monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

春の田

2011年03月09日 | 日本古典文学-和歌-春

山がつの小田のあらすきひき返し流れもやらぬ薄ごほりかな(夫木抄)

ぬれつつもあへる時かな雨の足もあらすき返す春の小山田(をやまだ)(草根集)

あさみどり野べの荒田(あらた)をうち返しけながき秋を待ちや暮らさむ(元真集)

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忘らるる時しなければ春の田のかへすがへすぞ人は恋しき(古今和歌六帖)

葦の根のおふる荒田をうち返ししたにて思ふ心あるらし(信明集)

荒小田を(あらをだ)を返す今より人知れず思ひほにいでむことをこそ思へ(貫之集)

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春の田をあらうち返しこまごまと思ひくだけば憂きわが身かな(久安百首)

春の田をなほうち返しかなしきはたのみすくなき我が身なりけり(万代集)