亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ロボット・トレードの攪乱

2014年01月07日 22時04分44秒 | 金市場

年始から金市場は、またまたフラッシュ・トレードに攪乱されることになった。昨夜、更新して少し経ったタイミングだった。ダウ・ジョーンズによると現地の時間は午前10時14分から15分となっていたが、この間に1万1000コントラクト(≒34トン)もの大量の売りが出され、価格は1245.40ドルから1212.60ドルに33ドルも棒下げ状態に。まさにFlashという感じ。コンピュータートレードの成せる業だが、1秒間に4000コントラクトの売買が成立したとされたという話もあるようだ。昨年も頻発した急落というより棒下げ(時に棒上げ)の際には1秒間に1000コントラクト程度とのことで、規模的にも珍しいものだったようだ。

じつは、昨夜は日経がいま1面で「リアルの逆襲」という特集を組んでいて3日の第1回目がこの超高速取引が取り上げられていたので、当初はそのことを書こうと思っていて変更したのだった。というのも、ある業界誌にこのHFTが取り上げられていて、SEC(米証券取引委員会)の調べでは、2013年4-6月期の米株式市場での売買注文のうち成約されたものはわずか3.2%だったというものがあり驚いたからだ。状況をインプットされている判断材料に照らし合わせながら、出したり引込めたりという作業を人が瞬(まばた)きする間に数百回繰り返すというのだから、なんともはや・・・なのだ。そういう世界が現れて相応の時間が経っているが、改めて考えるとこのままでいいのかとも思う。要は、薄利をとめどなく重ねて大きな利益を得るわけだが、その内、不測の価格変動がロボット・トレード間で共鳴現象のようなものを起こして大暴落や大暴騰を作ってしまうことも珍しくなくなるかもね。すでに一昨年だったか5月にNYSEで起きてはいるが。

6日のNY金市場では、1分で棒下げしたものが10分で値を戻すことになった。取引が薄いだけに、これからも起きそうだ。

本日は七草ですな。私にとって七草粥は「薬」です。

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2 コメント

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Unknown (fairlane)
2014-01-08 01:21:55
その昔、CBOTの板が無料で見れたんですよね その頃でもすさまじく注文が入れ替わってて、トコムなど超スローモーに思えました
今回の件はfatfingerと読みましたが、仕掛けだったのですか・・・

今年は市場が5日からだったので、七草があまり市場に出ませんでしたね 
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Unknown (ささやか)
2014-01-08 05:27:35
2000年代の金は実物資産として実需に基づく動きをしていました。2010年代の今は完全に金融資産として機能しているみたいに見えます。ETFの上場によってもたらされた変化かも、と思います。
今、振り返れば700ドルが起点だったのかもしれない…
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