亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「イエレン副議長公聴会の証言原稿」

2013年11月14日 17時34分42秒 | 金市場
現地14日午前10時(日本時間今夜0時)から予定されている米上院銀行委員会の次期FRB議長承認の公聴会に出席するイエレンFRB副議長だが、現地13日の午後遅くに公開された。地区連銀総裁などの講演会などのスピーチ原稿が事前に配布されることも多く、事前配布にそれほど違和感はないが、今回は予想されていなかったことからサプライズとなったようだ。

日本時間今夜の公聴会は、もともと共和党保守派の議員の中に量的緩和策を取ったバーナンキ議長のスタンスに根強い反対があり、その路線を踏襲すると見られるイエレン副議長に対してもこの点で突っ込んだ質問が出ると見られている。そのやり取りの中で、市場に不測の混乱を起こさないようにとの配慮が事前配布にはあったのではないかとされる。このところFRBには、市場との対話、コミュニケーションの重視という方針が打ち出されており、その一環とされる。

公表された証言原稿は「米経済は順調に改善しているが、失ったものを回復するまでにはまだ時間がかかるとの」スタンスを示す内容。(足元7.3%の)失業率は「まだあまりに高く、労働市場と経済が潜在水準を大きく下回っていることを表している」となっている。また「インフレ率は依然としてFRB目標の2%に届いておらず、当面は低水準にとどまる公算が大きい」との認識を示す。この点は、バーナンキ議長がこの秋には物価も適正水準に近づくと見られると年前半に指摘していたが、そうならなかったということ。

この失業率の低下と適正なインフレ率という2つの問題克服のためにFRBの政策は発動されており「標準的なものに戻すためには、現時点で回復を支援することこそが最も確実な道」としている。

まさにイエレン次期議長の「最適コントロール」と表現される基本方針を述べたもので、足元の緩和策の継続が読み取れるものとなったことが、発表後の金価格の上昇につながった。

これよりここで告知した中野サンプラザでのセミナー夜の部(18時30分~20時30分)に出掛けます。タイミングよく本日15時にWGCから需給統計も発表されました。

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