亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

アノマリー

2007年12月05日 17時06分19秒 | 金市場
昨夜のNYの時間帯での金の上昇(約13ドル幅)は、先週4営業日連続で44ドル下げた反動高あるいはショート・カバー(空売りの買い戻し)との見方から、本格反騰に至らずというのが市場内の大方の見方になっている。12月に入りクリスマス休暇も迫り、商いは薄くなってきており、その面でも値だけ飛んだということも否めない。ただし、足元の金融市場の状況がどうにもスッキリしないのも確かで、サブプライム債務者救済でポールソン米財務長官が飛びまわり、地区連銀総裁を含め連銀関係者が利下げ、利下げの合唱を繰り返しても株価すら踊らなくなっている。しかもインターバンク市場での短期金利の上昇が収まらない。その中で薄商いだろうが何だろうが、スルスル値を上げられると、オイオイ・・・・という感じになる。どうしても「信用リスク」という言葉が頭をよぎり、深くて暗いデリバティブ金融市場の奥底で蠢(うごめ)く危機の存在を考えさせることが金市場の調整を遅らせている。750割れ程度はあって不思議ではないから、それが起きれば「ほら、言ったでしょ!」となるが、欧米金融市場がこれまでにない緊張感に包まれているので、それもなかなか。FRB議長の長期政権の後には必ず危機がやってくるという、これは「アノマリー」なのだが、現段階ですでに現実のものになってきた。

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1 コメント

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2006 12 (札幌ken)
2007-12-05 22:39:22
この時期になると来年の話を聞きたくなります。
と同時に昨年の今頃を振り返りたくもなります。
昨年の今頃は600ドル台前半をうろちょろしていたような気がします。このブログでも米国の金融市場が絶好調のような記事が多かったのも今振り返ると感慨深いモノがあります。来年の今頃はどんな話題なんでしょうね。為替・原油・ユーロ・イラン・ロシア・オリンピック後の中国はどうなっているのでしょうか?
最も気になる金価格は600・800それとも1000?そんなことより今度のFOMCかな?
この名前が使いにくくなった私です。
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