先月8月の末、新丸ビルで仕事があり、時間があったので帰りに近くにある大型書店の丸善に立ち寄った。そこで見つけたのが「金融危機後の世界(ジャック・アタリ)」だった。タイトルに目がとまり、中身をざっと見て、面白そうだと即購入。「21世紀の世界」の著者と同一人物と知る。約1カ月そのまま放置。この週末の大阪出張で持ち出し、移動中を中心に読んだ。いろんな意味で勉強になる本だと思う。金融経済史の整理という面でもお薦めの1冊と思う。当方にとっては、かなり細かな記述があるので、頭の整理とともに、読み進んでいるなかで自分なりの思考に著者の見方を参考にして、「なるほどこういうシナリオもあるぜ!」と思いつくこともあった。受験時代の癖もあって、じっくり読み込む方なので、まだすべて読み終わったわけではないが、正直、こういう本に出会うとうれしくなる。
著者は経済学者であり思想家としても評価が高い。ところが、この本の中に金に関する記述があるのだが、それが間違っていた。校正上のミスというのではなく内容なのだが、第一章の75ページに時系列で金融上の出来事をリビューするなかで1999年に米国で銀行、証券業務の分業規制(グラス・スティーガル法)を撤廃したことで、投資銀行業務が急拡大し、やがて金融バブルにつながってゆくという部分がある。そのなかで「この年、金の相場価格は、1オンス当たり1000ドルに達した」とある。誤訳なのかと思ったが、それはなかろう。1999年は、1000ドルどころか金は20年来の安値である250ドル台まで売り叩かれ、「ワシントン協定」という公的売却と貸出制限が締結された年でもある。180度展開が異なるのだ。
なぜここで、この誤りを指摘するのかというと、“大きな”誤りということもあるが、一般的に金市場の外の専門家や評論家という人々の金分野に関する記述や分析などで、はぁ?!と驚くものが少なくないからだ。今回の件は何かの“勘違い”と思われるが、多くは金市場に関する基本的な知識の無さからくるものも多い。なかには著者自身が書いたものではない書籍(いわゆるゴーストライター)もあると思われるが、先日もある経済評論家の手による有料レポートにあった金鉱株関連の内容の正誤の質問を受けたのだが、なんでこんな?というほどの間違いだった。これは、国内で金市場に関する情報が少ないということもあろう。しかし、それだけにこうした誤った記載のあるものを一般の読者が読んでも、誤りに気付かないでそのまま受け取るということなので、困りものなのだ。まぁ、かく言う当方も不注意を含め、これまで誤りはなかったとは言い切れない。気をつけるという点では、まず「隗より始めよ」ということか。
著者は経済学者であり思想家としても評価が高い。ところが、この本の中に金に関する記述があるのだが、それが間違っていた。校正上のミスというのではなく内容なのだが、第一章の75ページに時系列で金融上の出来事をリビューするなかで1999年に米国で銀行、証券業務の分業規制(グラス・スティーガル法)を撤廃したことで、投資銀行業務が急拡大し、やがて金融バブルにつながってゆくという部分がある。そのなかで「この年、金の相場価格は、1オンス当たり1000ドルに達した」とある。誤訳なのかと思ったが、それはなかろう。1999年は、1000ドルどころか金は20年来の安値である250ドル台まで売り叩かれ、「ワシントン協定」という公的売却と貸出制限が締結された年でもある。180度展開が異なるのだ。
なぜここで、この誤りを指摘するのかというと、“大きな”誤りということもあるが、一般的に金市場の外の専門家や評論家という人々の金分野に関する記述や分析などで、はぁ?!と驚くものが少なくないからだ。今回の件は何かの“勘違い”と思われるが、多くは金市場に関する基本的な知識の無さからくるものも多い。なかには著者自身が書いたものではない書籍(いわゆるゴーストライター)もあると思われるが、先日もある経済評論家の手による有料レポートにあった金鉱株関連の内容の正誤の質問を受けたのだが、なんでこんな?というほどの間違いだった。これは、国内で金市場に関する情報が少ないということもあろう。しかし、それだけにこうした誤った記載のあるものを一般の読者が読んでも、誤りに気付かないでそのまま受け取るということなので、困りものなのだ。まぁ、かく言う当方も不注意を含め、これまで誤りはなかったとは言い切れない。気をつけるという点では、まず「隗より始めよ」ということか。
ブリオンデスクが英語情報では前はよかったのですが、最近はもう無料情報はやる気なくしてますね。大手の情報ばかりで。
GATAは、Goldbug情報は無視すれば、小さな情報は上げてくれますが、それでも上げ一辺倒に変わりはない
もっともファンダメンタルに精通しても、金市場小さいですから投機資金で簡単に動いてしまいますから、その意味であまり意味のない物かも知れません
今ちらっと読みましたが、ガーナのPMMCという鉱山会社が去年の4倍産出量を増やしてるという記事なんて、金相場になんの関係もないですものね。
ジャック アタリは僕も読んでいる時におかしいなと思い、アマゾンのレビューで指摘している人がいるかもと思い、見てみましたがありませんでした。
指摘してくださったおかげですっきりしました。
お体に気をつけてこれからもがんばってください。