亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

にわかに上向いた金

2014年01月24日 23時56分43秒 | 金市場

結局24ドルほど上昇した23日のドル建て金価格は、NY市場では通常取引の終値ベースで昨年11月19日以来となる9週間ぶりの高値となった。この上昇の背景を当日発表された米国の経済指標がパッとせずドルが売られ金が買われた・・・・というふうにブルームバグもロイターやダウ・ジョーンズも伝えていた。しかし、これは疑問だ。はっきりいって発表された指標はそれほど悪くはなかった。確かに市場予想を下回るものがあったが、ドルが大きく売られるほどの程度でもないし、目立って金が上がるほどの内容でもなかった。

背景として説得力のあったのは、ロンドンの時間帯から買いが膨らんでいたことから、インド議会与党のトップが金の輸入規制の解除を求める書簡を商務大臣に送ったというもの。具体的には、インドでは昨年の9月に金の輸入関税が10%まで引き上げられた後にさらに輸入した量の20%を再輸出しないと、次の輸入が認可されないという規制を設けているが、それを撤廃しようというもの。輸入関税の引き下げ見通しは年初から市場内で流れており月内に何らかの緩和策が出るのではという見方もあった。規制を厳格化した結果、かつてのように密輸が横行し始めたことが緩和を促す働きかけになっているようだ。後はユーロ圏の製造業景況指数(PMI)に改善が見られ2011年半ば以来の高水準まで改善したことは、確かにユーロ高、ドル安の流れを作り、金の買戻しの背景となったというのもあるが、これも理屈では確かに言える・・という程度。

独歩高に近い形での23日の上昇は、ファンドのショートカバーにしても新規買いにしても、彼らを揺り動かすものが市場内で起きているというのは、うがち過ぎか・・・・ね。シルバーも連れ高しているが、値の荒いシルバーより金の動きの方が大きかった。本日もアジアの時間帯では弱含んだものの、またロンドンから金は買われている。一方で大手の山がストに入ったプラチナは目立って下げている状況。

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