(利上げの間合いを計るFED)
先週の水曜日26日にここに以下のように書いた。
「株式市場に落ち着きが出ると、関心は再び米国指標の結果に戻ることになるが、たとえば本日発表の7月の耐久財受注なども予想を上回る結果となっているので、好結果が続くとまたぞろ9月利上げ観測が高まることになりそうだ。センチメントはコロコロ変わるのが習い。あれだけ悲観に傾いたのにねぇ・・・・と、のど元過ぎれば熱さ忘れるのは、金融市場のパターン。」
注目のワイオミング州の避暑地ジャクソンホールでのシンポジウムが終わった。利上げが迫るタイミングゆえにメディアはFRB高官に取材攻勢をかけたようだ。結局、8月下旬にかけての世界同時株安に象徴される不安定な金融市場の状況は、FRBとしては注視するということで、無視はできないということに。ただし、不安定な動きの間にも全体としては市場は円滑に機能したことから、多少の混乱は乗り越えられると読んだと見られる。実際に、銀行や証券会社などに今回の混乱によるプレッシャーは見られなかった点も評価しているようだ。
つまり、26日に書いたような市場センチメントだけでなく、FRB関係者やそれ以外の中銀関係者も金融システムの安定維持には自信を深めたとされる。とはいえ、実際にはホッと一安心ということか。ただし、事態がほんとうにこれで終息したらということだが。米利上げを巡る流れは、再び“指標次第”が前面に押し立てられたので、金曜日の雇用統計に対する市場の反応が大きくなりそうだ。ファンドのショートカバーが続く金市場は、それゆえ“底堅い” のだが、溜まっていた浮上力(ショート)が、ジワジワと使われているような印象が強い。
利上げに話を戻すと、“FRBは利上げをしたい” わけで、その環境も整ったと思っている。しかし、各種指標がそろっているにもかかわらず成長のスピード感が高まらない中での利上げが気にかかる。その象徴がインフレ率ということ。しかし、先送りでタイミングを逸する可能性も高まって来た。“年内に利上げ” も半ば公言したことから、信認維持のためにもやりたい。もう9月だ12月だと言わないで、タイミングが合えば10月でもOKということのようだ。