ドイツの民間調査会社ZEW(欧州経済調査センター)が発表したドイツの景況感指数は、前回4.3、予想7.0に対し15.4と予想以上の伸びを示し、ユーロ圏経済の牽引国ドイツの好調が改めて確認されたことから、ユーロが買われた。ただし、先週のECB理事会後のトリシェ会見が2%超となっているインフレ率に言及したことを受け、一部に先行きユーロ圏の利上げを囃す向きもいるやに伝えられているが、それはなかろう。
ところで18日に全米ホームビルダー協会(NAHB)が発表した1月の米住宅市場指数は前月から変化なしの16なっていた。3ヵ月連続の16で市場予想自体も17で元々低迷は予想されていた。この指数は50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すので、モロに低迷が続いていることを表す。減税延長などの消費を刺激する施策が講じられる一方で、住宅部門については対応策は打ち出されておらず、また財源の面からも、ねじれ議会という現状からも難しい。本日は12月の住宅着工件数、明日20日には同じく中古住宅販売件数の発表が控えている。
この数日NYコメックスでのファンドの手仕舞い売りに値を崩した金価格だが、1350ドル割れに至るか否かが市場内部の関心事となっていた。先物市場を主体とするファンドの動きに対し、中国を中心とするアジアからの現物の買い引き合いが綱引き状態となっている。レバレッジがかかる分派手な動きにつながりやすいNY主導の動きに対し、地味ながら現物買いが価格を支えるという流れ。それでも住宅部門に明るさが見えない状況は、(カネ余りを受けた株価の上昇もあり)膨れ上がった景気の自律的回復期待に水を差すことになる。金価格の押し上げ要因といえる。
この点は昨年の春にも同じことを言ったので構図は変っていないということ。