monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

秋の山

2012年09月16日 | 日本古典文学-和歌-秋

春日山松の嵐にこゑそへて鹿もちとせの秋と告ぐなり(文治六年女御入内御屏風和歌)

菊に染めもみぢにつけて山姫のふたつの色を誰ゆるすらむ(夫木抄)

かりがねの声きこゆなり秋霧のたなびく山はもみぢしぬらし(万代集)

秋霧の山べも見えず立ちぬればもみぢのにしき甲斐(かひ)やなからむ(丹後守公基朝臣歌合)

露時雨もる山かげの下紅葉(したもみぢ)濡るとも折らむ秋のかたみに(新古今和歌集)

秋萩のうつろふ惜(を)しと鳴く鹿の声きく山は紅葉しにけり(新勅撰和歌集)

小倉山もみぢ吹きおろす木枯らしにまたさそはるるさをしかの声(新拾遺和歌集)

さびしさは深山(みやま)の秋の朝ぐもり霧にしをるる槙(まき)のした露(新古今和歌集)

下紅葉(したもみぢ)かつちる山の夕時雨ぬれてやひとり鹿のなくらむ(新古今和歌集)

山颪(やまおろし)に鹿の音(ね)たかくきこゆなり尾のへの月にさ夜やふけぬる(新古今和歌集)