亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

週末ですね

2007年10月13日 20時35分46秒 | 金市場
午前から所用で外出し、午後は都内でセミナー。早朝にチェックしたNYコメックス、ファンドの建て玉はネットで593トンの買い越し。これは過去最高。そして発表された取組もやはり過去最高。昨日もNY上場の金ETF(street TRACKS Gold Shares)の残が増え偶然だが593トン。その他を合わせて776トン。これも過去最高更新。過去最高ばかりの中、高値圏維持。

昨日書いたデリバティブ商品の在庫の評価の件だが、やはり問題になっていて、米財務省とシティやJPモルガンなどとの協議が続いていることが明らかになってきている。ポイントは大手の投資銀行や米系証券の中に簿外で含み損を抱えている可能性が高いこと。それをどうやって穏便に処理するか。こういう環境が足元の金市場をして、調整局面入りを先送りさせていると言えるのではないか。

明日は大阪で日興コーディアル証券主催の少しまとまったセミナー。テーマは「金」を前面に出したものではないものの、金の話に落ち着く予定。それほど今の国際金融の裏は際どいところに差し掛かっていると思われるから。

話は千路に乱れ、打てない虎に勝ち目なし。

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5 コメント

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たきがみ博士 様 (小さな愛犬家)
2007-10-20 22:07:33
 たきがみ博士様、素晴らしい論文を有り難うございました。サブフライムローン問題に深く関心を寄せるものとして大変参考になりました。
 特に今年8月以降の分析は、具体的数字を伴って考察してあり、現在出版されている経済本でもこれほど詳しいものはないと思います。拍手です。
 ヘッジファンドの元凶の米英が打撃をこうむるのは、結局「つけは払わなければならない」のだから仕方ないと思うのですが、日本がどうなるかについては更なる考察を期待いたします。
 私は怠惰な人間なので数字を伴う経済分析は苦手ですが、いわゆる「路地裏経済学」的に、生きている生活経済の中からいわゆる経済心理学の手法を使って独自の経済分析を研究しているつもりです。
 バブルが崩壊して英米がインフレになるのは仕方ないとしても、日米同盟という縛りを抜きにして考えると、日本経済の未来は以外に明るいものになっている気がします。経済学的には、堺屋太一さんや伊藤元重さん森永卓郎さんに近い見解です。
 結論的には、経済の軸を「日米」から「日中」へゆっくりと無理なくシフトさせることです。遠い将来は、円と元が中心になって「東アジア通貨」を創設するのも良いかもしれない。
 中国は、「都市と農村の二重格差問題」や「環境問題」などで問題が多く、上海バブルの崩壊が当面の課題となっているが、経済で一番大切な物造りを世界一の規模で進めている国で、労働者は基本的に真面目だしやる気があります。歴史学者のアーノルド・トインビーが1950年ごろ予測していた通りの展開です。日中は深い交易の歴史があるわけで、距離も近いし同じアジア人だから、不幸な戦争の歴史以前のことを考えるべきです。
 現在の日本の技術・研究能力と、中国の生産・成長能力が協力すれば、素晴らしい経済発展が期待できます。政治的にはいろいろ問題が多いはずですが、これは小泉構造改革のように急いでやるのではなく、ゆっくり前進させていけばよい話です。現実に日中貿易は必要条件になっている。
 トヨタは目標を中国へととっくにシフトしさせたということですし、あとは憲法改正問題も含めて政治家が日本のビジョンを明確にさせることです。
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バブル「崩壊」は忘れない! (小さな愛犬家)
2007-10-15 09:11:45
 ガルブレイスは「バブルの記憶はせいぜい20年」と言っています。「崩壊」で痛い思いをしても結局忘れて、また同じことを繰り返すと言う意味です。
 米国ではITバブルが2000年に崩壊しました。でも今回の「悪魔のサブプライムローン」は質も規模も違います。
 金融技術がいかに発展しようとも「詐欺」は「詐欺」なのです。マグニチュードの大きかった日本のバブル崩壊の時でさえこのような悪さはなかった。日本は関係者が被害を受けただけだが、今度は世界中が被害を受け、何よりも米国そのものの「信用」が失われている。そして日本人は「崩壊を体で覚えている」。
 株など金市場も含めた現在の高値は、ヘッジファンドの最後の悪あがきです。伝統ある金市場が、ヘッジファンドの悪貨に駆逐されることのないよう祈ります。
返信する
Unknown (ささやか)
2007-10-14 21:03:36
亀井先生

