さて注目の議事録要旨。市場の方が前のめりに織り込んでいると書いてきたように、利上げはするものの加速は必要なしという内容の話し合いが行われていることが判明。それを市場は、ハト派と捉えた。発表前にはマイナス圏で終了していたNY金だが、内容が判明すると反発となった。しかし、戻りは10ドル程度で鈍かった。というのも、タイミングが悪かった。ちょうどロンドンの午前中、NYの早朝の時間帯に発表された5月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景況指数)速報値。54.1と前月の確報値から1ポイント低下し、横ばいを読んだ予想値の55.1も下回る弱い結果となったからだ。
結果は、ユーロ圏の成長鈍化を連想させ、欧州中銀(ECB)の出口政策(金融正常化)の遅れにつながる可能性を思わせ、ユーロが売り込まれることになった。ユーロドルは1.17ドルを割れ1.1676ドルまで売られ昨年11月14日以来の安値に。ドル指数は94.19ポイントまで上昇し年初来高値をさらに更新。このドルインデックスの上昇が、金の上値を抑え、戻りの鈍さを印象付けることになった。23日は、一時は1300ドルに接近する勢いの金だったが、再び1290ドル割れに押し戻されることになった。
ただし、やはり利上げの加速の方向性が示されなかったことでハト派的と受け止められた議事録の下、金は反発に転じている。本日のNY市場では1300ドルを突破すると買いに拍車がかかり、日本時間の23時前のNY金は1308ドル程度で推移中。
やはり行き過ぎた市場の“利上げ加速見通し”が修正されることに。