亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

跳ね上がったといっても、まだ10台のVIX

2017年05月18日 21時35分10秒 | 金市場
踏ん張っていたNY株がついに、というか、目立って売られた。5月9日のここにVIX指数が1993年12月以来の10割れとなったことを取りあげた。その際に自分なりの解釈として、この指数は先を示すものというよりも「遅行指数」であり、早い話が、株価の後追いで数値が動いていると解釈しているとした。その際に、2営業日連続で10割れとなったことは、2006年11月にあった1回切りということを取りあげた。実は、その9日に10を割れており史上(というと大袈裟だが)2回目のことが起きていた。

逆にいえば、それだけS&P500種平均が、カンカンの強気に買われていたことを表すということ。トランプ政権の、大統領の不手際も吹き飛ばすような株価の強さの背景には、おおむね企業業績がいいこと、そして何だかんだいっても公約に掲げた減税、インフラ投資、規制緩和は規模の縮小はあれ実行されるだろうという期待があったと思う。10割れの背景に、フランス大統領選を無難に超えたという要素もあったろう。ヨーロッパ政治リスクに対する緊張から弛緩への振れが、高みにある株式市場への更なる資金移動を引き起こし、上振れを起こした結果が2日連続のVIX10割れだった。

その裏側で金は1200ドル方向に売られた。しかし、実需のサポートがみられ、1200割れには至らなかった。

思えば前回2日連続10割れの2006年11月といえば、サブプライム関連の問題が、火を噴く直前のタイミングだった。

この一両日に起きているのは、波状攻撃のようにやってくるトランプ不手際の再発だが、今回は質的に国家の基本理念に抵触する要素もあり、終息には時間がかかりそうだ。支持率がこの先、下がれば政権の屋台骨が揺らぐかも知れぬ事態。捜査当局を敵に回してしまったのが、致命傷かも。

株安が先物売りでなく現物を伴ったものなら調整は深まり、そのおりにセントメントの指数が急低下すると、FRBも想定通り進められないという意味で困ったことになりそうだ。

跳ね上がったといっても、まだ10台のVIX指数。どこまで上がるか。

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