亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

マーケットをも翻弄する新型コロナウイルス、NY金は再度1600ドルトライ

2020年01月27日 20時57分41秒 | 金市場
先週末に新型コロナウイルス肺炎に対するリスクオフ・センチメントの広がりで水準を切り上げていたNY金。それでも動きとしては打診買いという感触だった。ところが先週末からの中国での感染動向から警戒感はさらに高まり、逃避マネーを集める形で本日のアジアは窓開けの1580.50ドルで寄り付き、そのままフラッシュで1588.40ドルの高値を記録。その後は1580ドルを挟んだ横ばいで推移。日本時間夕刻のロンドンの時間帯に入り、NYダウ先物などが400ドル安程度で推移していることから、金はNYの早朝に向けて騰勢を強めつつある(日本時間20時)。

異例の上昇相場となっていた米国株市場だけに、今回の新型コロナウイルス肺炎は利益確定売りの“きっかけ”になったという見方があり、確かにそうした側面はあろう。感染の広がりがどの程度で収まるのか、長引けばもともと米中摩擦で傷んでいる中国経済ゆえにさらなる痛手となる。武漢市が移動制限を23日午前10時に実際に発動する8時間前に、事前にネットにて封鎖実施を流していたとの話があり、それを見て封鎖前に武漢市から数十万人が外に出ているとの話がある。この話が事実ならば、これから感染者の増加は加速する可能性が出てくる。感染の急拡大が中国国内にとどまるのか否かが次のポイントに。

アジアの寄り付き早々に1588.40ドルまで跳ねた際に流れていたのは、米国でも新たにカリフォルニアやアリゾナで新たに3名の感染者が発生、患者数は5名になったというニュースだった。今夜の米国株がどのように反応するか。おそらくここから少なくとも1週間はマーケットも新型コロナウイルスに翻弄されることになりそうだ。NY金の1580ドル台は、年初に米イラン間の軍事的緊張の高まりの中で商いをこなした水準だけに、1600ドル処に控える売り物をこなせば回転が利き始めることになる。

2020年の金市場上昇の背景となる本命の材料以外のイベントに、またまた煽られるような上昇だが、年初同様にテクニカル面の改善につながり、さらに内部要因の改善から水準を切り上げることになりそうだ。

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