monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

秋の旅、秋の旅宿

2012年09月13日 | 日本古典文学-和歌-秋

草枕旅ゆく人も行き触ればにほひぬべくも咲ける萩かも(万葉集)

秋ふかく旅ゆく人のたむけには紅葉(もみぢ)にまさる幣(ぬさ)なかりけり(後撰和歌集)

すがるなく秋の萩原朝たちて旅ゆく人をいつとか待たむ(古今和歌集)

あづまぢの野路(のぢ)の草葉の露をしげみ行くもとまるも袖ぞしをるる(新勅撰和歌集)

夕されば身にしむ野べの秋風にひとりや草のまくらむすばむ(続後拾遺和歌集)

さもこそは都恋しき旅ならめ鹿の音(ね)にさへ濡るる袖かな(金葉和歌集)

草枕かりがねの音(ね)に夢さめてつゆけさまさる旅衣(たびごろも)かな(為忠家初度百首)

月にゆく佐野のわたりの秋の夜は宿ありとてもとまりやはせむ(新後撰和歌集)

月を見てとまりはせじと漕ぎゆけばしらぬ波路に夜ぞ明けにける(新後拾遺和歌集)