亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

連日のサプライズ 予想を大きく下回った雇用増

2014年09月06日 15時54分52秒 | 金市場

今週のメイン・イベント米8月の雇用統計。予想は前月比の雇用増(非農業部門)22万人から23万人程度。失業率は6.1%というものだった。このところ経済指標で好調なものが多かったことから、雇用増の20万人超は間違いなかろう・・・・と思われていた。仮にそうならば、7ヵ月連続で20万人超の増加となった。1999年の米国がITバブルで沸きに沸いていた時期以来のことだった。

ところが、そう簡単にはいかなかった。予想を8万人ほど下回る14万2000人の増加となった。サプライズといっていいだろう。元より振れの大きい指標として知られる雇用統計だが、このところは安定的に20万人超の雇用増を続けていたこと。さらに他の指標に強気の内容のものが増えていたことから、予想に沿った結果に終わると見られていた。失業率は予想に沿った6.1%となった。労働参加率は62.8%と0.1ポイント落ち、このところの水準から大きな変化なし。とはいえ依然として36年ぶりの低水準。正規雇用を求めながらパートタイマーに甘んじている人々も実質的な失業者とみなす広義の失業率(U6)は前月の12.2%から12%に改善。個別にみれば改善している部分もあるのだが、いかんせん雇用増の14万2000人は見劣りのする数字。

発表直後から金価格はショートカバーと見られる買いで10ドルほど駆け上がり1270ドル台に。しかし、戻りには売り圧力も強く、結局前日の水準近くで取引を終了。ウクライナで停戦合意と流れたことが売りを誘ったと見られるが、通常取引終了後の時間外で買い直しの動きが見られた。停戦合意については、NATO(北太平洋条約機構)首脳会合を睨んだプーチンの小細工のような印象は拭えない。

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