10月のFOMC(予想よりタカ派的内容)直後に手掛かり材料難に陥りかけていたNY株。間髪を入れずに発表された日銀による大型追加緩和の発表には、GPIFの資産組み換えの記者会見まで付いて、まさに“ハロウィーン・サプライズ”となった。
NY株にとっては、まさにブースター(Booster)。いい屈折点を提供されたようなもの。NY株式市場は業績発表も予想以上に良かったこともあり年末に向け、楽観論が渦巻く状態に。
またジリジリとした最高値更新を再開。この先、加速するなら加速したで、その後がどうなるか。見もの。ここまでは一定の警戒感があったのは事実。それも徐々に雇用統計の結果もまずまずで楽観論に傾いている様子。さてさて。
以下、市況。
「週末の上昇に対する戻り売りの展開で反落」
週明け11月10日のNY市場の金価格は反落となった。NY時間外のアジアの取引時間帯からロンドンの中盤くらいまでは、前週末のファンドの買戻し(ショート・カバー)による上場の余韻が感じられるような展開となり1170ドル台を維持して推移。しかし、それも徐々に勢いを失い、NYの通常取引が始まる前には1170ドル割れとなる売り優勢の展開に転じることになった。
10日の市場はユーロ圏でも米国でも主要な経済指標の発表がなく、手掛かり難の中で前週末の雇用統計発表後の値動きに対する反動的な動きが為替や商品市場で見られることになった。10日の市場では週末の市場でやや弱含んだドルが反発。
ドル買い優勢の中で金市場では、前週の上昇に対する利益確定の売りが優勢となった。昨日ここに、米雇用統計で就業者数の伸びが予想を下回ったことが金の買戻しの背景とされているが、内容は悪くはなく、客観的に好調な結果とした。実際に週明けのNY株式市場は改めて米国労働市場の改善を評価する買いが入り、NYダウとS&P500種は過去最高値を更新して取引を終えている。
NYコメックスの金価格は、この中で売り物が断続的に出て時間の経過とともに取引終盤に掛けて値を消す展開となった。通常取引は前日比10ドル安の1159.80ドルで終了となった。その後の時間外の電子取引では一時1147.70ドルまで見ている。
今週の注目材料ついては14日金曜日に10月の米小売売上高の発表がある。前月中旬はユーロ圏の低迷に対する懸念から株安が目立ち、そのタイミングで米小売も予想以上のマイナスとなったこともあり、株式市場の下げ幅拡大の背景の一つになった経緯がある。10月に関しては市場予想は前月比0.4%増となっている。原油安を映して米国ではガソリン価格が下がっており、売上高の減少に反映されやすい。もっとも、ガソリン安は消費者にとってはプラスと言えるのだが。
なおユーロ圏の話題で、ドイツのIFO経済研究所の所長がドイツの景気後退入りが近づいていると発言し注目された。ドイツはすでに4-6月期に0.2%のマイナス成長となっており、仮に7-9月期がマイナスとなるとリッセッション(景気後退)入りとなる。週末14日にユーロ圏の7-9月期GDP(国内総生産)速報値が発表される予定。結果によっては、再びドル相場を通じ金市場の材料になりそうだ。(亀井幸一郎 2014年11月11日記)
NY株にとっては、まさにブースター(Booster)。いい屈折点を提供されたようなもの。NY株式市場は業績発表も予想以上に良かったこともあり年末に向け、楽観論が渦巻く状態に。
またジリジリとした最高値更新を再開。この先、加速するなら加速したで、その後がどうなるか。見もの。ここまでは一定の警戒感があったのは事実。それも徐々に雇用統計の結果もまずまずで楽観論に傾いている様子。さてさて。
以下、市況。
「週末の上昇に対する戻り売りの展開で反落」
週明け11月10日のNY市場の金価格は反落となった。NY時間外のアジアの取引時間帯からロンドンの中盤くらいまでは、前週末のファンドの買戻し(ショート・カバー)による上場の余韻が感じられるような展開となり1170ドル台を維持して推移。しかし、それも徐々に勢いを失い、NYの通常取引が始まる前には1170ドル割れとなる売り優勢の展開に転じることになった。
10日の市場はユーロ圏でも米国でも主要な経済指標の発表がなく、手掛かり難の中で前週末の雇用統計発表後の値動きに対する反動的な動きが為替や商品市場で見られることになった。10日の市場では週末の市場でやや弱含んだドルが反発。
ドル買い優勢の中で金市場では、前週の上昇に対する利益確定の売りが優勢となった。昨日ここに、米雇用統計で就業者数の伸びが予想を下回ったことが金の買戻しの背景とされているが、内容は悪くはなく、客観的に好調な結果とした。実際に週明けのNY株式市場は改めて米国労働市場の改善を評価する買いが入り、NYダウとS&P500種は過去最高値を更新して取引を終えている。
NYコメックスの金価格は、この中で売り物が断続的に出て時間の経過とともに取引終盤に掛けて値を消す展開となった。通常取引は前日比10ドル安の1159.80ドルで終了となった。その後の時間外の電子取引では一時1147.70ドルまで見ている。
今週の注目材料ついては14日金曜日に10月の米小売売上高の発表がある。前月中旬はユーロ圏の低迷に対する懸念から株安が目立ち、そのタイミングで米小売も予想以上のマイナスとなったこともあり、株式市場の下げ幅拡大の背景の一つになった経緯がある。10月に関しては市場予想は前月比0.4%増となっている。原油安を映して米国ではガソリン価格が下がっており、売上高の減少に反映されやすい。もっとも、ガソリン安は消費者にとってはプラスと言えるのだが。
なおユーロ圏の話題で、ドイツのIFO経済研究所の所長がドイツの景気後退入りが近づいていると発言し注目された。ドイツはすでに4-6月期に0.2%のマイナス成長となっており、仮に7-9月期がマイナスとなるとリッセッション(景気後退)入りとなる。週末14日にユーロ圏の7-9月期GDP(国内総生産)速報値が発表される予定。結果によっては、再びドル相場を通じ金市場の材料になりそうだ。(亀井幸一郎 2014年11月11日記)