亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

大山鳴動して鼠一匹?

2010年04月24日 23時57分48秒 | 金市場
ギリシャは結局IMFに泣きついた。落ち着くところに落ち着いたという感じ。やはり選挙を控えているドイツは国民向けに“助けないとユーロ崩壊の危機”という大義名分が欲しいわけで、目先のハードルは各国での2国間融資の承認手続きとなる。5月に来る償還を乗り切る資金準備はできるものの、その際の借入条件がどうなるか。さらにこれでポルトガル、スペインへの“伝染”を防ぐことができるのか。ユーロ圏になかったいわば“互助組織”を形づくるモデルケースとなるのだろう。

ゴールドマン・サックスとの関連で話題のポールソン・ファンドの金ETFだが、これは4月19日に書いたように動きはないと見ている。話題のETFは今週22日に1トン弱解約が出ただけで大きな変動はなし。そもそも流動性や担保価値も高いので、そのあたりのことを考えると、資産としては融通が利くのも原資産を金に置いているものならでは、ということ。08年の下げを連想する意見もあったが、ドルキャッシュを必要としたあの時と今は、環境はまったく異なる。

新築住宅販売の予想外の伸び。これは日を改めて。それより毎週データを追いかけている米地銀の経営破綻はこの週末イリノイ州で7行破綻し年始から57行となった。140行破綻した昨年を上回るペースだ。今週の金価格は、踏ん張りが利いた。ETFは大山鳴動して鼠一匹か。

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8 コメント

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資金用意したから (Unknown)
2010-04-25 00:41:27
個人的には金価格は急落して欲しいな。
ポールソンのファンドは4月30日までに解約希望者は申し出るように通知したと豊島さんが書いていたから解約が殺到すれば・・とわずかな期待を抱いている。
豊島さんも解約騒ぎは起こらないと書いているがもし起これば金が真っ先に売られるとも書いている。
しかし、何故金が真っ先に売られるのかはわからない。株も債券もあるだろうに?

来週から月末までに解約が殺到すれば(多分しないだろうが)ポールソンが金(ETF)を売り浴びせ修羅場、かつ、買い場になるらしいが
何も起こらないようだ。
残念。
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大山鳴動して鼠一匹? (Unknown)
2010-04-25 11:58:35
安心しきってると足をすくわれるのが世の常。
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Unknown (Unknown)
2010-04-25 12:37:17
慌てる乞食はもらいが少ないというのも世の常
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エール大学浜田教授 (Unknown)
2010-04-25 14:37:30
リーマンで脚光を浴びた証券化商品の損失(CDSなどすべて含む)が総額いくらでどこにあるのか(所在)に関して大多数のエコノミストは口を閉ざしている。

亀井先生にご意見あれば是非お教え願いたい。

TVなどに出てくるエコノミストでは野村の木内氏だけが「米国の住宅事情が改善すれば値の付かない証券化商品も何とかなるんだが・・?」とコメントしたくらいで、これとて実態を説明してくれたわけではない。

FRBが銀行などから買い、銀行はFRBから得たドルで米国債を買う自転車操業ということは多くの地上波に出ない良識派の経済学者などが指摘している。誰かのコメントにもあったがCDSなども含めれば日本円で京の額らしい?

浜田教授などの本を読むと米国の財政赤字は統計の何倍もあり、隠れ債務は膨大とのことである。
住宅管理会社の国有化の600兆円の債務も国の債務にカウントしていないなど中国同様の不健全な開示状態だ。

こういうことでは景気回復は再度起こる金融危機の合間の出来レースだと思う。
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Unknown (kenji)
2010-04-25 17:35:55
容易ならざる事態が前途に待っていると私は思っている。
 今年の八月十五日に新しいニクソンショックが世界を襲うかもしれない。
 動けるまで動こうという事だろう。
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Unknown (koji)
2010-04-25 20:05:02
長期金利が上がれば銀行が持っている国債が莫大になる。景気が良くなればいいが、良い金利上昇でも終わりかな
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 (koji)
2010-04-25 20:06:58
国債の価格が下落して莫大な損に修正。
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Unknown (Unknown)
2010-04-25 20:11:37
ロジャーズ氏は貴金属のような実物資産も好きです。
 ロジャーズ氏いわく、それらは投資家の財産を守る次の不況が近づいています。そして、それはより深刻になるでしょう。



The Great Recession that may have just ended will amount to nothing compared to the next one, says commodities expert Jim Rogers.

「ちょうど終わりを迎えたかもしれない深刻な不況は、次の不況と比べればたいしたものではないでしょう。」
とコモディティ専門家のジム・ロジャーズ氏は言いました。


The huge fiscal and monetary stimulus is what will cause the crisis, he says. Rogers notes that the United States suffers a recession every four to six years on average.