本日のお話、ありがとうございました。
金価格高値更新はうれしいけれど、
こんなに長く高止まりしているなんて
何故だろう?と不思議でした。
プロが花見酒の経済でご機嫌?それ、少し変、と思ってました。
用心して手仕舞いしたものが値を上げているのを見ると、早まったかな?と忸怩たる思いがしていたのですが、ふっきれました。
地金は大事に保管してます。
売るほど持ってませんし、「まさか」に備えて買ったんですもの。
金が安くなっても「まさか」がなければもっと良い、と思って大事にします。
返信する
信用の膨張と収縮が、引き起こす事態を構想する (たきがみ博士)
2007-10-14 14:41:47
 
「信用の膨張と収縮が、引き起こす事態を構想する」と題して、
 
 資料を編集しました。
 
 イントロ部を紹介させていただきます。
 
 
 <INDEX>
  1.環境認識 (固有の足枷&矛盾の増幅)  
  2.信用創造メカニズム    
  3.信用膨張への道程 (070701まで)
  4.070809何が起こったのか    
  5.070809事態の再確認    
  6.これからのシナリオ    
  7.結論 (行動につなげる)  
 
マネーの量が実物経済で商取引に必要とする量以上になれば、
 
いずれ物価・資産価格が高騰し、通貨の購買力は、下がる。
 
 
世界の金融資産(預金+債券の時価+株の時価+年金基金など)の
 
増加が意味するのは、それを借りている人の負債の増加です。
 
借りた人が、利払いと返済ができるから、金融資産には価値がある。
 
金融資産は、金庫にあるだけでは金利が払えない。誰かが借りて投資し、
 
利益を生まねば意味はない。
 
 
世界の金融資産の合計は、世界のGDPの3倍に膨らんでいる。
 
これは、世界の商品生産金額の3年分が負債になっていることに等しい。
 
 
つまり、今の金融資産は、今後も利を生む資産として、維持可能ではない。
 
 
行き着く先は、長期のインフレ、通貨価値(購買力)の下落です。
 
その先駆けが、世界でもっとも使われている米ドルの価値の下落から始まる。
 
 
ヘッジファンド危機が、信用縮小の根底にあり、
 
そのヘッジファンドに、レバレッジで資金を貸しているのが銀行・証券会社・
 
保険会社です。
 
 
借りた人の危機は、貸した人の危機でもある。
 
 
第二幕の開演は近い!
 
 
◆◇「信用の膨張と収縮が、引き起こす事態を構想する」◇◆
http://www.terra.dti.ne.jp/~tokimeki/pdf/subprimepdf
 
 
*Systems Research Ltd. consultant 吉田さんの
 『ビジネス知識源プレミアム』
 (https://reader.premium.mag2.com/servlet/RequestMagSubscAfRegist?mid=P0000018&pid=8C3BBC5F9210F8E6&sid=S0002684
 をもとにして、内容を構成・編集したものです。
 
返信する
要するに飛ばし? (いつも拝見しております)
2007-10-14 00:54:17
お疲れさまです。

以前から、ウォールストリートとFRBは近い仲と言われてきたとおりの展開となりそうですね。詳細は極秘でしょうけどシティといいJPといいFRBの大株主じゃなかったかな?FRBが飛ばしに絡めばなかなかどうして見事で立派な救済策となるでしょう。これで手打ちとできるかどうか?
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