欧州の時間帯では、(前週末に市場が好感した)救済基金として今月立ち上げる予定の「欧州安定メカニズム(ESM)」による苦境に陥った国の国債を買い上げる合意に対し、フィンランド政府が2日に「フィンランドは市場からの国債購入に反対した参加国の一つだ」と発表したことが波紋を投げかけた。フィンランドにとどまらずオランダなども反対の意向と見られており、合意が一前岩ではないことが表面化することになった。国債の買い上げは言うまでもなく緊急避難的措置につき、ユーロ圏17ヵ国の合意が必要とされている。警戒感の高まりから2日はユーロが失速、金も戻り売りが出た。しかし、ISMで売りの流れは止まった。
6月の「米ISM製造業景況指数」は悪かった。この指数は50を境に下回ると経済活動が縮小を意味するが、2009年7月以来3年ぶりとなる予想外の50割れとなった。先行指数として注目度の高い新規受注が前月比12.3落ちる47.8となったことが懸念を高めた。単月の落ち込みとしては同時多発テロ以来の落ち込みに。このところ住宅関連指数こそやや光が差す気配がある程度で、その他は軒並み陰りが強くなっている。こうなるとQE3の可能性は、期待ではなくリアルに高まってくる。必然的に今夜の5月製造業受注など普段なら大きな関心を向けられないデータも存在感を増してくるわけだ。ユーロドルの動きを離れた、金独自の動きが見られるのはこういうタイミング。
市場は週末6日の雇用統計は、パッとしないと見ている。もともとバーナンキ議長は春先に雇用が伸びている時もメディアが騒ぐのをよそに楽観はしていなかった。増えているのは減らし過ぎた「反動」としていた。逆に4、5月と落ちた際にも(記者会見の内容などから)そう慌てることもなかったように見える。しいて言えば4月の数字の下方修正の程度が大きかったことくらいか。いずれにしても今週発表される6月の結果、あるいは7月の結果がポイント。
流れからいって先日のFOMC後の21日の50ドル超の急落は、事態の流れからは、意味不明の売りに映った。アルゴ取引のファンドの動きが市場のかく乱要因になっており、“金価格の分裂”とでも呼びたい環境といえる。あの時は世界のデフレ化懸念も売りの背中を押したのだろう。
さてQE3だが、実行されれば金市場にも相応の影響力はあろう。しかし、一方で織り込みつつあるのも事実で、以前であれば値位置からも高値更新の最強ドライバーといえたが、いまや必要条件という感じ。戻り高値更新には、プラスαの材料が必要となりそうだ。それが意識されるのが、遅くとも9月ということか。
6月の「米ISM製造業景況指数」は悪かった。この指数は50を境に下回ると経済活動が縮小を意味するが、2009年7月以来3年ぶりとなる予想外の50割れとなった。先行指数として注目度の高い新規受注が前月比12.3落ちる47.8となったことが懸念を高めた。単月の落ち込みとしては同時多発テロ以来の落ち込みに。このところ住宅関連指数こそやや光が差す気配がある程度で、その他は軒並み陰りが強くなっている。こうなるとQE3の可能性は、期待ではなくリアルに高まってくる。必然的に今夜の5月製造業受注など普段なら大きな関心を向けられないデータも存在感を増してくるわけだ。ユーロドルの動きを離れた、金独自の動きが見られるのはこういうタイミング。
市場は週末6日の雇用統計は、パッとしないと見ている。もともとバーナンキ議長は春先に雇用が伸びている時もメディアが騒ぐのをよそに楽観はしていなかった。増えているのは減らし過ぎた「反動」としていた。逆に4、5月と落ちた際にも(記者会見の内容などから)そう慌てることもなかったように見える。しいて言えば4月の数字の下方修正の程度が大きかったことくらいか。いずれにしても今週発表される6月の結果、あるいは7月の結果がポイント。
流れからいって先日のFOMC後の21日の50ドル超の急落は、事態の流れからは、意味不明の売りに映った。アルゴ取引のファンドの動きが市場のかく乱要因になっており、“金価格の分裂”とでも呼びたい環境といえる。あの時は世界のデフレ化懸念も売りの背中を押したのだろう。
さてQE3だが、実行されれば金市場にも相応の影響力はあろう。しかし、一方で織り込みつつあるのも事実で、以前であれば値位置からも高値更新の最強ドライバーといえたが、いまや必要条件という感じ。戻り高値更新には、プラスαの材料が必要となりそうだ。それが意識されるのが、遅くとも9月ということか。