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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 冬 残菊

2013年10月31日 | 日本古典文学-冬

題しらす 権大僧都宋親
秋に見し色も匂ひもそれなから霜に残れる庭の白菊
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 源直頼
おく霜に残れる庭の白きくを秋なき時のかたみとそみる
(新後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

後冷泉院御時、残菊映水といへる心を人々つかうまつりけるに 権大納言長家
神無月残るみきはの白菊はひさしき秋のしるしなりけり
(新勅撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

残菊を 左近中将師良
をのつから残るもさひし霜枯の草はにましる庭の白菊
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

花ならぬ匂ひも後はなきものをうつろひ残れ庭の白菊
(六百番歌合~岩波文庫)

円融院に一本菊奉るとて 尚侍藤原灌子朝臣
しくれつゝ時ふりにける花なれと雲ゐにうつる色はかはらす
御返し円融院御製
いにしへをこふる涙の時雨にもなをふりかたき花とこそみれ
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

つれなくも猶冬かれに残りきて霜にうつろふしら菊の花
(建長八年九月十三日・百首歌合~日文研HPより)

冬ふかきころ、わづかに霜がれの菊の中に、あたらしく咲きたる花を折りて、ゆかりある人のつかさめしになげくことありしが、いひおこせたりし。
霜がれの下枝(したえ)に咲ける菊みればわがゆくすゑもたのもしきかな
と申したる返しに、
花といへばうつろふ色もあだなるを君がにほひはひさしかるべし
(建礼門院右京大夫集・岩波文庫)

後一条院御時、中宮斎院に行啓侍けるに、庚申の夜月照残菊といへる心をよみ侍ける 権大納言長家
色さむみ枝にも葉にも霜降て有明の月をてらす白菊
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

神無月の末つかた、女にかはりて、枯たる菊の枝につけて人の許につかはしける 従二位隆博
つらしとはうつろふをたに見し物を枯はてぬるか庭の白きく
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)


1 コメント

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Unknown (mono)
2015-12-04 22:50:41
新勅撰和歌集以下を追加しました。
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