落ちつもる木の葉によどむ冬川の浅瀬の水ぞまづ こほりける(明題和歌集)
さゆる夜もゆく瀬は浪のはやければ水のみわだぞまづ こほりける(夫木抄)
さえまさる山風ばかり音(おと)たてて氷にむせぶ谷川の水(新拾遺和歌集)
みなかみの岩まの氷むすびとめて瀬だえがちなる冬の山川(明題和歌集)
はやき瀬はなほもながれて山川の岩間によどむ水ぞこほれる(玉葉和歌集)
谷川のよどみにむすぶ氷こそ見る人もなきかがみなりかれ(金葉和歌集)
降る雪はかつぞ消(け)ぬらしあしひきの山のたきつ瀬おとまさるなり(古今和歌集)
こほり河みなそこふかくとぢてけり早く流れし音(おと)も聞こえず(夫木抄)
たちかへる音も聞こえず冬川の石まにこほる水のしら波(新拾遺和歌集)