亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

高値追いの好環境の出現だが・・・

2008年01月25日 17時31分12秒 | 金市場
昨日は都内のある会社の社員研修会の講師ということで話をさせてもらった。昼間の業務終了後ということで18時から90分の予定が、若手を中心とする参加者が熱心に聴いてくれたこともあり当方も熱が入り、会場が先方の自社ホールということもあり延長戦に突入。昨今の金融情勢を交えながら、そのどの部分が金市場との関連が出るのかという点を取り上げた。レート(価格)のチェックもやっていたが、始まる時は892ドル近辺、終わるころには900ドル手前。

結局、昨日は更新出来ずじまいだったが、午前に目にした海外場況にあった「a giant ATM machine」という表現が“言い得て妙で”ここでも紹介しながら一文を書こうと思っていた。この表現は、おわかりと思うが、最近の金市場を表したもので、キャシュ調達のあるいは益出しのための売りの対象に金市場がなっており、世界的な株価急落の余波が金市場の下落につながっている現象を一言で表したもの。なるほど金市場は「巨大なATM」かぁ、うまいなぁ、と思った次第。

ならば株式市場が安定し正常化に向かえば“ATM”に列をなす必要はなくなるわけで、アジア、欧州と株価が急反発するなかで、その通りになったというわけだ。10-12月期の中国のGDPが11.2%と前期の11.5%からさほど落ちていなかったこと、加えてその中身で個人消費にあたる「社会消費品小売総額」が前年比で18.6%増となっていたことも、中国の内需の拡大への期待感を高め、こちらはコモディティ全般の戻りのきっかけをつくった。プラチナもシルバーも穀物も原油もみな上昇。

さて、金市場は高値更新の様相だ。1500億ドルの減税策、0.75%の緊急利下げ、そして月内2度目の利下げの可能性。それをもってしても景気減速は避けられない、というのが大方の見方。ただし心理的な効果もあり株式市場が安定するならば、目先は金市場にとっては高値追いの好環境ということになる。株式市場を落ち着かせた大きな要因は、米金融保証専門保険会社(モノライン)救済策の進展見通しだが、金額が大きく一筋縄ではいかない様相。この動向により、再び“ATMに列をなす”可能性はある。




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4 コメント

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南ア鉱山 (fairlane)
2008-01-25 20:41:23
南ア鉱山の停止の影響はどうでしょうか?プラチナは凄い上げですが。金の場合産出が止まっても即供給不安にはならないと思うのですが。
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プラチナ (K)
2008-01-26 10:40:08
需給規模が金の20分の1、生産地域が南アに偏っているプラチナと生産量で首位の座を転落して中国に明け渡した金では、影響度合いが異なるということですね。
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ありがとうございます (fairlane)
2008-01-26 14:46:49
今少し現地の新聞見ましたが、解決法がソーラーシステムの活用、白熱灯から蛍光灯への切り替え、調理のガスへの切り替え、と書いてありますが。。。。
これで鉱山の電力分捻出できるのでしょうか?

信じられない計画性の無さですね。
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勉強会 (某社社員)
2008-01-29 19:41:08
勉強会ありがとうございました。
ドバイの写真はすごいですね。まだまだ金のマーケットは大きくなるような気がしました。
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