亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ほどよい売りの材料になった6月の米雇用統計

2019年07月08日 17時19分22秒 | 金市場
先週末のNY金は、6月の米雇用統計にて前月比雇用者数の増加が予想比で大きく上振れとなり、大幅反落となった。独立記念日を挟んだ連休で薄商いと言いたいところだが、いったん動き出すとロボットトレードで取引量は増える。もともと前営業日に引値ベースで約6年2週間ぶりのカ月ぶりの高値水準(1420.90ドル)にあったことから、益出し売りのきっかけにはちょうど良かったということか。

景気動向を表すとされる前月比での(非農業部門)雇用者数が22万4000人増と予想の16万人を大きく上回り、一方、失業率は3.7%と前月の3.6%から上昇。仕事探しをする人が増えたこと(労働参加率の上昇)が背景。失業率は引き続き約50年ぶりの低水準にある。インフレ率との関連で注目される時間当たり賃金(平均時給)は前月比0.2%増と(0.2%増から上方修正された)前月の0.3%増から鈍化。前年同月比では2カ月連続で3.1%増となった。雇用者数の月別の振れが大きくなっていることから、大幅増加がどの程度続くかが問われる。それより加速しない賃金上昇の方をFRBは注目ということだろう。

いずれにしても結果判明とともにまとまった売りが出て、NY金は発表直前の1416.10ドルから1398.70ドルに急落。押し目買いから反発するも1405.20ドルが限界で、その後は水準を切り下げながら進行、午前10時前には1388.60ドルの安値を記録。この価格がこの日の安値となった。以後は買戻しの動きに下げ幅を縮めたものの1400ドル近辺での横ばいに移行し、そのまま取引を終了した。NYコメックスの通常取引清算値は前日比20.80ドル安の1400.10ドルで終了となった。大きく下げたものの終値ベースで心理的な節目1400ドルを維持したことになる。

いつもは金曜日夕刻に発表されるCFTC(米商品先物取引委員会)のデータが、独立記念日の関係で週明けにズレ込んでいるが、どの程度ファンドが新規買建てしているか見もの。



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