亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

目が離せない5月24日

2017年05月19日 23時55分43秒 | 金市場

先日ここに捜査当局を敵に回したトランプ大統領だが、結構まずいことになりそうといったニュアンスで書いた。これからロシアンゲート事件は、内部から、いろんな情報がもたらせることになるのだろう。その中には、大統領が言う“フェイク”(でっちあげ)もあろうが、一方で本来ならば一部の人間しかアクセスできない情報もあるのだろう。足元で辞任した国家安全保障補佐官だったマイケル・フリン氏について、トルコのロビイスト的な働きをしていたとのニュースが流れている。

5月18日のNY市場の金価格は、7営業日ぶりの反落となった。前日に1日で20ドル超上昇し、一気に節目の1250ドルを抜けたことに加え、そこまで6連騰ということから利益確定売りが出ることになった。この日は、前日372ドルの大幅安に見舞われたNYダウが56ドル高になったように、NYの主要株式指数は軒並み反発となった。印象としてはNY株は自律的反発といったところ。対して敢えて表現するならば、金は前日の急騰に対する“自律的反落”といったところか。

トランプ大統領が、当時のコミーFBI長官に捜査中止圧力をかけたのではという問題。共和党保守派などの間でも司法権の侵害という事態は、伝統的な米国統治システムを揺るがすものとして、タブー視し容認しないとの空気が強いもの。そうした圧力もあってか、米司法省は17日に元FBI長官のロバート・モラー氏を特別検察官に任命した。独立した捜査を進め、訴追の権限を持つ役職となる。

興味深いのは、先日、トランプ大統領にコミー(前)長官の解任を文書で進言したと報じられたローゼンスタイン司法副長官が決定したこと。ホワイトハウスには発表30分前に伝えられ、大統領には「寝耳に水」だったとされる。トランプ大統領は、直後は、徹底調査を望む旨の声明を出したものの、その後「米国市場最大の政治家を対象にした魔女狩りだ」とツィートした。なお、話題の中心のコミー前FBI長官の議会証言が来週24日に行われる予定となっている。何が飛び出すか。同じ日には、5月のFOMC(連邦公開市場委員会)の議事録要旨も発表される。5月24日は、金のみならず市場全般を見る上でも、ますます目が離せない日となった。

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