亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

さらなる下げを歓迎する向きも多い(買いたい弱気)

2010年10月20日 11時36分02秒 | 金市場

昨夜のNY金価格は中国の利上げに鋭く反応。まず20ドルほど下げて1350ドル近辺で揉み合った後に1340ドル割れに。午後に掛けて下げたところを買い向かうというここまでの展開と同じ動きが見られ40台に復帰。しかしその段階で力尽きるような形で一時は安値1328.40ドルまで売り込まれた。押し目買いも売りに押し戻されたかたち。その後は1330ドル台で横ばい推移。膨れ上がったバルーンに中国引き締めの“ハチのひと刺し”。

 

中国の引き締めを材料にした商品市況を中心とした下落は過去にも起きている。ただここまでは比較的短期日で終息してきた。とりわけ金に関しては、いまやその中国のリテール部門の伸びが関心事のひとつとなっており、市場環境は以前と大きく異なる点に注意が必要だろう。さらなる下げがあるなら、歓迎する向きは多いと思われる。

 

今回の中国の利上げは、中国自身にとっては国内の過熱や人民元操作に対する批判をかわすという点で意味はあろうが、世界全体ではマイナス。経済用語のいう「合成の誤謬」を思う。ちと難しい表現をすると、いまのバランスを欠いた世界経済あるいは金融の在り方を考えさせる材料になりそうだ。ここではなく何かに書きましょう。


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