「大きな財政・金融刺激策は危機を引き起こします。また、米国は平均して4~6年ごとに不況を経験してきました。」


“When it (the next one) comes, it’s going to be much worse, because Washington can’t quintuple its debt again,” he told Newsmax.TV Money.

「次の不況が来るとき、それはより深刻になるでしょう。なぜなら、ワシントンは再びその負債を5倍にすることは不可能だからです。」


Federal Reserve Chairman Ben Bernanke is a big part of the problem, says Rogers, chairman of Rogers Holdings. “Mr. Bernanke can’t print much more money again. The world is going to run out of trees.”

「連邦準備制度理事会 (FRB) 議長ベン・バーナンキが、問題の大きな一部です。バーナンキ氏は、再び大量のお金を刷ることはできません。世界は、木が尽きかけています。」


Rogers recommends that we abolish the Fed, because it’s causing the problems. “We’ve had three central banks in American history. The first two disappeared. This one will too,” he predicted.

ロジャーズ氏はFRBを廃止することを薦めます。なぜなら、それが問題を引き起こしているからです。
「米国の歴史の中で、我々は3つの中央銀行を持ちました。最初の2つは無くなりました。もう一つも無くなるでしょう。」


That’s thanks to the mistakes made by Bernanke and his predecessor, Alan Greenspan.

それは、バーナンキ氏と彼の前任者のアラン・グリーンスパン氏の間違いのおかげです。


“They’ve taken on gigantic amounts of debt that you and I are now responsible for. The central bank is making it worse,” Rogers said.

「彼らは、我々が責任を負わなければいけない巨額の負債を引き受けました。中央銀行はそれを悪化させています。」


Bernanke’s low interest rate policy is a terrible mistake, Rogers says. “He’s essentially ruining the U.S. economy in the long run and ruining the U.S. dollar as well.”

 バーナンキ氏の低金利政策はひどい間違いであると、ロジャーズ氏は言います。
「彼は、長期的にみると、本質的に米国経済を破滅させていて、同様に米ドルも破滅させています。」


The dollar’s safe for now, Rogers says, noting that he owns it himself. “But in the longer term, the dollar is a terribly flawed currency.”

 ドルは今のところ安全であると、ロジャーズ氏は言います。そして、彼が彼自身がドルを持っていることを告げます。
「しかし、もっと長い期間で見れば、ドルはひどく欠陥のある通貨です。」


Inflation already is here, he says.

 インフレは、すでに起こっていると、彼は言います。


“We know that prices are going up, whether it’s insurance, entertainment, education or fuel. The price of everything is going up, and it’s going to get worse because Mr. Bernanke and the people in Washington are spending gigantic amounts of money that we don’t have.”

「それが保険・エンターテイメント・教育または燃料であるかどうかに関係なく、我々は価格が上がっているということを知っています。すべての価格は上がっています。そして、バーナンキ氏とワシントンの人々が、我々が持っていないような巨額のお金を費やしているので、それはより悪くなりそうです。」


That inflation is reflected in higher oil prices, and the surprise will be how high oil rises over the next decade, Rogers says.

「そのインフレはより高値の原油価格として反映されます。驚くべきことは次の10年でどれだけ原油が上昇するかということでしょう。」


“Known reserves are declining at a steady rate,” he points out. “Unless somebody finds a lot of oil very quickly, the price of oil is going to go much higher.”

「原油の既知量は一貫して減少しています。誰かが早く大量の原油を見つけない限り、原油価格は非常に高くなりそうです。」


Stocks aren’t in imminent danger, Rogers says. “Stocks are doing OK, and probably will for a while, because all this money is being flooded into the economy. It has to go somewhere.”

 株には差し迫った危険にないと、ロジャーズ氏は言います。
「株は今は大丈夫です。そして、おそらくはしばらくは大丈夫です。なぜなら経済の中でお金が溢れているからです。それは、どこかに行かなければなりません。」


There’s a very good chance that some governments will default on their debt in the next few years, he says.

「いくつかの政府が、ここ数年で彼らの負債をデフォルトする可能性は非常に高いです。」


While some insist that fate will befall the United States and United Kingdom, Rogers says he doesn’t know enough yet to judge.

 破滅は米国と英国に起こるという主張がある中、ロジャーズ氏は、それを判断できるほど彼はまだ充分な情報がないと言います。


“I do know that they’ve run up staggering debts in Washington, and that usually leads to problems down the road.”

「私は、彼らがワシントンで驚異的な負債をつくったことを知っています。そして、それは通常、将来に問題を引き起こします。」


引用元記事
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