亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

WSJコラムはパウエル議長は後悔としているのだが・・

2019年02月04日 18時02分10秒 | 金融市場の話題

報じられたように、注目の1月の米雇用統計は、(非農業部門)雇用者増加数が、前月比30万4000人と市場予想(16万5000人)を大きく上回ることになった。またか?!という印象。
というのも、年始の12月分の結果発表の際にも予想(18万4000人増)を大きく上回る30万人超(31万2000人)となり、サプライズとなった経緯がある。

ただし、この12月の数値は今回、22万2000人増に大きく下方改訂された。ブレの大きいデータゆえに、今回の30万4000人増も修正される可能性は大きいと見られる。

失業率については、4.0%に0.1ポイント上昇となったが、政府機関の閉鎖や職探しをする人が増えていること(労働参加率の上昇)から問題視はされなかった。意外性があるのが、平均時給の上昇率が前月比で前回の0.4%増から0.1%増に鈍化したこと。ここまで徐々に水準は切り上がってきたものの、依然としてインフレを加速するような勢いは見られない。30万人超の雇用増の評価も、これで割り引かれることになった。

先週末2日のウォール・ストリート・ジャーナルは、コラム(Heard on the Street)で、今回の雇用統計を受けパウエル議長が発したハト派的なメッセージは間違いで、後悔するのではないか・・とする記事が掲載されていた。FRBはトレンドを見ているわけで、雇用者の増加数だけでそういうことはなかろう。それにしても、データ次第というのは、クラリダ副議長が就任して以来高まっているスタンスで、必要あらば利上げに転じることもあるという含みを残すもの。

しかし、そうなると(ここまでの経緯から)波乱は必至で、難しいと思う。センチメント一発の経済ゆえになおさら。

ところで、冒頭で「またか?!という印象」と書いたが、今回の雇用統計の結果を見て、別のことも思い出した。

現地1月24日の午後に、大統領の経済顧問を意味するクドローNEC(国家経済会議)委員長が、「1月の雇用統計は著しい伸びが示される可能性がある」と発言していたこと。そのとおりの結果に、さすが!というべきなんだろうか。去年のいつだったか、大統領自身が前夜に雇用統計いいぞと、口(キーボード)を滑らしたことがあったと記憶している。だから今回、クドロー発言を受けて、当方の個人的な注目度はさらに上がった。歴代のNEC委員長は、この人ほど表(メディア)には出てこなかったと思う。


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