冬来(き)ぬといふばかりにや神無月けさは時雨のふりまさりつつ(続後撰和歌集)
今朝よりはしぐれて過ぐるうき雲の空にもしるき神無月かな(延文百首)
かきくらし雲のはたてぞしぐれゆく天(あま)つ空より冬や来(き)ぬらむ(新後撰和歌集)
さそはるる嵐待ちえて神無月ふるは木の葉の時雨なりけり(新千載和歌集)
今朝はまたくもりもあへず神無月もみぢとともにふる時雨かな(文保百首)
もみぢ葉のふりかくしてし我が宿に道もまどはず冬は来(き)にけり(土御門院緒百首)
山はみなきのふのままの秋の色を残さじと吹くこがらしの風(続草庵集)
梢をば払ひつくして吹く風の音のみ残る冬は来にけり(嘉吉三年前摂政家歌合)
秋は去(い)ぬ風に木の葉は散りはてて山さびしかる冬は来にけり(続古今和歌集)
はるかなる峰の雲まの梢までさびしき色の冬は来にけり(新後撰和歌集)
冬来(き)ぬと夕霜さむき浅茅生(あさぢふ)の枯れ葉の風のおとぞさびしき(新続古今和歌集)
さまざまの草葉もいまは霜枯れぬ野べより冬やたちいて来(き)つらむ(千載和歌集)
いつしかも冬のけしきになりにけり朝ふむ庭の音のさやけさ(夫木抄)