亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

財政急拡大の中で高まるFRBへの期待

2021年01月27日 20時40分45秒 | 金市場
1月26日のNY市場の金価格は、続落となりなった。前日比4.30ドル安の1850.90ドルが通常取引の終値。4日連続の下げとなる。意外なことに4営業日続落は、昨年4月30日までの5営業日続落以来のこと。それに特段の意味を見出すわけではないが、昨年11月のワクチン騒動で大きく下げた際にも連続的な下げは3営業日に収まっていたというのは、そこまで意識はしていなかったが、トレンド転換していないことを表すと言えるだろう。環境が変わって売られるときは、もっと続くと思う。ちなみに2015年7月には、10営業日連続安ということがあった。営業日なので、2週間以上下げが続いたことになる。

さて本日はFOMC(連邦公開市場委員会)。大方の見方は、政策方針に変化なしの無風というもの。失業保険新規申請件数の再拡大など労働市場の失速が認められる中で現状認識などどう変わるのか。市場では年始に上下両院を民主党が支配し「ブルーウエーブ」状態が出現したことから、(大規模財政支出⇒早期の経済正常化⇒)米連邦準備理事会(FRB)による超緩和策の縮小観測が高まり金は大きく売られた。ここで“ノイズ”と書いたと思うが、そうした見方は金融市場特有の連想ゲームのようなもので、頭の隅に置いておく必要はあるものの、現時点で通奏低音あるいは通奏「底流」の類といえるもの。

今回は声明文よりも、委員会終了後のパウエルFRB議長の記者会見に注目が集まる。変異種の登場もあり新型コロナ感染拡大の経済への影響が指標に現れる中で、まずは、インフレが持続的に2%を上回るまで大規模な金融緩和を長期にわたり維持するという従来のスタンスを強調するとみられる。

その上で、イエレン新財務長官が就任前の公聴会で、1.9兆ドルの追加経済対策案に際して財政赤字拡大容認発言をして注目されたが、パウエル議長が同じテーマにどのような発言をするか興味深い。おそらく記者の質問事項に上がるだろう。「Act Big(大きな行動が必要)」と説いたイエレン財務長官の発言は、国債の大量発行を伴うゆえに、今後、債券市場の安定維持などにFRBが果たすべき役割は大きくなると思われる。

3年前まで、ともに金融政策を担ってきた仲とはいえ、一定の線引きはするだろうが、どの程度新政権の経済対策(いわゆる)「バイデノミクス」をサポートするニュアンスの発言をするのか否か。巨額財政を維持可能にするのは、(公聴会での)イエレン発言にもあった「低金利環境」が持続されることが前提となる。国債大量発行の市場環境の地ならし役としての、FRBへの期待度もさらに高まることになる。


昨夜のオンライン・セミナー参加の皆様、ありがとうございました。60分は時間不足でした。参加された方から、You Tubeはないのかとの問いかけを、後にもらいました。検討中です。
昨日の、ラジオNIKKEI「マーケット・トレンドPLUS」の放送内容は以下のURLです。先ほど自分で聞いたところ、かなり早口になっていたので、昨夜のオンラインセミナーも時間不足で、このノリだったのか?と、ちと懸念。

マーケット・トレンド・PLUS 2021年1月26日 放送

https://open.spotify.com/episode/0IbfHhI1ECO0RBaprHQu7R



コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (fairlane)
2021-01-28 23:16:00
都合により、セミナー途中からの視聴となりましたが、特に速いとは思いませんでした。詰め込んでるなという印象は確かにありましたが youtubeですか。。いろいろと考えるところありそうですね zoomで期限付きオンデマンド配信のほうがいいのかも。。。
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Unknown (KAMEI)
2021-02-03 20:34:38
やはり詰め込み感はありますね。Zoomの期限付きオンデマンド配信、、、知りませんでした。。。
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