前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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切実な福井県民要求をかかげて政府要望交渉をおこないました。これからもガンバリマス!

2014年07月25日 | Weblog
  昨日は、上京し政府交渉に。西村きみ子、鈴木しょじゅ福井市議、山田勝山市議、山本敦賀市議と終日、各省庁の担当者とやりとりしました。井上さとし参議院議員、藤野やすふみ書記局員にもご参加いただきました。

 順不同に感じた点などを紹介します。

●新幹線の敦賀開業でFGT開発が間に合わず、敦賀駅乗換えが発生する問題では、「国とJRの双方に責任がある」と認めました。乗客の利便性をそこなうことがないように国の責任も重大です。
 中池見湿地問題では、「いま検討しているが、影響がでるようであれば、新幹線ルートをゼロベースで見直す」と明言しました。

●生活保護。サービス付高齢者住宅入居の際などの家財所分料については、「この3年間、そのような要望はきていない」と答弁。しかし、この施設は最近急増しているものだ、との指摘に、「実態をふまえて、自治体と検討する」と約束しました
 また、敦賀市の住宅扶助が実態にあわない問題では、「早ければ27年度の基準部会で検証する」と答弁しました。

●子どもの医療費無料化を現物給付することへの「ペナルティ問題」では、「小池議員からも質問され、大臣が検討事項、と答弁している。全体の枠組みのなかで議論する。」と答えました。

●介護保険改悪で要支援へのサービスが来年度から切られていく問題を追及。厚労省は、「今の専門職のサービスではなく、ボランティアによる単価の安いサービスで効率的な事業をする」などと答弁。まさに老老介護の推進ではないか、との指摘に、「専門的なヘルパーサービスなどは維持していく。ふわしい基準と報酬でやる」「サービス母体ができるまでは従来のサービス提供をおこなう」と約束しました。

●原発問題では、「世論といっても、パブコメなどでは同じ個人の人がたくさん意見をだしてきている。マスコミの世論調査でも原発維持と即時廃止は2割程度で変わらない。福井地裁判決は当事者でないのでコメントしない」などと高圧的な答弁。
 「保安院や安全委員会の審査合格で運転してきた原発についての司法の判断であり、国も被告席にすわっているのと同じだ。真摯にうけとめていただきたい」と批判しました。

 「原子力事業本部」機能について、国の基準がない問題や、関電の原子力事業本部が原発に近すぎる問題も指摘しました。
国側は「第一義的には事業者で対応を」「原発事故時の代替施設は大阪の本店と聞いている」などと無責任な答弁でした。

 このほか、もりだくさんの項目を、政府の役人のみなさんと議論しました。

 その後、自衛隊への適齢者情報提供問題で、防衛省側からヒアリングを受けていた井上参議院議員から資料提供と説明をうけました。三重県では、自衛隊、三重県、教育委員会の3者連名で案内をだして募集活動をおこなっていると大問題になっているそうです。
 鈴木市議からは、「福井市では、すぐに活用できるように宛名シールに名簿を印刷して自衛隊に渡している」と。驚きです。集団的自衛権で創設以来はじめて戦死者をだすことになりかねない自衛隊募集業務への協力は見直すべきです。








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以下、要望内容です。


■防衛省

 いま、集団的自衛権行使容認が閣議決定され、関連法も準備されると報道されています。自衛隊創設60年、1人の戦死者もださなかった自衛隊が変わりかねません。
よって以下の点を求めます。

・現在、福井県では17市町が毎年8000名ぐらいの適齢者情報を提供していますが、今後、この情報の提供を求めないこと。


■厚生労働省

一、生活保護について。
 ①家財処分料について、現行は「借家等に居住する単身の被保護者が医療機関、介護老人保健施設、職業能力開発校又は社会福祉施設等に入院又は入所し・・・」となっていて、最近急増しているサービス付高齢者住宅への入所は対象にならない、との見解である。
 しかし、重い脳梗塞などを患い、入院し自宅に戻れないまま、サービス付高齢者住宅に入居するケースもあり、その際の家財処分料は認められるようにしていただきたい。
②住宅扶助について、地域の実状に合わせること。敦賀市の民間家賃は最低でも3万円はするが、住宅扶助は24600円しか出ないため、生活保護で暮らす人は厳しい生活を余儀なくされ、市役所の担当者もたいへん苦慮している。

