日本時間明朝のFOMC議事要旨でQTの織り込ませとか、何とかいっていたなら、報じられたようにブレイナード女史のご託宣で、米債総売りで利回り急騰ということになった。
株式市場を驚かせたくないのは、わかるが、ここまでオープンになると、のちのち効果のほどは薄れるのではと、気になったりして・・・・・。足元のNY時間外の米債市場で10年債は、アジアの午前には2.6%を超えていたが、ここまでの最高値は2.660%となる。 本日の議事要旨の発表を前に、なるほど・・・・と。
この日、ミネアポリス連銀のイベントにオンラインで出席したブレイナード理事は、「インフレが高すぎること、そしてインフレを抑えることが最も重要であることは、われわれ全員が絶対的に同意できることだ」とした上で、FRBは「系統的に」利上げを行い、早ければ来月にも約9兆ドルのバランスシートの縮小に着手するとした。前回資産圧縮を進めた2017~19年より力強く急速な経済回復が進んでいると指摘し、当時と比べて「かなり急速な圧縮を想定している」と発言。QTについては一連の利上げと合わせ「市場に織り込まれた利上げ予想以上に金融政策の引き締めに貢献するだろう」とした。
ブレイナード理事は金融引き締めに慎重なハト派の代表格として知られ、現在、金融政策担当副議長に指名されており、議長とともに一定の影響力を有する人物。直接的にQTの引き締め効果に言及したことが、債券市場にはサプライズになったと思われる。10年債利回りは一時2.565%まで上昇し2019年4月以来の2.555%で終了。前日まで見られた2年債利回りを下回る長短金利差逆転(逆イールド)現象は、解消されることになった。
FRBによるQTを介した影響力は大きく、この日の米債市場の反応はもっともなところだろう。しかし、急騰となると市場も混乱気味で、この日、株式市場ではナスダック総合株指数が前日比2.26%と約1カ月ぶりの大幅安で終了した。
昨日書いたように本日発表される3月のFOMC議事要旨にて、次回5月の会合でのQT導入が示唆されるものと思っていたが、FRBの総意として市場に強めの引き締め意向を織り込ませる動きが活発化しているようだ。となれば、10年債は本日ここまでの2.660%が当面の山ということになるのだろうか。もっとも、決めつけてはいるが、発表はこれからゆえに見守ることに。