亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ドイツの売却見送り

2006年03月23日 10時49分31秒 | 金市場
ドイツの金売却をめぐる政府とドイツ連銀との話し合いに一応のメドが立ったというニュース。ドイツ連銀が政府財務省の金売却要請を拒否し、今年9月末までの120トンの枠を見送りとの声明が同連銀ウェーバー総裁から出された。財政難を背景にした政府の売却要請をそのまま受け入れることは、中央銀行の独立性に疑問を投げかけることにつながり、連銀の政策に対する信任を揺るがす恐れがある、したがって拒否というスタンスが指摘されている。ただ記者会見での「金は外貨準備の中で欠かすことのできないもの」という発言は、そもそも金の売却と貸出を制限したワシントン協定で謳われたものでもある。1999年、この協定を言い出したのが時のドイツ連銀ティートマイヤー総裁とされる。したがって準備金の売却には連銀サイドには以前から抵抗があった。シュレーダー前政権になり金売却の要請が強まり、ウェルテケ前総裁の時に第2次ワシントン協定に向け5年で600トンの売却枠を確保するという(金市場関係者にとっては)意外な展開となった。この前総裁は政治家出身で、出張の際に家族の宿泊費を大手金融機関が負担するという疑惑のなかで04年4月、辞任に追いやられた。現ウェーバー総裁はそうしたスキャンダルの後を受け、中立性に重点を置いた人選により当時大学教授をしていた同氏に白羽の矢が立ったという経緯がある。

結局連銀内の力関係の変化もあり、元の売却反対が息を吹き返したということだろう。もともとメルケル首相の所属政党であるキリスト教民主同盟(CDU)は売却に反対とされているのだが、今回の政権が社会民主党(SPD)との連立政権だけに政府からの要求自体は撤回とはいかなかった。

いずれにしてもドイツの今年度の120トンの枠は宙に浮く形だが、おそらく他中銀が売却枠を譲り受ける形で売却に向かうと見られるため、この見送り自体は材料視されなかった。昨年も同じようなことが起きているのである。

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1 コメント

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我が身を顧みて (いつも拝見しております)
2006-03-24 07:17:28
お疲れさまです。



先日もじれったいな~。しかも下向きだよって腐っていました。



しかし「金」がまだ1000円未満だった頃を思い出し、これくらいの持ち合いそういえば普通だったっけと思い直しました。

あのころは動かなかったし値幅も小さくて本当に辛かった。800円が1000円超えても値幅200円あまり・・・

そんな時間が永遠に続くかと思ってましたね。



いまでは3・4ヶ月で200円超ですよ。まさに隔世の感ですね。



どうも人間は動き出すと動かない時間を耐えられないものだなと思います。



今回の3角持ち合いはTOCOM銘柄の過半が同じような形状であり、銀に続いて本日石油系が上離れるかもしれません。ひょっとすると白金も・・・?



全体を見れば持ち合い上方への離れが堅いものの、じれったくてつい周りを見ては、「金」なにやってんだよ~と叫びたくもなるのです。



桜の満開にあわせてなのかな?くらいの心の落ち着きが必要なのかもしれませんが、自分でいうのも何ですが、人の心は忙しないです。
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