二、国民健康保険

①国民健康保険税で、後期高齢者医療費負担金を子供に賦課するのは問題であり、改善すること。
②国民健康保険特別会計に対して、国の補助を増額するとともに、都道府県や市町村からの法定外の一般会計繰入れを認めること。
③自治体の住民に対する医療費助成制度を現物給付にすれば国から財政上のペナルティがあることを理由に福井県は現物給付を拒否している。このようなペナルティはやめること。

三、介護保険
国は診療報酬改定とあわせ、高度急性期の病床を削減し、 患者を在宅医療や介護へ、いわば川上から川下へと誘導する仕組みをつくりました。特養ホームへの入所を要介護3以上に締め出し、一定の収入のある人の利用料を倍にすれば、介護が必要なのに介護保険から締め出される高齢者が増えることは避けられません。
 次善の策として、低所得者でも入所できる多床室特養の介護報酬引き下げはやめて、地域にもどることができない高齢者の入所を支えることを求めます。
また、在宅の方は訪問介護が命綱です。介護保険から要支援者がはずされ、市町事業となった場合に、在宅に対する専門性の訪問介護をどう確保していくのか、国の見解を説明してください。

四、社会保険病院
福井社会保険病院で、給食調理の臨時職員の雇用条件が、週40時間(1日8時間)から週32時間(1日7時間)に削減され、賃金の低下により調理員の確保が困難になり業務に支障をきたしている。
 これは、JCHOの臨時職員雇用の条件の変更が原因である。
経営効果もなく、利用者サービスの悪化になる、こんな現場の状況を無視した雇用条件は再検証するようにJCHOに助言すること。

■国土交通省
一、長期優良化リフォーム推進事業として、200万円枠と100万円枠の2種類があり、3カ年計画として取り組むとのことだが、事業の詳細資料を提供していただきたい。また、現在までの全国、また福井県からの応募状況、採択状況をご教示ください。

二、国道整備
 国道8号線の敦賀市から南越前市までの区間についてバイパス工事をすること。雪による事故や落石で通行止めになることが多々有り、敦賀市が陸の孤島になることがある。
国道8号線の敦賀市白銀から本町までの区間について、二車線化にする工事をやめること。歩道を拡幅する計画だが、駐車場が7割り減り、買い物客や付近の住民にとって不便になる。また、片側一車線では降雪時にも不便になる。

三、北陸新幹線関連
①新幹線にともなう富山―大阪間で導入予定のフリーゲージトレインについて、「福井県は3年前倒しを主張しているが、JR西日本は開発が間に合わない、と言っている。しかし、乗客の利便性を考えればそれではすまないし、そもそも国土交通省が事業認可した条件を満たさなくなるのではないか。国土交通省の見解を説明してください。
 また、もしFGT開発が間に合わないなら、それはJRの責任であり、福井ー大阪間のサンダーバード、福井―名古屋間のしらさぎ号の運行継続などの措置を国としてもJRにつよくもとめるべきではないか。
②中池見湿地側に線形を変更したトンネルについての、環境にあたえる影響について検討状況の資料を提供し、説明していただきたい。
③仮にJR東海の計画通りリニアが開業すると、東京-名古屋は東海道新幹線の1時間40分からわずか40分に短縮されます。
 現在の「しらさぎ」特急を存続させておけば、東京―福井は2時間を切ることになる、福井ー東京の新幹線の時間短縮効果の意味はなくなるが、国は各事業の費用対効果の整合性についてどう考えているのか。

■文部科学省
一、日本海側の地震・津波調査について、調査メンバー、調査の現状と今後の調査計画と事業費見込、中間的な発表の計画などについて資料を提供していただき説明してください。

二、原発「もんじゅ」について。以下の資料提供と説明をしていただきたい。
① もんじゅについてこれまでの総経費がわかる資料。今年度の計画と予算内容。
② 火山噴火での降灰による空冷機能への影響

三、児童クラブの補助要件について、開設日数の基準を250日以上を200日以下に緩和していただきたい。そもそも、過疎地域で児童クラブを開設している場合には、児童の利用人数が少ない場合が少なくない。児童数が少ないと開設日数が減ることも多く、年間250日以上の開設日数の達成が困難な場合が起きている。開設日数250日を達成するには平日の開催だけではなく、土日祝日に開催をせねばならなくなるが、土日祝日の人員の確保にも過疎地域では困難さを伴う。利用人数が20名以上の場合は開催日数の特例があるが、利用人数が多い場合は開催日数が多くなる傾向があり、特例措置は20人を下回るような過疎地域においても適用されてしかるべきではないか。

