンのIAEAで講演し、「福井県は福島第一原発のような事故は決して起こさせないために、発電所の安全性を高めるよう国や電力事業者に強く要請し、これを実現してきました」「原子力の平和かつ安全な利用へのたゆまぬ努力が、私たちにより良い生活と持続可能な社会をもたらすことを確信し、原子力人材の育成に取り組んでいく覚悟」と述べています。
 そして安倍政権がすすめる原発輸出戦略にそった人材育成を担う方針です。

 さらにマスコミでは、「知事は講演後、原発の再稼働に向け原子力規制委員会が透明性のある審査を遅滞なく進めるとともに「政府がエネルギー基本計画をしっかりと実行することが国際的な信頼につながる」と語った」などと報道されています。
 このような原発輸出での「人材育成」、原発再稼働は、多くの国民がのぞんでいない方向です。

 その大きな例として5月21日の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働差し止めを命じた福井地裁判決は国内外に大きな反響をひろげています。
 福井地裁判決は、①憲法で保障された「人格権」を最優先にし、日本の法律では「これを超える価値を他に見いだすことができない」と宣言し、この大原則に立って原発再稼働にストップをかけました、②原発について「いったん発生した事故は時の経過に従って拡大していくという性質を持つ」と述べ、原発は他の技術にない危険性を指摘しています、
③原発「安全神話」に対し厳しい断罪をしています。判決は、この10年足らずに四つの原発で、想定した地震動を超える地震が5回も到来した事実を示し、想定される最大の地震の揺れが大飯原発に到来しないとの関電側の主張は「本質的な危険性についてあまりにも楽観的といわざるをえない」と指摘しています。④国民の命よりもコストを優先する考え方をきっぱりと退けました。判決は、住民らの「人格権」と電力の安定供給やコスト問題をてんびんにかけた関電側の議論を「法的に許されない」と強調。「国富の喪失」とは運転停止による貿易赤字でなく、「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していること」を失うことだと強調しました。

 この四つの判断は大飯原発だけでなく、ほかの原発にもあてはまるものです。
西川県政はこの判決を重く受け止め、大飯原発はもとより、県内すべての原発の再稼働を中止すべきです。

 そして、国際的な原発推進機関であるIAEAとの関係を深め、世界への原発輸出を担っていくことは「福島原発事故のリスク」を世界に拡散させることにほかならず、ただちにやめることを求めます。


■NHK・・・原発の人材育成見直し申し入れ

 5月、IAEA=国際原子力機関の会議で、西川知事が原子力分野の人材育成を推し進めると表明したことについて住民グループは、県に見直しを申し入れました。
申し入れを行ったのは原発に反対する住民グループ7人です。
原発をめぐって、西川知事は5月12日ウイーンで開かれたIAEAの会議で「原子力分野の人材育成に積極的に取り組んでいく覚悟がある」と表明しています。
これについて住民グループは「政府が進める原発の輸出戦略に沿って、県が人材育成に関わっていくことを多くの人は望んでいない」と見直しを求めました。
これに対し県電源地域振興課の吉川幸文課長は「インド、中国などで原発が増設されていて、安全に稼働するには人材が大切だ。県としてさまざまな経験を生かし、県の役割を果たしたい」と反論しました。また関西電力に対し大飯原発3・4号機を再稼働しないよう命じる判決が出たことに関連し、住民側は、すべての原発の再稼働を認めないよう申し入れました。
これに対し県側は「車などリスクのあるものはほかにもあるのに、なぜ原発だけがリスクを言われるのか。国の基準をクリアすれば、再稼働してもいいのではないか」と述べ、議論は平行線をたどりました。
住民グループの多田初江代表は、「地域経済が停滞する中、県は人の暮らしを守ることにもっと力を注ぐべきだ」と話していました。

05月29日 19時26分