亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

下げ渋る金価格 難しくなっている政策変更

2013年11月06日 23時55分14秒 | 金市場
本日は午後15時20分から50分までラジオNikkeiの生放送出演だった。ラジオの放送時間をコアにして前後それぞれ5分ほどを延長して「Uストリーム」でも視聴できるという、最近よくある形の放送だった。テーマは金市場だが方向感の出ない足元の相場をどう読むか。このところ弱気の見方が広がっている金市場だが、さりとて1300ドル大台は(かろうじて)維持している。実は米財政協議の先送りが決まった日に1300ドル台を回復し、以後この水準を保っている。つまり10月16日以降のこと。

以前、ここでも取り上げたが先送りした財政協議について12月3日(超党派委員会による財政支出削減の協議)、2014年1月15日(暫定予算切れ)、2014年2月7日(連邦債務上限の引き上げ)のいずれもが、前後して開かれるFOMCのスケジュールと微妙に重なる。これらの“決め事”がしっかり定まらないと、FRBとしても政策変更に着手できないと思われる。もちろん政策は経済指標の結果により判断するとしているので、これらの政治日程が未消化であっても指標が満足のいくものであれば、この限りに非ずということ。ただし、これから1~2ヵ月の間に説得力のある回復を示すデータが出てくるのは難しかろう。

さらに9月の資産買い取り縮小着手を見送った際に、サプライズとなったことが物語るが、株から為替そして商品市場まで、多くが着手を織り込んでいた。いわば心の準備ができていたわけだ。それが見送りでご破算にしてしまったことから、FRBとしては着手がむしろ難しくなってしまった。いまだに12月の政策変更を読む向きも存在するが、仮にごくわずかな縮小たとえば50億ドルの縮小に乗り出した場合、その影響は大きく、株式市場などクリスマス商戦の真っ最中にも関わらず、大きく値を下げることだろう。こうなると消費者心理にまで影響を及ぼすことになる。そうした可能性が否定できない環境の折に、敢えて冒険を冒してまで政策変更に乗り出すとは思えない。

下げ渋る金の背景に、そうしたものがあるのではないか。

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