亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

何かが静かに動いている

2005年09月13日 14時32分56秒 | 金市場
小泉自民党の圧倒的勝利を受けて目立った動きは株式市場に現れた。予想外の勝利は、比例区で得票数に見合った候補者を自民党自体が立てていなかった(社民党に議席が割り振られた)ことからもわかる。それだけの結果は材料となり、さらに株価を押し上げた。株式市場では、事前に自民勝利の結果判明で「材料出尽し⇒株価下落(調整局面入り)」を読んだショート(空売り)が増えていたので、ショートした人たちにとっては居心地の悪い展開になっていることだろう。それほどここまでの株価の上昇は目立っていたわけだが、今後は新政権(主要閣僚は再任)のお手並み拝見ということになる。

郵政法案以外では何にどう優先順位をつけて動きをとるのか。さっそく憲法改正でもあるまいが白紙委任したわけではなく、その点で民主党の岡田さんが言っていた「国民はバカじゃない」ので目を光らせていることになる。仲間内の話で、民主党は、かつてトヨタに戦いを挑み、いいところまで行ったのに勝手にコケた日産のようだという評があった。ならば大ナタを振るった上で再生はあることになるが、どうか。

金市場は相変わらず上値への挑戦が続いている。NYコメックスは昨年12月の16年ぶりの高値に肉薄する値位置までやってきた。8月31日以来8連騰である。調べてみれば2001年5月の上昇トレンド開始以降これまで7連騰は3度あったが8連騰は始めてである。日本時間昨夜のNYの時間帯では、今週末に控えるドイツの総選挙を材料にユーロドルが売られた(ドル高)にもかかわらず金は値を保った。目立った材料の無いなかで、価格は静かに上げている。伝えられるのは、現物の買い引き合いが旺盛ということ。先週、WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)が発表した4-6月の需要データ(GFMSにデータ集積を委託)が予想を超えた好調ぶりを示したことから、需給に関心が集まっている。価格見通しを上方修正する動きも続いておりゴールドマン・サックスが2005年の平均値を従来の424ドルから433ドルに引き上げた。今後12カ月のレンジを425ドル~475ドルとしている。需給の好調さとドル安が背景という。足元で現物市場がNY先物市場を揺り動かしている。5月にも見られたが、地殻変動のようなイメージの動きである。

何かが静かに動いている。政治の世界と同じなのだ。
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