亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ETF談義

2006年06月15日 22時21分20秒 | 金市場
結局5月の米消費者物価は例のエネルギーと食品抜きのコア指数で前年同月比でプラス2.4%。これはFRBの許容する1~2%を超える水準。月末29日のFOMCでの利上げが固まりつつある。一方の地区連銀経済報告は減速を示唆。とくに住宅部門。この中で利上げに向かうんだろうかね。インフレ関連データはこれで一巡のするので、織り込み済みということで株は戻している。株が戻ると全体が落ち着くというパターン。明日は米1-3月期の経常収支の発表だけど、少々の赤字拡大となってもこのタイミングでは無視するんだろうか。

今日は、わざわざ大阪から金ETF(上場投信)に関する取材に見えた記者氏がいたのだが、話していて当方も頭の整理が出来てよかった。個別のコモディティETFについて路をつけたという点で金ETFは画期的だったといえるが、投信の中では、やはりそれなりに異質な存在でありNY上場を巡って米SEC(証券取引委員会)が難色を示したのも無理からぬところ。本来的にETFは有価証券のポートフォリオで構成されるが、金ETFは所有権の証券化であってNYのstreetTRACKSなど連邦法の投資会社法ではなくニューヨーク州法で組成された信託を元にするという工夫の産物。結局、ETFに新たな可能性を吹き込んだという位置付けになっている。それはそうと、書いていて思いだしたがシカゴでは確か5月から中古住宅の先物取引が始まっている。転売市場が(・・・といっても別に取引所があるわけではないけどね)確立している米国ならではということだが、住宅の先物買いあるいは先物売りなどというのも発想として面白い。確かにヘッジで使えそうだ・・・といっても個人では難しいんだろうなぁ。詳しくは知らないけど。・・・と書いて思い出したが昔、個人的に、国内で一定条件をヒットすると金現物で償還される債券はできないものかと考えたことがあったっけ・・・。時代は流れ可能性が出てきた。産金会社(といっても国内でそう呼べるのは住友金属鉱山1社だけだけど)のファイナンスに使えないかと。「金現物償還条項付きノックアウト型デジタル・クーポン社債」なぁ~んちゃって・・・・。証券会社の人は考えてみたらどうだろう。キャッチ・コピーは個人国債では対応不可、ほんものの「インフレ対応型社債」登場・・・でインフレ懸念高まりのなかで売られていたんじゃしょうがないねぇ・・金も。
それでもスポット価格で570ドル台半ばまで戻ってきた。目が回るようなトレードが続いている。

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