「雪の花」という語には、「雪を花に見立てていう語。また、雪の中に咲いている花。」という語釈があり、日本国語大辞典第2版では、『為忠集』の用例を早い例としてあげていますが、さかのぼる用例があります。
にほのうみやつりするあまのころもでにゆきのはなちるしがの山風
(『新編国歌大観 第五巻 歌合編 歌集』角川書店、1987年、475ページ。197・千五百番歌合、1982)
まがふ色は梅とのみ見て過ぎ行くに雪の花には香ぞなかりける
(『新訂 山家集(岩波文庫)』岩波書店、1928年、112ページ)
わりなくもこすのあみふのひまわけてかぜにちりくるゆきのはなかな
(『新編国歌大観 第四巻 私家集編2 定数歌編 歌集』角川書店、1986年、272ページ。29・為忠家後度百首、冬、雪十五首・簾中雪、540)