■経済産業省
一、「小規模企業振興基本法」が成立したが、今後、地域に対する支援メニューや財政支援についての資料提供と説明をお願いしたい。この法の対象となる福井県内の事業所数と従業員数はどれだけか。
二、原発をベースロード電源としたエネルギー基本計画は、圧倒的多数の「原発を減らすべき」「原発をなくすべき」という国民世論にそむくものではないか。
また、福井地裁は大飯原発3,4号機運転を差し止める判決を下したが、国が福島原発事故後に再稼働を認めた原発が裁判所から運転差し止め判決がだされた責任を国はどう認識しているのか。
三、原子力安全基盤機構JNESが福井県から撤退し、県庁も「11名が死傷した関電美浜事故以前に逆戻りだ」と憤慨しています。国として、これまでJNESが果たしてきた業務を今後どのような形で福井県で提供していくのか。
四、県議会全員協議会(6月12日)でエネルギー基本計画について、資源エネルギー庁の後藤大臣官房審議官らが説明をうけ、質疑がおこなわれました。
 「避難計画に対して国は責任を果たしていないではないか」との質問に、審議官は「避難計画はハンドメイドでやるべき」などと答えた。
 県知事は議会への提案理由説明で、「スクリーニングや除染の実施場所等については、国のワーキンググループにおいて引き続き検討している」「ヨウ素剤の事前配布については、現在、住民への説明事項の確認や相談窓口の設置を国においておこなうよう要請している」などと述べ、国にげたを預けています。
 このように重大事故の際の住民避難にかかわる一番大事な問題が国、県双方が責任のなすりつけあいを演じているのです。
 しかも、病院や福祉施設、学校などの具体的な避難などの計画の策定はまだおこなわれておりません。これでは、再稼働後に福島事故のような苛酷事故が再来した時には、まさに福島同様に福井県民は放置されることになりかねないのではないか。


●規制庁関係
五、国の規制基準は原子力発電所についてはあるが、事故時の対応を指揮する原子力事業本部についてはないのは問題ではないか。とくに、福井県の場合は、関西電力原子力事業本部は原発集中地域に併存しており、規制委員会としてどのような対応を求めるのか。
六、もんじゅについて、「保守管理不備」「新規制基準」「破砕帯調査」についての規制委員会の対応ともんじゅ側の回答状況を説明されたい。
七、関電大飯、高浜原発についての審査状況を説明されたい。その際に、基準地震動に関する審査内容の資料を提供していただきたい。


■農水省
一、農地中間管理機構について、農業者からは「農地貸し付けで公募が行われるため、地域で頑張っている大規模農家、農業生産法人が排除されるのではないか」、「耕作放棄地の解消 には役立たないのではないか」、「市町や農業委員会から権限が奪われ、地域の実態に即した対応ができなくなるのでは」などの強い不安が出されている。
 この制度と国が考えている対策のもとで、現在の農家戸数と農家収入がどのように推移すると推計されているのか、全国と福井県についてそれぞれ推計の資料を提供していただきたい。
  また、経営転換協力金や耕作者集積協力金は受け手に貸し付けられないと交付されません。特別単価で集中的に集約しても、農地は提供したが金は入らないと、 そういう詐欺商法みたいになりかねないリスクを負っています。このようないわば投機まがいの制度に大規模に農家を集約することは問題ではないか。

二、1100億円以上を投じた坂井平野での農業パイプライン事業も完成が近づいている。しかし、福井県JAなどが試算をだしているようにTPPでコメが9割アウト、となればこの巨大公共事業の利用はどのように見込むのか。その際に、事業の費用対効果はどのように変わるのか。
  また、このような行政をまたがる長大なパイプラインの管理については、準民間の土地改良区ではなく、行政が責任をもって「公物」として管理すべきではないか。

三、農作物に対する鳥獣害被害防止のための助成を大幅に増やすこと。また、助成の判断において「費用対効果」を基準としないこと。
四、福井県内でも被害が発生した豚流行性下痢(PED)について、国として、要因分析と対策、農家への支援策について資料提供と説明をしていただきたい。